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日本の神様一覧|日本神話の家系図・相関図と物語の流れ

日本神話に登場する神を260柱収録しています。 物語の流れに沿って読む順番を示し、神どうしのつながりは相関図でたどれます。 古事記と日本書紀で記述が分かれる箇所は、どちらか一方に決めず両方を出典つきで載せています。

日本神話とは

日本神話とは、古事記日本書紀に記された、日本の国土と神々の成り立ちの物語です。天地が分かれるところから始まり、国土が生まれ、神々が争い、最後は初代天皇の誕生へとつながります。

登場する神は膨大ですが、物語の骨格は意外に単純です。イザナギイザナミが国を生み、その子アマテラス高天原を治め、弟スサノオが地上へ降り、その子孫オオクニヌシが国を造り、それをアマテラスの孫ニニギが受け継ぐ。 この一本の流れさえ押さえれば、あとは枝葉になります。

日本神話の特徴は、完全無欠の絶対神が登場しないことです。最高神アマテラスは弟の乱暴に耐えかねて岩屋に引きこもり、国土を造ったオオクニヌシは二度殺されて助けられ、国生みの父イザナギは約束を破って逃げ帰ります。神々が失敗し、その失敗が世界の仕組みを作っていく構造になっています。

日本神話は誰がいつ作ったのか|どこの国の神話か

日本神話は特定の誰かが創作したものではありません。 各地に伝わっていた伝承を、8世紀初めに国家事業としてまとめたものです。

古事記は和銅5年(712年)に完成しました。天武天皇の命で稗田阿礼が誦習していた内容を、元明天皇の代に太安万侶が書き取って撰録したと序文にあります。日本書紀は養老4年(720年)、舎人親王らが中心となって編纂しました。

つまり今からおよそ1300年前にまとめられた書物です。ただし記されている伝承そのものはさらに古く、口伝えで伝わってきたものが含まれています。

実話かという問いについては、歴史的事実の記録ではありません。 ただし出雲の神々の話に古代の勢力関係が反映されているなど、当時の社会を読み取る手がかりは多く含まれています。神話と考古学の一致が確認された例として、出雲大社の巨大な柱跡の発掘があります。

古事記と日本書紀の違い

日本神話を記した本は主に二つあり、同じ話でも内容が食い違う箇所が数多くあります。 神図鑑では、どちらか一方に決めず両方を出典つきで併記しています。

古事記(こじき)712年

現存する日本最古の書物です。稗田阿礼が誦習したものを太安万侶が書き取ったとされます。

物語としての完成度が高く、歌が多く挿入され、読み物として面白いのが特徴です。国内向けに書かれたとされ、出雲の神々の話が全体の3分の1を占めるほど厚く扱われています。

日本書紀(にほんしょき)720年

日本で最初の正式な歴史書です。中国の史書にならって漢文で書かれ、対外的に日本の正統性を示す目的があったとされます。

最大の特徴は「一書に曰く」として異なる伝承を並べて載せることです。ひとつの出来事に対し、十通り以上の異伝を記す箇所もあります。出雲の話は古事記に比べて大幅に少なくなっています。

もっとも分かりやすい違いは、出雲の扱いです。 古事記はオオクニヌシの物語に大きく紙面を割きますが、日本書紀ではごく簡潔に済ませています。

また古事記は三貴子をイザナギが単独で生んだとするのに対し、日本書紀の一書はイザナギとイザナミの二神が生んだとします。オオクニヌシがスサノオの何にあたるかも、古事記は六代あとの子孫、日本書紀の一書は子と、五世代ぶんずれます。

日本神話の世界のしくみ|高天原・葦原中国・黄泉の国8件

日本神話の世界は、三つの層に分かれています。

高天原(天)── 葦原中国(地上)── 黄泉の国(地下)

ただし、この区分はきれいに整理されているわけではありません。根の国常世の国のように、位置がはっきりしない場所もあります。

古事記と日本書紀で、場所の呼び方も数も違います。

以下は、物語のなかで実際に舞台になる場所です。

高天原(たかまがはら/神々の住む天)

アマテラスが治める天上の国です。

神々が住み、田があり、機織りの小屋があります。地上と同じ生活が営まれているのが特徴で、まったく別世界というより「上にあるもうひとつの国」として描かれます。

スサノオが田の畔を壊し、機織り小屋に馬を投げ入れたのも、そこに田と小屋があったからです。

葦原中国(あしはらのなかつくに/人の住む地上)

私たちが住む地上です。名は「葦の生い茂る、真ん中の国」を意味します。

オオクニヌシが造り、のちにアマテラスの孫ニニギへ譲られました。この国譲りが、日本神話の中心にある出来事です。

天から見て「下」ではなく「中」。 さらに下に黄泉があります。

黄泉の国(よみのくに/死者の行く国)

死者が行く地下の国です。イザナミが火の神を生んで死に、ここへ去りました。

決定的なのが黄泉戸喫(よもつへぐい)です。

その国の食べ物を口にした者は、もう戻れない。

イザナミが帰れなくなった理由がこれです。ギリシャ神話でペルセポネがザクロを食べて戻れなくなるのと、同じ発想が独立して現れています。

出口は黄泉比良坂。古事記は「今の出雲国の伊賦夜坂」と、実在の地名で記しています。

根の堅州国(ねのかたすくに/スサノオのいる国)

スサノオが去った先の国です。オオクニヌシが試練を受けた場所でもあります。

黄泉の国と同じなのか、別なのか。

はっきりしていません。 古事記では別の名で呼ばれ、日本書紀では扱いが異なります。死者の国と地続きの、別の領域と解する説が有力です。

常世の国(とこよのくに/海の彼方)

海の向こうにある不老不死の国です。スクナビコナが最後に渡っていった先でもあります。

黄泉が「地下の死の国」なのに対し、常世は「海の彼方の理想郷」です。

死の国が二種類ある。

地下と海の彼方。どちらも「ここではないどこか」ですが、性格が正反対です。

海神の宮(わたつみのみや/海の底の宮殿)

ホオリが釣り針を探して訪れた、海の底の宮殿です。トヨタマヒメの父オオワタツミが治めています。

三年を過ごしても、地上では時間の感じ方が違う。

浦島太郎の原型のひとつとされます。魚が集められて釣り針を探す場面など、具体的な描写が多く残っています。

天の浮橋(あめのうきはし/天と地をつなぐ)

高天原と地上をつなぐ橋です。イザナギとイザナミはここに立ち、矛で海をかき混ぜて最初の島を作りました。

ニニギが降りるときも、この橋を通ります。

天と地は、行き来できる。

完全に断絶していないのが、日本神話の世界の特徴です。

天の安河(あめのやすかわ/神々が集まる川原)

高天原を流れる川です。何か重大な決定をするとき、八百万の神がこの川原に集まって相談します。

アマテラスが岩屋に隠れたときも、国譲りの使者を選ぶときも、ここで会議が開かれました。

神々は、合議で決める。

絶対的な一柱が命じるのではなく、集まって相談する。日本神話の意思決定の形です。

日本神話のあらすじと有名な話をざっくり読む順番

日本神話は、おおよそ次の九つの場面で進みます。上から順に読めば、通して物語がつかめるように書いてあります。

登場する神の名は長く覚えにくいのですが、流れさえ頭に入れば、あとは誰がどの場面にいたかを当てはめるだけになります。

天地のはじまり

天と地がはじめて分かれたとき、高天原にアメノミナカヌシが現れました。続いてタカミムスヒカムムスヒ。この三柱を造化三神と呼びます。

ただしこの神々は、現れてすぐ姿を隠してしまいます。以後の物語には出てきません。日本神話は「最初の神」が主役ではないという点が、他の神話と違うところです。

その後も神が次々に現れては消え、七代目にしてようやくイザナギとイザナミという一組の男女神にたどり着きます。ここから物語が動き始めます。

この場面に出てくる神: アメノミナカヌシタカミムスヒカムムスヒイザナギイザナミ

国生みと神生み

高天原の神々はイザナギとイザナミに天沼矛を授け、「漂っているこの国を固めよ」と命じました。

二柱は天の浮橋に立って矛を下ろし、海をかき回します。引き上げたとき滴った潮が積もって島となりました。二柱はそこへ降り、柱を回って出会い、国を生み始めます。

最初は失敗しました。女神から先に声をかけたため、生まれた子は骨のない水蛭子で、葦の舟に乗せて流されます。やり直して男神から声をかけると、淡路島を皮切りに次々と島が生まれました。大八島、日本の国土です。

