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日本神話

タジマモリ(田道間守)とは何の神様か|家系図・物語・祀る神社

田道間守  / タジマモリ

大地 天孫

常世の国から橘を持ち帰った人物。菓子の神とされる。

タジマモリとは何の神様か

タジマモリはひとことで言えば間に合わなかった人です。垂仁天皇に命じられ、常世の国へ「非時香菓(ときじくのかくのみ)」を採りに行きました。橘のことです。

十年かけて持ち帰ったとき、天皇はすでに亡くなっていました。陵の前で泣き叫び、そのまま死んだと記されます。

橘は菓子の原型とされ、この人物は菓子の神として和菓子業界に信仰されています。

タジマモリの漢字表記と読み方

読みは「たじまもり」です。「タジマ」は但馬(たじま)、いまの兵庫県北部を指します。

この人物は、新羅の王子アメノヒボコの子孫とされます。渡来系の一族の出身です。

「モリ」守(もり)とする説があります。

但馬は、アメノヒボコの伝承が集中する土地です。渡来人が定着した地域と考えられています。

田道間守(たじまもり)

日本書紀での表記。

多遅摩毛理(たじまもり)

古事記での表記。

タジマモリの物語

  1. 不老不死の実を探しに
  2. 十年後の帰還
  3. 陵の前で死ぬ
  4. なぜ菓子の神なのか

不老不死の実を探しに

垂仁天皇は、老いを憂えて命じました。

常世の国に、非時香菓(ときじくのかくのみ)がある。取りに行け。

「トキジク」は時を定めない、つまり季節を問わず実るという意味です。

常世の国は、海の彼方にある不老不死の地とされます。

この時代の人にとって、海の向こうには死なない国があると考えられていました。

タジマモリは船出しました。

十年後の帰還

十年が経ちました。

タジマモリは、橘の枝を八本、実を八本持って帰ってきます。

しかし、垂仁天皇はすでに亡くなっていました

常世の国は、神仙の秘区、俗の臻る所に非ず。是を以て、往来ふ間に、自づからに十年を経つ。

常世は人が容易に行ける場所ではない、往復するだけで十年かかった、という意味です。

間に合わなかったのは、この人物の落ち度ではありませんでした。

陵の前で死ぬ

タジマモリは、持ち帰ったものを半分は皇后に献じ、半分を天皇の陵に供えました。

そして陵に向かって叫びます。

常世の国の非時香菓を、持ちて参上りて侍り。

持って帰ってまいりました、と。

泣き叫び続けて、そのまま死んだと日本書紀は記します。

命令を果たしたのに、報告する相手がいない。日本神話のなかでも、特に救いのない結末のひとつです。

なぜ菓子の神なのか

橘は、柑橘の一種です。実は小さく酸味が強く、そのままではあまり食べられません。

しかし当時、甘みのある食べ物はごくわずかでした。果物が、そのまま菓子だったのです。

「菓子」の「菓」は、もともと果物を指す字。

つまり橘を持ち帰ったこの人物が、菓子の祖とされました。

兵庫県豊岡市の中嶋神社が本社で、全国の菓子業者が参ります。4月に菓子祭が行われ、各地の和菓子が奉納されます。

タジマモリの家系図と家族

タジマモリの親: アメノヒボコ子孫

タジマモリのきょうだい: ヤマトヒメともに垂仁天皇に仕える

タジマモリの性格と人物像

タジマモリは、果たしたのに報われなかった人です。

十年かけて命令を完遂しました。しかし、命じた相手はもういませんでした。

嘆いたのは、褒美をもらえなかったからではありません。報告できなかったことに対してです。

死ぬまで陵の前で叫び続けたという描写に、この人物の性格が集約されています。忠義が報われないという型の、日本でもっとも古い例のひとつです。

タジマモリを祀る神社

タジマモリを祀るのは、兵庫県豊岡市の中嶋神社です。菓子の神として、全国の菓子業者の信仰を集めます。

4月に菓子祭が行われ、各地の和菓子が奉納されます。

和歌山県海南市の橘本神社など、菓子にゆかりの社が各地にあります。の名を冠する社が多いのが特徴です。

中嶋神社(なかしまじんじゃ)

式内社

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中嶋神社の住所: 兵庫県豊岡市三宅1

中嶋神社の御祭神: 田道間守命

中嶋神社のご利益: 菓子・商売繁盛

菓子の神として田道間守命を祀る。四月に菓子祭が行われる。

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中嶋神社へ参拝するときの、兵庫県豊岡市の宿を探せます。

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タジマモリが現代に残した痕跡

タジマモリの物語は、菓子と橘に残りました

菓子: 「菓」はもともと果物を指す字。橘を持ち帰った伝えから菓子の祖とされる。

橘: 常緑で香りのよい実をつける木。不老不死の象徴とされた。

文化勲章: 橘の花をかたどっている。常緑であることにちなむ。

タジマモリのご利益

菓子業繁栄

橘を持ち帰り、菓子の祖とされることによる。

所願成就

十年かけて命令を果たしたことによる。

旅の安全

長い航海を成し遂げたことによる。

タジマモリについてよくある質問

タジマモリとはどんな人物ですか。

垂仁天皇の命で常世の国へ橘を採りに行った人物です。十年かけて持ち帰りましたが、天皇はすでに亡くなっていました。

なぜ菓子の神なのですか。

「菓子」の「菓」はもともと果物を指す字です。甘い食べ物が乏しかった時代、果物が菓子にあたりました。橘を持ち帰ったことから菓子の祖とされます。

どこに祀られていますか。

兵庫県豊岡市の中嶋神社が本社です。4月に菓子祭が行われ、全国の菓子業者が参ります。