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日本神話

御毛沼命とは何の神様か|家系図・物語・祀る神社

御毛沼命  / ミケヌノミコト

天孫

神武天皇の兄。波を踏んで常世へ渡った。

御毛沼命とは何の神様か

ミケヌはひとことで言えば常世へ渡った兄です。神武天皇の三兄にあたります。

次兄が海に入ったのと同じ場面で、この人物は違う去り方をします。

波の穂を踏みて、常世の国に渡りましき。

波の上を踏んで、常世の国へ渡ったという記述です。死んだとは書かれていません。

御毛沼命の漢字表記と読み方

読みは「みけぬ」です。「ミケ」は御饌、つまり神へ供える食物を指します。

弟である神武天皇の本名は若御毛沼命(わかみけぬのみこと)です。

ミケヌ ─ 御毛沼
ワカミケヌ御毛沼

同じ名に「若」が付いただけです。

食物にゆかりの名を持つ兄が、不老不死の国へ去るという形になっています。

御毛沼命(みけぬのみこと)

古事記での表記。

三毛入野命(みけいりののみこと)

日本書紀での表記。

御毛沼命の物語

  1. 波の穂を踏む
  2. 常世の国とは
  3. 死なない去り方
  4. 高千穂の伝承

波の穂を踏む

暴風のなか、ミケヌは去りました。古事記の記述は簡潔です。

御毛沼命は、波の穂を踏みて、常世の国に渡りましき。

波の先端を踏んで、常世へ渡ったというのです。

海に沈んだ次兄イナヒとは、対照的です。

イナヒ ─ 海に入る
ミケヌ ─ 波の上を歩く

下へ行くか、上を行くか。同じ場面で、まったく違う去り方が書かれています。

常世の国とは

常世(とこよ)の国は、海の彼方にあるとされました。

不老不死の地。永遠に変わらない国。

「トコ」は永遠を指します。クニノトコタチの「トコ」と同じ語です。

タジマモリが橘を採りに行ったのも、この常世です。

スクナビコナも、最後は常世へ渡りました。

海の向こうに理想の国があるという考え方は、日本の各地に残ります。ニライカナイ(沖縄)も同じ系統です。

死なない去り方

ミケヌについて、古事記は死んだと書いていません

渡った、とだけ記す。

これは重要な違いです。

イツセ ─ 亡くなった。葬られた。
イナヒ ─ 海に入り、鋤持神になった。
ミケヌ常世へ渡った

三人の去り方が、段階的に「死」から遠ざかっています。

末子が残る前に、兄たちが違う形で退場する。物語の整え方が見えます。

高千穂の伝承

日本書紀は、この人物を三毛入野命(みけいりののみこと)と記します。

宮崎県の高千穂神社は、この人物を主祭神として祀ります。

常世へ渡ったあと、高千穂へ戻ってきたという伝承があるためです。

鬼八(きはち)という荒ぶる者を退治した。

高千穂の夜神楽は、国の重要無形民俗文化財に指定されています。

記紀では消えた人物が、地方では生き続けている例です。

御毛沼命の家系図と家族

御毛沼命のきょうだい: 稲飯命四兄弟神武天皇四兄弟

御毛沼命の性格と人物像

ミケヌは、消えなかった兄です。

古事記は「常世へ渡った」とだけ記し、死を書きませんでした。

そのため、戻ってくる余地が残りました。

実際、高千穂には帰還の伝承があり、いまも主祭神として祀られています。

書き方ひとつで、その後の伝承が変わる。この人物は、その分かりやすい例です。

御毛沼命を祀る神社

ミケヌを祀るのは、宮崎県の高千穂神社です。

常世へ渡ったあと高千穂へ戻ったという伝承により、主祭神として祀られています。

高千穂の夜神楽は国の重要無形民俗文化財で、いまも地域で受け継がれています。

記紀で消えた人物が、地方の社では中心にいるという例です。

高千穂神社(たかちほじんじゃ)

別表神社

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高千穂神社の住所: 宮崎県西臼杵郡高千穂町大字三田井1037

高千穂神社の御祭神: 高千穂皇神・十社大明神(三毛入野命ほか)

高千穂神社のご利益: 縁結び

三毛入野命を十社大明神の中心として祀る。高千穂郷八十八社の総社。

夜神楽は国の重要無形民俗文化財。

周辺の宿をさがす

高千穂神社へ参拝するときの、宮崎県西臼杵郡高千穂町の宿を探せます。

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御毛沼命が現代に残した痕跡

ミケヌの名は、高千穂の伝承に残りました

常世の国: 海の彼方にあるとされた不老不死の地。「トコ」は永遠を意味する。

高千穂の夜神楽: 宮崎県高千穂町に伝わる神楽。国の重要無形民俗文化財。

ニライカナイ: 沖縄の理想郷。海の彼方に理想の国があるという考えの系統。

御毛沼命のご利益

厄除け

高千穂で荒ぶる者を退治したという伝えによる。

五穀豊穣

名に「御饌(食物)」を含むことによる。

長寿

常世の国へ渡ったという伝えによる。

御毛沼命についてよくある質問

ミケヌとはどんな人物ですか。

神武天皇の三兄です。東征の途中、波の上を踏んで常世の国へ渡ったと古事記に記されます。

死んだのですか。

古事記は死んだとは書いていません。「渡った」とだけ記されており、そのため戻ってくる余地が残りました。

いまも祀られていますか。

宮崎県の高千穂神社が主祭神として祀ります。常世から高千穂へ戻ったという伝承があるためです。