続けて海の神、風の神、山の神と神々を生みますが、火の神カグツチを生んだときイザナミは身を焼かれて命を落とします。神々のうちで最初の死でした。

この場面に出てくる神: イザナギイザナミカグツチ

黄泉の国と禊

イザナギは妻を連れ戻そうと黄泉の国へ向かいます。イザナミは「黄泉の食べ物を食べてしまった」と告げ、「相談してくるので決して見ないで」と言い残しました。

待ちきれず火を灯して覗いたイザナギが見たのは、蛆がたかり雷が生じた妻の姿でした。恐れて逃げ出したイザナギを、恥をかかされたイザナミが追います。

黄泉比良坂で巨岩を挟み、二柱は最後の言葉を交わしました。「一日に千人殺す」「ならば千五百の産屋を建てよう」。ここで人の生死が定まります。

地上に戻ったイザナギは、穢れを落とすため川でをしました。このとき左目からアマテラス、右目からツクヨミ、鼻からスサノオが生まれます。三貴子です。

この場面に出てくる神: イザナギイザナミアマテラスツクヨミスサノオ

三貴子と天の岩屋戸

アマテラスは高天原を、ツクヨミは夜を、スサノオは海原を治めるよう命じられました。ところがスサノオは従わず、母に会いたいと泣き続けて山を枯らします。追放される前に姉へ挨拶しようと高天原へ上がりました。

アマテラスは弟が攻めてきたと考え、千本の矢を負って武装して待ち構えます。誓約という占いで潔白を証明したスサノオでしたが、勝ちに乗じて乱暴を始めました。田の畦を壊し、御殿を汚し、ついに機織り小屋へ皮を剥いだ馬を投げ入れます。驚いた機織り女が死にました。

恐れたアマテラスは天の岩屋戸に隠れ、太陽が失われて世界は闇に包まれます。

困った八百万の神々は、知恵の神オモイカネの策で鏡と勾玉を用意し、アメノウズメが舞いました。神々の笑い声を不審に思って戸を開けたアマテラスを、タヂカラオが引き出します。光が戻りました。

この場面に出てくる神: アマテラススサノオアメノウズメオモイカネタヂカラオ

ヤマタノオロチ退治

責任を問われたスサノオは高天原を追われ、出雲の斐伊川の上流に降り立ちます。

そこで娘を挟んで泣く老夫婦に出会いました。毎年ヤマタノオロチが現れて娘を食べ、残るは末娘のクシナダヒメだけだといいます。

スサノオは姫を妻にもらう約束をして退治を引き受けました。姫を櫛に変えて髪に挿し、強い酒を八つの桶に用意します。八つの頭がそれぞれ酒を飲んで眠り込んだところを斬り刻みました。

尾を裂いたとき、中から一振りの太刀が現れます。草薙剣です。スサノオはこれを姉アマテラスに献上しました。

須賀の地に宮を建てたスサノオは「八雲立つ 出雲八重垣」と詠みます。日本最初の和歌とされます。

この場面に出てくる神: スサノオヤマタノオロチクシナダヒメ

出雲の国造り

スサノオの子孫にあたるオオクニヌシが、次の主役になります。

若い頃は八十神と呼ばれる兄たちの荷物持ちでした。傷ついた因幡の白兎を助けたことで姫に選ばれ、それを妬んだ兄たちに二度殺されます。母に助けられ、根の国のスサノオのもとへ逃れました。

そこで蛇の室、ムカデと蜂の室、野火という試練を受けます。娘スセリビメとネズミの助けで切り抜け、太刀と弓矢を奪って逃げ出しました。スサノオは追跡をやめ、遠くから「大国主となって国を作れ」と叫びます。

出雲へ戻ったオオクニヌシは、海の彼方から来た小さな神スクナビコナと兄弟の契りを結び、国を造りました。土地を拓き、病を治す方法を定めます。

この場面に出てくる神: オオクニヌシスクナビコナスサノオ

国譲り

国が整った頃、高天原のアマテラスが「葦原中国は我が子が治めるべきだ」として使者を送ります。

最初の使者はオオクニヌシに従ってしまい、次の使者も八年報告しませんでした。三度目にタケミカヅチが降ります。剣を波の上に逆さに立て、その切先に胡座をかいて迫りました。

オオクニヌシは即答せず、子に判断を委ねます。コトシロヌシはためらいなく承諾しました。もう一人の子タケミナカタは力比べを挑みますが、手を氷柱と剣の刃に変えられて敗れ、諏訪まで追われます。

オオクニヌシは条件をひとつ出しました。「天津神の御子の宮のような、太い柱を持つ社を建ててくれるなら身を隠しましょう」。こうして建てられたのが出雲大社です。

この場面に出てくる神: アマテラスタケミカヅチコトシロヌシタケミナカタオオクニヌシ

天孫降臨

国が明け渡されると、アマテラスは孫のニニギを地上へ降ろします。三種の神器と五柱の伴神を授けました。鏡については「私の御魂として祀りなさい」と告げます。

降臨の途中、道を塞ぐ異形の神サルタヒコが現れました。アメノウズメが素性を問うと、天孫を先導するために待っていたと答えます。ニニギ一行は日向の高千穂峰へ降り立ちました。

地上でニニギはコノハナサクヤヒメを見初めます。父オオヤマツミは姉のイワナガヒメも添えて差し出しましたが、ニニギは姉を送り返しました。

父は告げます。「イワナガヒメを召せば命は岩のように揺るがず、妹だけを召せば花のように儚くなる」。これによって人に寿命が生まれました。

この場面に出てくる神: ニニギサルタヒココノハナサクヤヒメイワナガヒメオオヤマツミ

海幸山幸と、人代へ

ニニギの子にはホデリ(海幸彦)とホオリ(山幸彦)がいました。道具を取り替えたホオリは、借りた釣針を海で失ってしまいます。

兄に厳しく責められたホオリは海神の宮を訪ね、針を探し出しました。滞在中に海神の娘トヨタマヒメと結ばれ、潮を操る二つの珠を授かります。地上に戻ってこれを使い、兄を屈服させました。

トヨタマヒメは出産の際「本来の姿に戻るので見ないで」と告げますが、ホオリは覗いてしまいます。八尋の鮫の姿を見られた姫は、子を残して海へ帰りました。イザナギとイザナミの別れと同じ型が、ここで繰り返されます。

