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日本神話

金屋子神(かなやごかみ)とは何の神様か|家系図・物語・祀る神社

金屋子神  / カナヤゴノカミ

国津神

たたら製鉄の神。白鷺に乗って出雲へ降り、村下を指導した。

カナヤゴとは何の神様か

カナヤゴはひとことで言えば鉄を作る現場の神です。中国地方を中心に、鍛冶屋に信仰されます。

一般には女神とされますが、男神とする説もあります。

各地で自ら村下(むらげ)、つまり鍛冶の技師長となって指導したと伝えられます。神が現場に立つという、めずらしい信仰です。

カナヤゴの漢字表記と読み方

読みは「かなやご」または「かなやこ」です。「カナ」は金「ヤゴ」は屋子を指すとされます。

金属を扱う家という意味に読めます。

金山彦・金山媛アメノマヒトツと同一、もしくは関係のある神とされますが、まったく別神とする説もあります。

石見銀山の佐毘売山神社の「佐毘売」を別名とする説があり、「さ」「さひ」は鉄を意味すると推測されています。

金屋子神(かなやごかみ)

一般に用いられる表記。

金屋子神(かなやこかみ)

別の読み方。

金山姫(かなやまひめ)

金山姫宮縁起での呼び名。

佐毘売(さひめ)

石見銀山の佐毘売山神社の名。この神の別名とする説がある。

カナヤゴの物語

  1. 白鷺に乗って降る
  2. 嫌うものと好むもの
  3. 死を好む神
  4. 鉄山秘書

白鷺に乗って降る

総本社とされる金屋子神社に、次の伝説があります。

高天原から、雨乞いをしている村人に応えて、播磨国志相郡岩鍋にまず天降った。
しかし、自ら西方に縁のある神であるとして、白鷺に乗って西へ向かった。
出雲国能義郡黒田奥比田の山林に着き、桂の木で羽を休めていたところを、宮司の祖先である安倍正重が発見した。
長田兵部朝日長者が、桂の木の横に神殿を建立した。

途中、吉備国中山にも立ち寄ったという伝えもあります。

播磨から出雲へ。この道筋は、製鉄技術の伝播や職人の移動と関係があると考えられています。

嫌うものと好むもの

この神には、はっきりした好き嫌いがあります。

嫌う ─ 麻、犬、蔦、そして女性。
好む ─ みかん、藤。
神木 ─ 桂。

理由も語られます。

自分あるいは部下の村下が、麻につまづいて転んで死んだので麻を嫌う。
犬に追いかけられ、蔦に取り付いて逃げようとしたが、蔦が切れて落ち、犬に咬まれて死んだので、犬と蔦を嫌う。
そのときみかんの木に登って、あるいは藤に掴って助かったので、みかんと藤を好む。

女性を極端に嫌うのは、自分が女性だからで、嫉妬によるといわれます。

このため、鍛冶の作業場に女性を入れない掟がありました。

死を好む神

この神のもっとも異様な性格が、死の穢れへの態度です。

死の穢れには無頓着どころか、むしろ好むとされる。
たたら炉の周囲の柱に死体を下げることを、村下たちに指導した。
死骸を下げると、大量に鉄が取れるようになったとも。

日本の神は、ふつう死の穢れをもっとも忌みます。

この神は、その正反対です。

解釈としては、陰陽五行説から説く見方があります。桂(土が二つ入る字)や死体は土性であり、土性は金性を生ずる。だから鉱山や鍛冶の歩留まりがよくなる、というものです。

鉄山秘書

これらの性格は、文書に残っています

鉄山秘書 ─ 伯耆国日野郡宮市の住人下原重仲が著した。

ただしこの書は、一九一二年に俵国一が翻刻するまで存在が知られていませんでした

各地に流布した金屋子神社の伝承のほとんどは、西比田金屋子神社の金山姫宮縁起に基づくものです。

降臨の地と経由地についても、複数の縁起があります。奥州から吉備中山を経て比田へ、あるいは吉備中山から直接比田へ、または鳥取県日南町印賀を経て比田へ。

これらのルートは、製鉄技術の伝播の跡と考えられています。

カナヤゴの家系図と家族

カナヤゴのきょうだい: タマヒメともに奥出雲の神五十猛神ともに西へ渡った神

カナヤゴの性格と人物像

カナヤゴは、現場に立った神です。

祈られるだけの神ではありません。自ら村下となって、鉄の作り方を教えたと伝えられます。

麻を嫌い、犬を嫌い、女性を嫌い、死体を好む。

これらは、たたら製鉄の作業場の掟そのものでした。神の好き嫌いという形で、仕事の決まりが伝えられたのです。技術と信仰が完全に一体だった時代の姿を、この神ほどはっきり伝える例はありません。

カナヤゴを祀る神社

総本社は、島根県安来市広瀬町西比田の金屋子神社です。全国に千二百社あるとされる金屋子神社の元になります。

明治十四年に建てられた石鳥居は、日本最大の石鳥居といわれます。

中国山地の奥まった盆地にあり、たたら製鉄の七守護神の一つとされます。近くには金屋子神話民俗館があり、この神の伝説が紹介されています。

金屋子神社(かなやごじんじゃ)

地図で開く

金屋子神社の住所: 島根県安来市広瀬町西比田307番地1

金屋子神社の御祭神: 金山彦命・金山媛命

金屋子神社のご利益: 産業繁栄

全国の金屋子神社の総本社とされる。明治十四年建立の石鳥居で知られる。

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金屋子神社へ参拝するときの、島根県安来市の宿を探せます。

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カナヤゴが現代に残した痕跡

カナヤゴの名は、たたらの掟に残りました

村下(むらげ): たたら製鉄の技師長。この神が自らこの役についたと伝えられる。

鉄山秘書: 下原重仲が著したたたら製鉄の書。この神の性格を詳しく記す。

佐毘売山神社: 石見銀山にある社。「佐毘売」をこの神の別名とする説がある。

三宝荒神: 金屋子神社には、神仏習合してこの姿で描かれた掛け軸が残る。

カナヤゴのご利益

産業繁栄

たたら製鉄と鍛冶の神であることによる。

火防

火を扱う仕事の神であることによる。

カナヤゴについてよくある質問

カナヤゴとはどんな神様ですか。

中国地方を中心に鍛冶屋に信仰される神です。白鷺に乗って出雲へ降り、自ら村下となって鉄の作り方を指導したと伝えられます。

なぜ女性を嫌うのですか。

自らが女性であるため嫉妬によるといわれます。このため、鍛冶の作業場に女性を入れない掟がありました。

なぜ死体を好むのですか。

陰陽五行説から、桂や死体は土性であり、土性は金性を生ずるため歩留まりがよくなるとする説があります。たたら炉の柱に死体を下げるよう指導したと伝えられます。

カナヤゴと併せて覚えたい言葉・用語

高天原(たかまがはら)

天上にある神々の国。アマテラスが治める。