その子ウガヤフキアエズの子が、東征して初代天皇となるカムヤマトイワレビコです。神代はここで人代へ移ります。

この場面に出てくる神: ホオリホデリトヨタマヒメウガヤフキアエズ

日本神話の神一覧・名前と登場人物260柱

日本神話の主神級の神 16柱

物語の骨格を作る神々です。まずここから覚えると全体がつかめます。

日本神話の重要な神 66柱

主要な場面で動く神々です。

アヂスキタカヒコネ

AJISUKITAKAHIKONE 大地 国津神

アメノウズメ

UZUME 天津神

アメノヒボコ

AMENOHIBOKO 太陽 天津神

アメノホヒ

AMENOHOHI 大地 天津神

アメノミナカヌシ

AMENOMINAKANUSHI 大地 別天津神

アメノワカヒコ

AMEWAKAHIKO 天津神

イチキシマヒメ

ICHIKISHIMAHIME 天津神

ウマシアシカビヒコヂ

UMASHIASHIKABI 大地 別天津神

オオトシ

OTOSHI 大地 国津神

オオヤマツミ

OYAMATSUMI 大地 国津神

オトタチバナヒメ

OTOTACHIBANA 天孫

オモイカネ

OMOIKANE 大地 天津神

オモダル・アヤカシコネ

OMODARU 大地 神世七代

カグツチ

KAGUTSUCHI 神世七代

カナヤゴ

KANAYAGO 国津神

カナヤマヒコ

KANAYAMAHIKO 大地 国津神

カモタケツヌミ

KAMOTAKETSUNUMI 大地 天津神

カモワケイカヅチ

KAMOWAKEIKAZUCHI 天津神

ククリヒメ

KUKURIHIME 大地 国津神

クシナダヒメ

KUSHINADA 大地 国津神

クニノトコタチ

KUNITOKOTACHI 大地 神世七代

クラオカミ

KURAOKAMI 大地 天津神

コトシロヌシ

KOTOSHIRONUSHI 国津神

コノハナサクヤヒメ

KONOHANASAKUYA 大地 国津神

サホビメ

SAHOBIME 大地 天孫

サルタヒコ

SARUTAHIKO 太陽 国津神

シナツヒコ

SHINATSUHIKO 大地 天津神

スクナビコナ

SUKUNABIKONA 大地 国津神

スセリビメ

SUSERIBIME 大地 国津神

セオリツヒメ

SEORITSUHIME 天津神

タカオカミ

TAKAOKAMI 大地 天津神

タカミムスヒ

TAKAMIMUSUHI 大地 別天津神

タクハタチヂヒメ

TAKUHATACHIJIHIME 天津神

タケミカヅチ

TAKEMIKAZUCHI 天津神

タケミナカタ

TAKEMINAKATA 国津神

タマヨリビメ

TAMAYORIHIME 国津神

ツクヨミ

TSUKUYOMI 三貴子

トヨタマヒメ

TOYOTAMAHIME 国津神

ナガスネヒコ

NAGASUNEHIKO 国津神

ヌナカワヒメ

NUNAKAWAHIME 大地 国津神

ハラエドノオオカミ

HARAEDONOOKAMI 天津神

ヒメタタライスズヒメ

HIMETATARAISUZU 大地 国津神

ヒルコ

HIRUKO 神世七代

ホオリ

HOORI 天孫

ホノイカヅチ

HONOIKAZUCHI 黄泉

ホムスビ

HOMUSUBI 神世七代

ミズハノメ

MIZUHANOME 大地 天津神

モリヤノカミ

MORIYA 国津神

ヤマタノオロチ

YAMATANOOROCHI 国津神

ヤマトヒメ

YAMATOHIME 太陽 天孫

ライジン

RAIJIN 黄泉

ワカヒルメ

WAKAHIRUME 太陽 天津神

一言主

HITOKOTONUSHI 大地 国津神

中筒男命

NAKATSUTSUNOO 天津神

丹生都比売

NIUTSUHIME 大地 国津神

住吉三神

SUMIYOSHI 天津神

八咫烏

YATAGARASU 太陽 天津神

大山咋神

OYAMAKUI 大地 国津神

天津甕星

AMATSUMIKABOSHI 冥界 天津神

天火明命

AMENOHOAKARI 太陽 天津神

布都御魂

FUTSUNOMITAMA 天津神

底筒男命

SOKOTSUTSUNOO 天津神

武内宿禰

TAKENOUCHI 大地 天孫

神功皇后

JINGU 天孫

表筒男命

UWATSUTSUNOO 天津神

龍田の風神

TATSUTA 大地 天津神

日本神話の関連する神 178柱

特定の場面に現れる神々です。

アカルヒメ

AKARUHIME 太陽 国津神

アシナダカ

ASHINADAKA 国津神

アシナヅチ・テナヅチ

ASHINAZUCHI 大地 国津神

アスカノオオカミ

ASUKANOOKAMI 大地 国津神

アマツクニタマ

AMATSUKUNITAMA 大地 天津神

アマツクメ

AMATSUKUME 天津神

アマツヒコネ

AMATSUHIKONE 太陽 天津神

アメノイクタマ

AMENOIKUTAMA 大地 天津神

アメノオシクモネ

AMENOOSHIKUMONE 大地 天津神

アメノオシヒ

AMENOOSHIHI 天津神

アメノカミタマ

AMENOKAMITAMA 大地 天津神

アメノコヤネ

AMENOKOYANE 大地 天津神

アメノサギリ

AMENOSAGIRI 大地 天津神

アメノタナバタヒメ

AMENOTANABATA 大地 天津神

アメノツキノミタマ

AMENOTSUKINOMITAMA 天津神

アメノツドヘチネ

AMENOTSUDOHECHINE 国津神

アメノトコタチ

AMENOTOKOTACHI 大地 別天津神

アメノトミ

AMENOTOMI 大地 天津神

アメノトヨタラシカラヒメ

AMENOTOYOTARASHIKARAHIME 大地 国津神

アメノナエマス

AMENONAEMASU 大地 天津神

アメノハヨ

AMENOHAYO 大地 天津神

アメノヒノミタマ

AMENOHINOMITAMA 太陽 天津神

アメノヒバラオオシナドミ

AMENOHIBARAOSHINADOMI 大地 国津神

アメノヒリトメ

AMENOHIRITOME 大地 天津神

アメノフユキヌ

AMENOFUYUKINU 大地 国津神

アメノミカゲ

AMENOMIKAGE 大地 天津神

アメノミサリ

AMENOMISARI 大地 国津神

アメノミチヒメ

AMENOMICHIHIME 大地 天津神

イイヨリヒコ

IIYORIHIKO 大地 国津神

イクツヒコネ

IKUTSUHIKONE 太陽 天津神

イサガ

ISAGA 大地 国津神

イザワトミ

ISAWATOMI 大地 国津神

イシコリドメ

ISHIKORIDOME 大地 天津神

イズナヒメ

IZUNAHIME 大地 国津神

イズノメ

IZUNOME 大地 天津神

イズハヤオ

IZUHAYAO 国津神

イズハヤヒメ

IZUHAYAHIME 大地 国津神

イブキドヌシ

IBUKIDONUSHI 天津神

イワサク

IWASAKU 天津神

イワナガヒメ

IWANAGAHIME 大地 国津神

ウガヤフキアエズ

UGAYAFUKIAEZU 天孫

ウケモチ

UKEMOCHI 大地 国津神

ウツシヒカナサク

UTSUSHIHIKANASAKU 国津神

ウヒヂニ・スヒヂニ

UHIJINI 大地 神世七代

ウマシマヂ

UMASHIMAJI 天津神

オウバンシン

OBANSHIN 大地 国津神

オオキビノモロススミ

OKIBIMOROSUSUMI 大地 天孫

オオクチノマガミ

MAGAMI 国津神

オオゲツヒメ

OGETSUHIME 大地 国津神

オオコトオシオ

OKOTOOSHIO 大地 国津神

オオタマルワケ

OTAMARUWAKE 大地 国津神

オオトノヂ・オオトノベ

OTONOJI 大地 神世七代

オオナオビ

ONAOBI 大地 天津神

オオノデヒメ

ONODEHIME 大地 国津神

オオマガツヒ

OMAGATSUHI 冥界 天津神

オオミヤノメ

OMIYANOME 大地 天津神

オオヤビコ

OYABIKO 大地 国津神

オキタマノカミ

OKITAMA 大地 国津神

オキツヒコ・オキツヒメ

OKITSUHIKO 国津神

オシホミミ

OSHIHOMIMI 大地 天津神

オトゴサヒメ

OTOGOSAHIME 大地 国津神

オミヅヌ

OMIZUNU 国津神

カタクラベ

KATAKURABE 大地 国津神

カムオオイチヒメ

KAMUOICHIHIME 大地 国津神

カムナオビ

KAMUNAOBI 大地 天津神

カムムスヒ

KAMIMUSUHI 大地 別天津神

カムヤタテヒメ

KAMUYATATEHIME 大地 国津神

カヤノヒメ

KAYANOHIME 大地 天津神

キサガイヒメ・ウムギヒメ

KISAGAIHIME 国津神

ククノチ

KUKUNOCHI 大地 天津神

クニオシトミ

KUNIOSHITOMI 大地 国津神

クニノサツチ

KUNISATSUCHI 大地 神世七代

クマノクスビ

KUMANOKUSUBI 冥界 天津神

クラミツハ

KURAMITSUHA 大地 天津神

コダマヒコ

KODAMAHIKO 大地 国津神

コトサカノオ

KOTOSAKANOO 冥界 黄泉

コノハナチルヒメ

KONOHANACHIRU 大地 国津神

コンセイシン

KONSEI 大地 国津神

サオヒメ

SAOHIME 大地 国津神

サシクニオオカミ

SASHIKUNIOOKAMI 大地 国津神

サシクニワカヒメ

SASHIKUNIWAKAHIME 大地 国津神

シオツチオジ

SHIOTSUCHI 国津神

シタテルヒメ

SHITATERUHIME 太陽 国津神

ソソウノカミ

SOSOU 大地 国津神

タカクラジ

TAKAKURAJI 国津神

タキリビメ

TAKIRIBIME 天津神

タギシミミ

TAGISHIMIMI 天孫

タギツヒメ

TAGITSUHIME 天津神

タクズダマ

TAKUZUDAMA 太陽 天津神

タケイオオトモヌシ

TAKEIOTOMONUSHI 大地 国津神

タケヒラトリ

TAKEHIRATORI 大地 天津神

タケミナカタヒコカミワケ

TAKEMINAKATAHIKOKAMIWAKE 大地 国津神

タケミナワケ

TAKEMINAWAKE 大地 国津神

タジマモリ

TAJIMAMORI 大地 天孫

タヂカラオ

TAJIKARAO 天津神

タツタヒメ

TATSUTAHIME 大地 国津神

タヒリキシマルミ

TAHIRIKISHIMARUMI 国津神

タマクシヒメ

TAMAKUSHIHIME 大地 国津神

タマノオヤ

TAMANOYA 天津神

タマバシラヤヒメ

TAMABASHIRAYAHIME 大地 国津神

タマヒメ

TAMAHIME 大地 国津神

タマルヒメ

TAMARUHIME 大地 国津神

チカト

CHIKATO 大地 国津神

チマタノカミ

CHIMATA 大地 天津神

ツヌグイ・イクグイ

TSUNUGUI 大地 神世七代

ツノフリハヤブサミョウジン

TSUNOFURIHAYABUSA 天津神

トオツヤマサキタラシ

TOTSUYAMASAKITARASHI 大地 国津神

トトリ

TOTORI 大地 国津神

トヨクモノ

TOYOKUMONO 大地 神世七代

ナイノカミ

NAINOKAMI 大地 国津神

ナガシラハ

NAGASHIRAHA 天津神

ナキサワメ

NAKISAWAME 大地 天津神

ハニヤスビコ・ハニヤスビメ

HANIYASU 大地 天津神

ハヤアキツヒコ

HAYAAKITSUHIKO 天津神

ハヤサスラヒメ

HAYASASURAHIME 冥界 天津神

ハヤタマノオ

HAYATAMANOO 冥界 黄泉

ヒカワヒメ

HIKAWAHIME 国津神

ヒコサシリ

HIKOSASHIRI 大地 天津神

ヒサツヒメ

HISATSUHIME 大地 国津神

ヒナテルヌカタビチオイコチニ

HINATERUNUKATABICHIO 太陽 国津神

ビンボウガミ

BINBOGAMI 冥界 国津神

フカブチノミズヤレハナ

FUKABUCHINOMIZUYAREHANA 国津神

フテミミ

FUTEMIMI 大地 国津神

フトダマ

FUTODAMA 大地 天津神

フナドノカミ

FUNADONOKAMI 大地 天津神

フノヅノ

FUNOZUNO 大地 国津神

フハノモヂクヌスヌ

FUHANOMOJIKUNUSUNU 大地 国津神

ホスセリ

HOSUSERI 天孫

ホデリ

HODERI 天孫

マサカヤマツミ

MASAKAYAMATSUMI 国津神

ミカハヤヒ・ヒハヤヒ

MIKAHAYAHI 天津神

ミケツ

MIKETSU 大地 天津神

ミシマノミゾクイ

MISHIMAMIZOKUI 大地 国津神

ミヤビノカミ

MIYABI 天津神

ムナスキヒメ

MUNASUKIHIME 国津神

モリタ

MORITA 大地 国津神

モリタカ

MORITAKA 国津神

ヤガタスクネ

YAGATASUKUNE 大地 国津神

ヤキネ

YAKINE 大地 国津神

ヤシマジヌミ

YASHIMAJINUMI 大地 国津神

ヤシマムヂ

YASHIMAMUJI 大地 国津神

ヤソマガツヒ

YASOMAGATSUHI 冥界 天津神

ヤツカオ

YATSUKAO 国津神

ヤノハハキ

YANOHAHIKI 大地 国津神

ヨモツシコメ

YOMOTSUSHIKOME 冥界 黄泉

ワクムスヒ

WAKUMUSUBI 大地 天津神

一目連

ICHIMOKUREN 天津神

三穂津姫

MIHOTSUHIME 大地 天津神

久延毘古

KUEBIKO 大地 国津神

五十猛神

ISOTAKERU 大地 国津神

五瀬命

ITSUSE 天孫

伊勢津彦

ISETSUHIKO 大地 国津神

伊香色雄命

IKAGASHIKOO 天津神

会津比売神

AIZUHIME 大地 国津神

倭大国魂神

YAMATO-OKUNITAMA 大地 国津神

健磐龍命

TAKEIWATATSU 大地 天孫

八上比売

YAGAMIHIME 大地 国津神

八十神

YASOGAMI 国津神

八坂刀売神

YASAKATOME 大地 国津神

大物忌神

OMONOIMI 大地 国津神

大田田根子

OTATANEKO 大地 国津神

天之尾羽張

AMENOOHABARI 天津神

天探女

AMENOSAGUME 冥界 天津神

天日鷲神

AMENOHIWASHI 天津神

天津麻羅

AMATSUMARA 天津神

天目一箇神

AMENOMAHITOTSU 天津神

天石門別神

AMENOIWATOWAKE 大地 天津神

天羽槌雄神

AMENOHAZUCHIO 天津神

天香山命

AMENOKAGUYAMA 大地 天津神

天鳥船

AMENOTORIFUNE 天津神

御毛沼命

MIKENU 天孫

志波彦神

SHIWAHIKO 大地 国津神

木俣神

KIMATANOKAMI 大地 国津神

櫛真智命

KUSHIMACHI 大地 天津神

神八井耳命

KAMUYAIMIMI 大地 天孫

稲飯命

INAHI 天孫

道臣命

MICHINOOMI 天津神

野見宿禰

NOMI 国津神

日本神話の家系図・相関図(わかりやすい系譜)

神を押すと、その神につながる線だけが残ります。山吹色の破線は本によって話がちがう箇所です。 この図には、物語の筋の中心になる34柱を置いています。 収録している260柱それぞれの相関図は、各神のページにあります。

日本神話の最高神・最初の神・最強の神・三貴子

日本神話の最高神は誰か

アマテラスです。高天原を治め、国譲りを命じ、天孫降臨を決定するなど、日本神話で唯一「統治する神」として描かれます。伊勢神宮に祀られ、皇室の祖先神とされます。

ただし「最高神」という語は日本神話には出てきません。序列が明記されているわけではなく、物語上の役割から実質的な最高位と判断されているものです。

この神を見る: アマテラス

日本神話で最初に現れた神は誰か

アメノミナカヌシです。天と地がはじめて分かれたとき、高天原にまず現れたと古事記は記します。続いてタカミムスヒ、カムムスヒが現れ、この三柱を造化三神と呼びます。

ただしこの三柱はいずれも姿を現してすぐ隠れてしまい、以後の物語には登場しません。最初に現れた神と、物語の中心にいる神は別です。

この神を見る: アメノミナカヌシタカミムスヒカムムスヒ

日本神話で最強の神は誰か

武力という点ではタケミカヅチが最強とされます。国譲りでタケミナカタの腕を葦のように握りつぶし、神武東征では剣を送るだけで軍を救いました。

一方、荒々しさで言えばスサノオです。泣くだけで山を枯らし海を干上がらせ、八岐大蛇を単独で討ちました。

日本神話には強さの序列が示されていないため、どの場面を基準にするかで答えが変わります。

この神を見る: タケミカヅチスサノオ

日本神話で最強の女神は誰か

立場ではアマテラス、力ではイザナミという見方ができます。

イザナミは黄泉の主として「一日に千人殺す」と宣言しており、日本神話でもっとも直接的に人の生死を左右する神です。アマテラスも弟を迎え撃つ場面で千本の矢を負い武装しています。

この神を見る: アマテラスイザナミ

日本神話の女神一覧と女神の名前10柱

日本神話には多くの女神が登場します。国土を生んだ神、太陽を司る神、大蛇から救われた姫、海神の娘と役割はさまざまです。

日本神話の神器と武器一覧8点

日本神話には、物語を動かす特別な道具がいくつも登場します。とくに三種の神器は皇位の象徴として現在まで受け継がれています。

草薙剣(くさなぎのつるぎ)

スサノオがヤマタノオロチの尾を斬ったとき、中から現れた太刀です。もとの名は天叢雲剣。スサノオがアマテラスに献上し、のちに天孫降臨でニニギへ授けられ、三種の神器のひとつとなりました。さらにヤマトタケルの手に渡り、草を薙ぎ払って野火から逃れたことから草薙剣と呼ばれるようになります。現在は熱田神宮に祀られています。

関わる神: スサノオ

八咫鏡(やたのかがみ)

天の岩屋戸の際、イシコリドメが作った鏡です。アマテラスを外へ導くために使われました。天孫降臨の際、アマテラスが「この鏡を私の御魂として祀りなさい」と告げてニニギへ授けたもので、伊勢神宮内宮の御神体とされます。

関わる神: アマテラス

八尺瓊勾玉(やさかにのまがたま)

天の岩屋戸の儀式で榊に掛けられた勾玉です。三種の神器のひとつで、現在は皇居に伝わるとされます。

関わる神: アマテラス

天沼矛(あめのぬぼこ)

イザナギとイザナミが天の浮橋から海をかき回した矛です。滴った潮が積もって最初の島淤能碁呂島になりました。日本の国土はこの矛から始まっています。

関わる神: イザナギ

十拳剣(とつかのつるぎ)

拳十個ぶんの長さを持つ剣の総称です。イザナギがカグツチを斬った剣、スサノオがヤマタノオロチを斬った剣がこれにあたります。特定の一振りではなく、複数の場面に登場します。

関わる神: イザナギ

布都御魂(ふつのみたま)

タケミカヅチが国を平定した剣です。神武東征のとき、本人は降りずにこの剣だけを熊野へ送り届け、荒ぶる神を斬り倒しました。奈良の石上神宮に御神体として祀られています。

関わる神: タケミカヅチ

天羽々斬(あめのはばきり)

スサノオがヤマタノオロチを斬った剣の名です。大蛇を斬った際、尾に当たって刃が欠けました。石上布都魂神社に祀られたと伝わります。

関わる神: スサノオ

塩満珠・塩乾珠(しおみつたま・しおふるたま)

ホオリが海神から授かった二つの珠です。潮を満たし、潮を引かせる力を持ち、兄ホデリを屈服させるために使われました。

関わる神: ホオリ

日本神話に登場する動物・怪物・幻獣一覧7件

日本神話には神以外の存在も多く登場します。神の使いとなる動物、退治される怪物、姿を変える神などです。

八咫烏(やたがらす)

三本足の烏です。神武天皇の東征で、道に迷った軍勢を熊野から大和へ導きました。導きの象徴とされ、現在も日本サッカー協会の紋章に用いられています。

因幡の白兎(いなばのしろうさぎ)

和邇を欺いて海を渡ろうとし、皮を剥がれた兎です。オオクニヌシに正しい治療法を教えられて回復し、彼が姫と結ばれることを予言しました。

関わる神: オオクニヌシ

ヤマタノオロチ(やまたのおろち)

八つの頭と八つの尾を持つ大蛇です。体には苔と檜杉が生え、腹は常に血で爛れていたと描かれます。斐伊川の氾濫を象徴するという解釈が知られます。

関わる神: ヤマタノオロチ

八尋和邇(やひろわに)

トヨタマヒメが出産のときに戻った本来の姿です。「和邇」は鮫とも龍とも解されます。この姿を見られたことで、彼女は海へ帰りました。

関わる神: トヨタマヒメ

白い鹿(しろいしか)

タケミカヅチが鹿島から奈良へ移る際に乗ったとされる鹿です。奈良公園の鹿が神の使いとして保護されているのは、この伝承によります。

関わる神: タケミカヅチ

ネズミ(ねずみ)

根の国でオオクニヌシが野火に囲まれたとき、「内はほらほら、外はすぶすぶ」と告げて地下の空洞を教え、命を救いました。

関わる神: オオクニヌシ

常世の長鳴鳥(とこよのながなきどり)

天の岩屋戸の儀式で鳴かせた鳥です。鶏にあたるとされ、夜明けを呼ぶ役割を担いました。神社に鶏が放されているのはこの由来によります。

日本神話のその他の神々|山の神・水の神・福の神7件

主要な神のほかにも、役割のはっきりした神々が数多くいます。

日本神話には八百万の神という言い方があるとおり、山にも川にも竈にも神がいます。ここでは、名前が挙がることの多いものをまとめます。

山の神(オオヤマツミの系統)(やまのかみ)

オオヤマツミが山を統べる神で、コノハナサクヤヒメとイワナガヒメの父です。

各地の山には、それぞれの山の神が祀られています。山は神が住む場所であり、入るときには作法がありました。

山の神は女神である

とする地域の伝えも多く、山に女性が入ることを忌む風習の根拠にされてきました。ただしこれは後世の解釈で、記紀にそう書いてあるわけではありません。

水の神・雨の神(みずのかみ・あめのかみ)

タカオカミクラオカミが、雨と水を司る神として記されます。イザナギがカグツチを斬ったとき、その血や体から生まれました。

火の神を斬った剣から、水の神が生まれる。

貴船神社(京都)が有名で、雨乞いには黒馬、雨止めには白馬を奉納した記録が残ります。この習わしが、のちの絵馬の起源とされます。

海の神(ワタツミ)(わたつみ)

オオワタツミが海を統べる神です。ホオリが訪れた海底の宮の主で、トヨタマヒメの父にあたります。

イザナギの禊からは底筒男・中筒男・表筒男の三柱(住吉三神)が生まれ、航海の神として祀られました。

住吉大社は、いまも海運と航海安全の社です。

竈の神・家の神(かまどのかみ)

火の神カグツチの系統として、家の火を守る神が祀られました。荒神さまと呼ばれ、台所に祀る習慣が各地に残ります。

家のなかにも神がいる。

神社に行かなくても、竈・便所・井戸・門にそれぞれ神がいるとされました。八百万の神とは、この密度のことです。

福の神(七福神との関係)(ふくのかみ)

七福神は日本神話だけの神々ではありません。

恵比寿だけが日本の神。大黒天・毘沙門天・弁財天はインド、福禄寿・寿老人は中国、布袋は実在の中国の僧。

出身がばらばらです。

恵比寿はコトシロヌシ、またはイザナギ・イザナミの子ヒルコとされます。大黒天はオオクニヌシと、名前の音が似ていることから習合しました。

道の神(サルタヒコと道祖神)(みちのかみ)

サルタヒコが、天孫降臨の道案内をした神です。そこから道と旅の神とされました。

村境や辻に立つ道祖神も、外から来る災いを防ぐ神です。

境目に神を置く。

村の内と外、この世とあの世。境界を守る発想が、日本神話には一貫してあります。

祟る神・怨霊(たたるかみ)

日本の神は、祀られなければ祟るとされました。

良い神と悪い神がいるのではない。同じ神が、扱い方で荒ぶりもし、和みもする。

これを荒魂・和魂(あらみたま・にぎみたま)といいます。

のちに菅原道真平将門のように、無念の死を遂げた人物が神として祀られました。恐れる対象を祀って鎮めるという、同じ発想の延長にあります。

日本神話の神を属性でさがす

「海の神」「火の神」「雷の神」のように、司るものから神を探すこともできます。神図鑑では属性で色分けしているので、色を見れば何を司る神かが分かります。

日本神話の大地の神:

タマヒメ

タマバシラヤヒメ

タマクシヒメ

チマタノカミ

トオツヤマサキタラシ

トトリ

オウバンシン

タケヒラトリ

ヒコサシリ

カタクラベ

クニノサツチ

タマルヒメ

オオコトオシオ

アメノヒバラオオシナドミ

アメノヒリトメ

アメノハヨ

アマツクニタマ

アメノイクタマ

アメノカミタマ

アメノミサリ

フノヅノ

フハノモヂクヌスヌ

タケミナカタヒコカミワケ

サシクニワカヒメ

チカト

クニオシトミ

ヤノハハキ

ナイノカミ

ソソウノカミ

サシクニオオカミ

オオノデヒメ

タケミナワケ

ヒサツヒメ

イズナヒメ

コダマヒコ

タケイオオトモヌシ

モリタ

アメノトヨタラシカラヒメ

ヤガタスクネ

オオタマルワケ

アスカノオオカミ

イザワトミ

イズハヤヒメ

フテミミ

オトゴサヒメ

ヤキネ

イサガ

イイヨリヒコ

アメノナエマス

オオキビノモロススミ

ヤシマムヂ

アメノオシクモネ

アメノミチヒメ

ミシマノミゾクイ

アメノミカゲ

アメノトミ

タツタヒメ

カムヤタテヒメ

サオヒメ

カムオオイチヒメ

アメノフユキヌ

ヤシマジヌミ

オキタマノカミ

コンセイシン

カモタケツヌミ

ヌナカワヒメ

神武天皇

ウマシアシカビヒコヂ

菅原道真

アメノタナバタヒメ

オオヤビコ

コノハナチルヒメ

龍田の風神

サホビメ

ククリヒメ

カムナオビ

クニノトコタチ

カナヤマヒコ

タジマモリ

天香山命

フナドノカミ

天石門別神

櫛真智命

ミケツ

クラミツハ

大田田根子

武内宿禰

神八井耳命

オオミヤノメ

イズノメ

ヒメタタライスズヒメ

丹生都比売

健磐龍命

伊勢津彦

八坂刀売神

会津比売神

大物忌神

タカオカミ

一言主

ナキサワメ

ハニヤスビコ・ハニヤスビメ

ワクムスヒ

オオトシ

木俣神

久延毘古

三穂津姫

アシナヅチ・テナヅチ

スセリビメ

八上比売

大物主

アヂスキタカヒコネ

アメノホヒ

トヨクモノ

ウヒヂニ・スヒヂニ

ツヌグイ・イクグイ

オオトノヂ・オオトノベ

オモダル・アヤカシコネ

アメノトコタチ

シナツヒコ

ククノチ

カヤノヒメ

アメノサギリ

クラオカミ

ミズハノメ

オオナオビ

トヨウケビメ

ウカノミタマ

志波彦神

大山咋神

五十猛神

倭大国魂神

オシホミミ

ニニギ

オオヤマツミ

コノハナサクヤヒメ

イワナガヒメ

オオクニヌシ

スクナビコナ

アメノミナカヌシ

タカミムスヒ

カムムスヒ

イザナギ

オオゲツヒメ

ウケモチ

オモイカネ

フトダマ

アメノコヤネ

イシコリドメ

クシナダヒメ

日本神話の月の神:

日本神話ゆかりの地・ゆかりの街と、いま行ける場所8件

日本神話は、舞台が実在します。しかも大半がいま参拝できます

神話の現場に、そのまま社が建っている。

これは他の神話にない強みです。ギリシャやエジプトの神殿は遺跡ですが、日本の社は千年以上、祀られ続けている場所が数多くあります。

以下は、物語との結びつきがはっきりしている土地です。

出雲(島根県)(いずも)

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出雲(島根県)の場所: 島根県出雲市・松江市

出雲(島根県)と神話のつながり: スサノオのヤマタノオロチ退治、オオクニヌシの国造りと国譲りの舞台

日本神話の三分の一が出雲の話とされます。

出雲大社はオオクニヌシを祀り、国譲りの見返りに建てられた社と伝えられます。2000年の発掘で直径3メートルに達する巨大な柱の跡が見つかり、古代に高層の社殿があったとする伝承の裏づけになりました。

須佐神社(スサノオ終焉の地)、八重垣神社(スサノオとクシナダの新居)、黄泉比良坂(伊賦夜坂)も現地にあります。

神話の地名が、そのまま現在の地名として残っている。

旧暦10月に全国の神が出雲へ集まるとされ、出雲だけ神在月と呼びます。

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出雲(島根県)へ参拝するときの、島根県出雲市の宿を探せます。

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伊勢(三重県)(いせ)

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伊勢(三重県)の場所: 三重県伊勢市

伊勢(三重県)と神話のつながり: アマテラスを祀る、日本の神社の中心

伊勢神宮はアマテラスを祀る内宮と、豊受大神を祀る外宮からなります。

参拝は外宮から内宮への順が古くからの作法とされます。

式年遷宮では20年ごとに社殿を建て替え、神を新しい宮へ移します。

1300年、同じ形を作り続けている。

建物は新しくても、形式は保たれる。「古さ」の考え方が石造文明とまったく違う例として、しばしば引かれます。

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高千穂(宮崎県)(たかちほ)

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高千穂(宮崎県)の場所: 宮崎県西臼杵郡高千穂町

高千穂(宮崎県)と神話のつながり: 天孫降臨の地、天の岩屋戸の伝承地

ニニギが降り立った地とされます。ただし降臨地には複数の候補があり、どこか一つに確定していません。 鹿児島県の霧島にも高千穂峰があります。

天岩戸神社では、対岸の岩屋を遥拝する形をとります。社殿から拝むのではなく、川の向こうの洞窟そのものを拝む構造です。

近くの天安河原は、八百万の神が集まって相談したとされる場所です。

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熊野(和歌山県)(くまの)

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熊野(和歌山県)の場所: 和歌山県田辺市・新宮市・那智勝浦町

熊野(和歌山県)と神話のつながり: イザナミの葬地とされる伝承、黄泉との境

熊野三山(本宮・速玉・那智)です。日本書紀は、イザナミが葬られたのは熊野の有馬村と記します。

死者の国への入口

とされ、平安時代には天皇から庶民までが列をなして詣でました(蟻の熊野詣)。

熊野古道は世界遺産です。スペインのサンティアゴ巡礼路と並び、道そのものが世界遺産になった数少ない例です。

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諏訪(長野県)(すわ)

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諏訪(長野県)の場所: 長野県諏訪市・下諏訪町

諏訪(長野県)と神話のつながり: タケミナカタが逃れ、留まると誓った地

国譲りに反対したタケミナカタが、タケミカヅチに敗れて逃れた先です。

この地から出ないと誓って、許された。

諏訪大社は上社・下社の四宮からなり、本殿を持たない社があります。山や木を直接拝む、社殿より古い形を残しています。

御柱祭では7年ごとに巨木を山から曳き、社の四隅に立てます。

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奈良(春日・三輪)(なら)

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奈良(春日・三輪)の場所: 奈良県奈良市・桜井市

奈良(春日・三輪)と神話のつながり: タケミカヅチを迎えた春日、オオモノヌシの三輪山

春日大社は、鹿島からタケミカヅチを迎えて祀りました。白い鹿に乗って来たという伝承から、奈良公園の鹿が神の使いとして保護されています。

大神神社(三輪)は、本殿がありません

三輪山そのものが御神体。

日本最古の神社の一つとされ、建物を建てて神を迎える以前の、山を直接拝む形がそのまま残っています。

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鹿島・香取(茨城県・千葉県)(かしま・かとり)

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鹿島・香取(茨城県・千葉県)の場所: 茨城県鹿嶋市・千葉県香取市

鹿島・香取(茨城県・千葉県)と神話のつながり: 国譲りの使者タケミカヅチとフツヌシ

国譲りを迫った二柱を祀る社です。鹿島神宮にタケミカヅチ、香取神宮フツヌシ

両社には要石(かなめいし)があり、地下の大鯰を押さえて地震を防ぐと伝えられます。

徳川光圀が七日七晩掘らせても、底に届かなかった。

という話が残ります。武の神として、剣術の流派が奉納額を掲げる社でもあります。

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鹿島・香取(茨城県・千葉県)へ参拝するときの、茨城県鹿嶋市の宿を探せます。

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宗像(福岡県)(むなかた)

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宗像(福岡県)の場所: 福岡県宗像市

宗像(福岡県)と神話のつながり: アマテラスとスサノオの誓約で生まれた三女神

宗像三女神を祀ります。誓約の場面で、スサノオの剣から生まれた三柱です。

沖ノ島は、いまも女人禁制で一般の上陸ができません。島全体が御神体で、島から持ち出すことも禁じられています。

禁忌が守られ続けたため、8万点の奉献品がそのまま残った。

海の正倉院」と呼ばれ、世界遺産に登録されています。

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宗像(福岡県)へ参拝するときの、福岡県宗像市の宿を探せます。

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日本神話の神の名前の読み方と原語表記

日本神話の神名は、表記がひどく揺れます。同じ神が古事記と日本書紀で違う字で書かれ、しかもどちらも正しい、という状態です。

オオクニヌシは「大国主」「大穴牟遅」「葦原色許男」「八千矛」…

本サイトではカタカナを見出しに使い、漢字表記は各ページの「漢字表記と読み方」の節にまとめています。

以下は、とくに混乱しやすいものです。

アマテラス: 古事記は「天照大御神」、日本書紀は「天照大神」。「オオミカミ」と「オオカミ」で読みが違います。伊勢神宮での正式な称は「天照坐皇大御神」。

スサノオ: 「須佐之男命」(古事記)と「素戔嗚尊」(日本書紀)。まったく違う字が当てられています。音を写しただけなので、どちらも当て字です。

オオクニヌシ: 「大国主神」のほか、大穴牟遅神・葦原色許男神・八千矛神・宇都志国玉神と、**古事記だけで五つの名**を持ちます。成長や役割に応じて名が変わる構造です。

ニニギ: 正式には「天邇岐志国邇岐志天津日高日子番能邇邇芸命」。**長すぎるため、通常は末尾のニニギだけで呼びます**。

イザナギ・イザナミ: 「伊邪那岐」「伊邪那美」(古事記)、「伊弉諾」「伊弉冉」(日本書紀)。神名の末尾は「命」(みこと)と「尊」(みこと)で書き分けられ、日本書紀では**尊のほうが格上**とされます。

「命」と「尊」の違い: 日本書紀は「至って貴い神には尊、それ以外には命を用いる」と明記しています。古事記は「命」でほぼ統一しています。

「神」と「命」の重複: 「〜神」と「〜命」の両方が使われる神が多くあります。文献や時代によって変わるだけで、別の神ではありません。

ヤマタノオロチ: 「八岐大蛇」(日本書紀)、「八俣遠呂智」(古事記)。「八」は数ではなく**「たくさん」を表す**という説があります。

読み方が確定していないもの: 古い神名は、**当時どう発音したか分かっていない**ものが少なくありません。現在の読みは、後世に定着したものを使っています。

日本神話の星と天文|星の神と星の和名5件

日本神話には、星の神がほとんど出てきません

太陽(アマテラス)と月(ツクヨミ)はいるのに、星がいない。

これは他の神話と比べて際立った特徴です。ギリシャは星座だらけ、エジプトは暦を星で決めていました。

それでも、星に関わる神と、日本独自の星の呼び名は残っています。

アメノカガセオ(天香香背男/唯一の星の神)

日本神話でほぼ唯一の星の神です。別名天津甕星(あまつみかぼし)。

国譲りの場面で、最後まで従わなかった神として現れます。

タケミカヅチとフツヌシが、この神だけは服従させられなかった。

倭文神タケハヅチが遣わされて、ようやく平定されたと日本書紀は記します。

星の神が、まつろわぬ者として描かれている。 なぜ星だけがこの扱いなのかは、はっきりしていません。

すばる(昴)(プレアデス星団)

日本古来の星の呼び名です。「統ばる」(すばる=集まる)が語源とされます。

枕草子に「星はすばる。ひこぼし。ゆふづつ」とあり、平安時代にはすでにこの名で呼ばれていました

神話の神ではなく、生活のなかの名。

和名(日本での星の呼び方)(わめい)

星座ではなく、個々の星や星の並びに名前を付けるのが日本の伝統です。

からすき星オリオンの三つ星)、にのきぼしあきのふねぼし

農作業や漁の目安として使われ、地域ごとに呼び名が違います。同じ星が、土地によって別の名で呼ばれました。

七夕(たなばた)

織姫と彦星の話は中国から伝わったもので、記紀の神話ではありません。

ただし日本には棚機津女(たなばたつめ)という、水辺の機屋で神の衣を織る女性の信仰があり、そこへ中国の伝説が重なったとされます。

アマテラスも、機屋で神の衣を織っていた。

スサノオが馬を投げ入れたのはこの小屋です。

北極星の扱い(ほっきょくせい)

中国では北極星を天帝とし、最高の神格を与えました。日本の記紀神話には、これに対応する神がありません

のちに妙見信仰として北極星・北斗七星を祀る信仰が入りますが、これは仏教・道教経由で、日本神話とは別系統です。

日本神話が描かれた絵画・彫刻・イラストと、その場面5件

日本神話が絵になるのは、ほとんどが江戸時代以降です。

記紀の成立から千年、ほとんど絵に描かれなかった。

理由があります。神は姿を持たないものとされ、社に神像を置く習慣が乏しかったためです。仏教が仏像を大量に作ったのとは対照的です。

絵が増えるのは、浮世絵と、明治期の国家による神話の普及からです。以下は、とくに知られている作例です。

天岩戸神話図(天照大神岩戸開き)(春斎年昌ほか/明治期)

天岩戸神話図(天照大神岩戸開き)が描く場面: アマテラスが岩屋から顔を出し、タヂカラオが戸を開く場面

天岩戸神話図(天照大神岩戸開き)の所蔵: 各所(版画・複製が多数)

日本神話でもっとも多く描かれた場面です。

中央に光が差し、手前でアメノウズメが舞い、周りを八百万の神が囲む——この構図がほぼ固定されています。

明治期に教科書や錦絵として大量に作られ、いま多くの人が思い浮かべる「アマテラス」の姿は、この時期に定着したものです。

古代からこの姿だったわけではありません。

素戔嗚尊の八岐大蛇退治(月岡芳年ほか/江戸〜明治)

素戔嗚尊の八岐大蛇退治が描く場面: スサノオが酔ったヤマタノオロチを斬る場面

素戔嗚尊の八岐大蛇退治の所蔵: 各所(浮世絵)

浮世絵の題材として人気がありました。八つの首がうねる構図は絵として映えます。

月岡芳年をはじめ、複数の絵師が描いています。

武者絵の系譜で描かれることが多く、スサノオは武者の姿をしています。神というより英雄の扱いです。

因幡の白兎(いなばのしろうさぎ)

因幡の白兎が描く場面: オオクニヌシが皮を剥がれた兎を助ける場面

因幡の白兎の所蔵: 白兎神社(鳥取県)ほか

絵本と教科書で最もよく知られた場面です。

和邇を騙して渡ろうとした兎が皮を剥がれ、オオクニヌシが真水と蒲の穂で治す——やさしさの物語として広まりました。

白兎神社(鳥取市)が伝承地で、皮膚病や縁結びの社として参拝されています。

神像彫刻(しんぞうちょうこく)

神像彫刻が描く場面: 神を人の姿で彫った像

神像彫刻の所蔵: 薬師寺(僧形八幡神坐像)、松尾大社ほか

平安時代から作られ始めます。それ以前、神は姿を持たないものでした。

仏像に影響されて、神も像に彫られるようになった。

僧形八幡神坐像(薬師寺)のように、僧の姿をした神像もあります。神仏習合の産物です。

数は仏像に比べて圧倒的に少なく、公開されないものが多いのも特徴です。

古事記・日本書紀の写本(しゃほん)

古事記・日本書紀の写本が描く場面: 本文そのもの

古事記・日本書紀の写本の所蔵: 真福寺本古事記(国宝/大須観音)

現存最古の古事記の写本は、南北朝時代(14世紀)のものです。

原本は残っていません。

成立(712年)から600年以上あとの写しが最古、という状態です。日本書紀のほうが古い写本が残っています。

神話を読むということは、写された本を読むということでもあります。

日本神話が登場するアニメ・ゲーム・漫画・映画

日本神話は、現代の創作で最もよく使われている神話のひとつです。とくにゲームと漫画では、神名がそのまま技名や武器名になっている例が数えきれません。

ここでは、原典との関係がはっきりしている作品に絞って挙げます。

日本神話が登場するゲーム

女神転生・ペルソナシリーズ

アマテラス、スサノオ、ツクヨミ、オオクニヌシなど多数が悪魔・ペルソナとして登場します。日本で神名が広く知られた最大の要因のひとつです。

大神(おおかみ)

アマテラスを白い狼として描いた作品です。ヤマタノオロチ退治、天岩戸、スサノオとクシナダなど、記紀の物語が本筋に組み込まれています。

刀剣乱舞

天叢雲剣(草薙剣)をはじめ、神話由来の刀が題材になっています。

原神・FGO ほか

アマテラス・スサノオ・イザナミなどの名を持つキャラクターが登場します。設定は作品ごとの創作です。

日本神話が登場するアニメ・漫画

NARUTO -ナルト-

「天照」「月読」「須佐能乎」「伊邪那岐」「伊邪那美」が術の名として使われています。神名が技名として広まった代表例です。

ノラガミ

毘沙門天や恵比寿など、神が現代を生きる設定の作品です。

天穂のサクナヒメ

稲作と神を結びつけた作品で、オオゲツヒメ・ウケモチの系譜にある「食物と神」の主題を扱っています。

古事記の漫画版

こうの史代『ぼおるぺん古事記』ほか。原文を大切にしたものから、物語として読ませるものまで複数あります。

日本神話が登場する映画・アニメ映画

君の名は。

組紐、口噛み酒、ムスビの考え方など、神道の要素が物語の骨格に使われています。

千と千尋の神隠し

八百万の神が湯屋に集まる設定です。特定の神の物語ではありませんが、「神がそこらじゅうにいる」という日本の感覚をそのまま描いています。

日本神話で古事記と日本書紀の記述が分かれるところ7件

記述が分かれるところ

古事記712年

上巻・天孫降臨の段

  • アメノオシヒ ─ 対等の立場で先導する ─ アマツクメ

古事記では対等に書かれる。

日本書紀720年

巻第二・第九段 一書

  • アメノオシヒ ─ 率いられる ─ アマツクメ

日本書紀では天槵津大来目が天忍日命に率いられたとする。

アマテラス・ツクヨミ・スサノオの三姉弟は、誰から生まれたのか

古事記712年

上巻・禊の段

  • イザナギ ─ 親子 ─ アマテラス
  • イザナギ ─ 親子 ─ ツクヨミ
  • イザナギ ─ 親子 ─ スサノオ

同じ禊のとき、鼻を洗って生まれた。

日本書紀720年

巻第一・第五段 一書

  • イザナミ ─ 親子 ─ アマテラス
  • イザナミ ─ 親子 ─ ツクヨミ
  • イザナミ ─ 親子 ─ スサノオ

同じ一書に見える系譜。

記述が分かれるところ

先代旧事本紀9世紀頃

先代旧事本紀大成経

  • カムムスヒ ─ 親子 ─ アメノミチヒメ

神皇産霊尊の子とする伝え。これに従えば天津神になる。

社伝・縁起中世以降

尾張氏系図

  • オオクニヌシ ─ 親子 ─ アメノミチヒメ

大己貴神の子とする伝え。これに従えば国津神になる。

食物の女神を斬ったのは、スサノオかツクヨミか

古事記712年

上巻・大気都比売の段

  • スサノオ ─ 斬る ─ オオゲツヒメ

古事記では、食物を体から出してもてなしたオオゲツヒメをスサノオが斬る。その亡骸から五穀が生まれた。

日本書紀720年

巻第一・第五段 一書

  • ツクヨミ ─ 斬る ─ ウケモチ

日本書紀では同じ話をツクヨミが行う。これを知ったアマテラスが怒り、日と月は昼夜に分かれて出会わなくなった。

オオクニヌシは、スサノオの子か、六代あとの子孫か

古事記712年

上巻・大国主の段

  • スサノオ ─ 六代の孫 ─ オオクニヌシ

スサノオから数えて六代目の子孫にあたるとする。間に五世代が挟まる。

日本書紀720年

巻第一・第八段 一書

  • スサノオ ─ 親子 ─ オオクニヌシ

直接の子とする。古事記と比べて五世代ぶん短くなる。

先代旧事本紀9世紀頃

先代旧事本紀

  • ヤシマジヌミ ─ 同神とする説 ─ オオクニヌシ

別名を大己貴神とし、オオクニヌシと同じ神にする。古事記の六世孫説と食い違う。

記述が分かれるところ

古事記712年

中巻・神武天皇記

  • 大物主 ─ 丹塗矢の縁 ─ タマクシヒメ

古事記はオオモノヌシが丹塗矢となってセヤダタラヒメと結ばれたとする。

日本書紀720年

巻第三・神武天皇紀

  • コトシロヌシ ─ 熊鰐の縁 ─ タマクシヒメ

日本書紀はコトシロヌシが八尋の熊鰐となって玉櫛媛のもとへ通ったとする。

記述が分かれるところ

古事記712年

上巻・神生みの段

  • ライジン ─ 雷の神として並ぶ ─ タケミカヅチ
  • ホノイカヅチ ─ 八雷神の一柱にして総称 ─ ライジン

胸に生じた一柱を指す場合と、八柱の総称を指す場合がある。

社伝・縁起中世以降

北野天満宮の縁起

  • ライジン ─ 雷神となった霊 ─ 菅原道真

菅原道真の霊が雷神になったとする伝え。天神信仰の起点となった。

日本神話のおすすめの本・漫画(マンガ)・絵本

日本神話を学ぶ本は、目的によって選ぶべきものが変わります。原文にあたりたいのか、物語として楽しみたいのか、子どもに読ませたいのかで適した本が違います。

原文を読みたい人向けの本

古事記(岩波文庫・倉野憲司 校注)

原文に訓読を付した定番の一冊です。注釈が詳しく、原典にあたりたい場合はこれが基準になります。

日本書紀(岩波文庫・全五冊)

「一書に曰く」の異伝まで含めて読めます。分量は多いですが、記述の違いを確かめるには不可欠です。

古事記(角川ソフィア文庫・ビギナーズ日本の古典)

現代語訳と原文を並べた構成で、初めて原典に触れる人に向いています。

物語として読みたい人向けの本

口語訳 古事記(三浦佑之)

語り部が話しているような文体で訳された一冊です。神話が本来は口で語られたものであることが実感できます。

現代語訳 古事記(福永武彦)

小説家による訳で、読み物としての完成度が高いものです。

漫画で読みたい人向けの本

マンガ古事記シリーズ

神々の相関と物語の流れを絵で追えます。人物が多く覚えにくい日本神話では、漫画から入るのは有効な方法です。

ヤマトタケル・スサノオを題材にした漫画作品

特定の神に絞って描かれるため、その神の物語を深く追えます。

子どもと読みたい絵本

因幡の白兎の絵本

日本神話でもっとも広く知られる場面で、絵本の題材として定番です。

天の岩屋戸の絵本

太陽が隠れて世界が闇になるという分かりやすい構図で、幼い子どもにも伝わります。

ヤマタノオロチ退治の絵本

怪物退治の話として親しみやすく、絵本や紙芝居で多く扱われます。

どれか一冊だけ選ぶなら、漫画版から入るのをおすすめします。 日本神話は登場する神の数が多く、名前も長いため、文字だけで追うと途中で分からなくなりがちです。全体の流れを絵でつかんでから原典に進むほうが確実です。

日本神話についてよくある質問

日本神話はどの本に書かれていますか。

古事記(712年)と日本書紀(720年)です。同じ話でも記述が食い違う箇所が多くあります。

日本神話で一番偉い神様は誰ですか。

高天原を治めるアマテラスです。ただし天地の始まりに現れたアメノミナカヌシを最初の神とする見方もあります。

日本神話はどこから読めばいいですか。

天地のはじまり、国生み、黄泉の国、三貴子、天の岩屋戸、ヤマタノオロチ、出雲の国造り、国譲り、天孫降臨、海幸山幸の順です。この流れを追えば全体像がつかめます。

古事記と日本書紀はどう違いますか。

古事記は国内向けの読み物として物語性が高く、出雲の話を厚く扱います。日本書紀は対外的な正史として漢文で書かれ、「一書に曰く」として異なる伝承を並べて載せるのが特徴です。

天照大神と須佐之男命はどういう関係ですか。

きょうだいです。イザナギの禊から生まれた三貴子のうち、アマテラスが姉、スサノオが弟にあたります。

日本神話の神様は何柱いますか。

八百万の神と呼ばれるように数え切れませんが、物語に名前が登場する主要な神は百柱ほどです。神図鑑ではそのうち中心となる神を収録しています。

日本神話に人間の誕生の話はありますか。

ありません。日本神話には、神が人間を作ったという場面が存在しないのが大きな特徴です。国土と神々の誕生は詳しく語られるのに、人がどこから来たのかは説明されません。イザナギとイザナミの別れの場面で「一日に千人死に、千五百人生まれる」と語られ、そこで初めて人が当たり前に存在するものとして現れます。

ヒルコとは何ですか。

イザナギとイザナミが最初に生んだ子です。柱を回って出会ったとき女神から先に声をかけたため、骨のない子が生まれ、葦の舟に乗せて流されました。子には数えられていません。後世この神は流れ着いた先で福をもたらす神とされ、七福神の恵比寿と同一視されるようになりました。

日本神話の神様の名前はなぜ長いのですか。

名前が称え言葉の連なりでできているためです。たとえばニニギの正式名は「天邇岐志国邇岐志天津日高日子番能邇邇芸命」で、天も国も賑わい栄えるという意味の語が並んでいます。呼びやすくするため、通常は末尾の部分だけを取って「ニニギ」と呼びます。

日本神話に悪神はいますか。

明確な悪役は存在しません。スサノオは高天原で乱暴を働きますが、地上ではヤマタノオロチを討って人を救います。イザナミは人を殺すと宣言しますが、国土を生んだ神でもあります。善悪で割り切れない描かれ方をするのが日本神話の特徴です。

日本神話の武神は誰ですか。

タケミカヅチが代表です。国譲りを成立させ、神武東征では剣を送って軍を救いました。あわせて祀られるフツヌシ、諏訪に鎮まったタケミナカタも武神として信仰されています。

日本神話の基本用語

高天原(たかまがはら)

天上にある神々の国。アマテラスが治める。

一書(あるふみ)

日本書紀が本文とは別に併記する異伝。「一書に曰く」の形で複数載る。

三貴子(さんきし)

イザナギが最後に生んだ三柱、アマテラス・ツクヨミ・スサノオのこと。この三柱だけが特別に貴い神として扱われる。

葦原中国(あしはらのなかつくに)

高天原と黄泉の国の間にある地上の世界。のちの日本の国土にあたる。

黄泉の国(よみのくに)

死者が行く地下の国。イザナミが去った先。

根の国(ねのくに)

地の底にあるとされる国。スサノオが最終的に治める。黄泉の国と同一視されることもある。

国譲り(くにゆずり)

オオクニヌシが葦原中国の統治権を天津神に明け渡した出来事。

(みそぎ)

水で身を洗い、穢れを落とすこと。イザナギはこれによって三貴子を生んだ。

誓約(うけい)

神意を問うための占い。あらかじめ結果の意味を決めておき、どちらが起きるかで是非を判断する。

天の岩屋戸(あまのいわやと)

アマテラスが閉じこもった岩の洞窟。太陽が隠れて世界が闇になった。

草薙剣(くさなぎのつるぎ)

ヤマタノオロチの尾から出た剣。三種の神器のひとつ。天叢雲剣ともいう。

天津神(あまつかみ)

高天原に生まれた、あるいは高天原から降りてきた神々。

三種の神器(さんしゅのじんぎ)

八咫鏡・草薙剣・八尺瓊勾玉の三つ。天孫降臨の際にニニギへ授けられた。

天孫降臨(てんそんこうりん)

アマテラスの孫ニニギが高天原から地上へ降りたこと。

カー(kꜣ/生命力)

人と一緒に生まれ、死後も供物を受け取る生命力。クヌムがろくろで人を作るとき、肉体とカーの二体を同時に形作った。