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日本神話

イクツヒコネ(活津日子根命)とは何の神様か|家系図・物語・祀る神社

活津日子根命  / イクツヒコネノミコト

太陽 天津神

誓約で生まれた五男神の四番目。記紀に事績がない。

イクツヒコネとは何の神様か

イクツヒコネはひとことで言えばもっとも記述の少ない神です。アマテラススサノオ誓約で生まれた五男神のうち、四番目にあたります。

名の「イク」は生きる・活きることを指します。

記紀に事績が一切なく、系譜も地方豪族へ続いていません。五男神のうち、この神だけが何も残していません。

イクツヒコネの漢字表記と読み方

読みは「いくつひこね」です。「イク」は活きる「ツ」は〜の「ヒコネ」は男神を指します。

活き活きとした天の男神という意味に読めますが、その内容を裏づける記述はありません。

兄のアマツヒコネと名の形がほとんど同じです。「アマツ(天の)」と「イクツ(活きる)」が入れ替わっているだけで、対になる名として作られたと考えられています。

活津日子根命(いくつひこねのみこと)

古事記での表記。

活津彦根命(いくつひこねのみこと)

日本書紀での表記。

イクツヒコネの物語

  1. 五男神のなかの空白
  2. なぜ五柱でなければならなかったか
  3. 祀られている場所
  4. 書かれなかった神

五男神のなかの空白

誓約で生まれた五男神を、記述の量で並べてみます。

アメノオシホミミ ─ 天孫ニニギの父。天孫降臨の起点。
アメノホヒ ─ 出雲へ遣わされ、寝返る。出雲国造の祖。
アマツヒコネ ─ 十二の地方豪族の祖。
イクツヒコネ ─ 記述なし。
クマノクスビ ─ 熊野の神とされる。

四番目だけが完全に空白です。

生まれた場面に名が出てくるだけで、それ以降まったく登場しません。

なぜ五柱でなければならなかったか

誓約では、女神が三柱、男神が五柱生まれます。

三柱 ─ 宗像三女神。海の道を守る。
五柱 ─ 天津神の男神。

三と五という数は、古代の祭祀でよく使われる数です。奇数は縁起がよいとされました。

五柱という数を揃えるために、内容のない神が置かれたと見る説があります。

名を並べると、アマツヒコネとイクツヒコネが対になっており、数合わせの跡が読み取れます。

祀られている場所

事績がないにもかかわらず、この神を祀る社は各地にあります。

滋賀の日雲神社三重の御門神社など、五男神をまとめて祀る形が多く見られます。

五柱そろって祀る。

個別の神格として信仰されたというより、誓約で生まれた一組として扱われたと考えられます。

単独で主祭神とする社は、ごくわずかです。

書かれなかった神

日本神話には、名前だけの神が数多くいます。

古事記に登場する神は約320柱とされますが、そのうち物語を持つのは一部にすぎません。大半は系譜の一行として現れ、二度と出てこない神です。

名を記す。それだけで意味があった。

古代において、名を記録に残すことは、その存在を確定させることでした。

イクツヒコネは、その最もはっきりした例といえます。

イクツヒコネの家系図と家族

イクツヒコネの親: アマテラス誓約で成るスサノオ玉から成る

イクツヒコネのきょうだい: アマツヒコネ五男神クマノクスビ五男神

イクツヒコネの性格と人物像

イクツヒコネは、性格を語れない神です。

物語も、事績も、子孫も伝わっていません。分かるのは、アマテラスとスサノオの誓約から生まれたということだけです。

しかしそのことが、かえってこの神を興味深いものにしています。

神話は、すべての登場人物に役割を与えるわけではありません。役割のない神がいるということ自体が、神話が人の手で編まれたものであることを示しています。

イクツヒコネを祀る神社

イクツヒコネを単独で祀る社は、ごくわずかです。

多くは五男神をまとめて祀る形で名が挙がります。滋賀・三重・京都などに例があります。

事績のない神が、それでも祀られ続けたことに意味があります。名が記録に残った以上、祀るべき神として扱われました。

多度大社(たどたいしゃ)

北伊勢大神宮

地図で開く

多度大社の住所: 三重県桑名市多度町多度1681番地

多度大社の御祭神: 天津彦根命

多度大社のご利益: 厄除け

イクツヒコネの兄アマツヒコネを祀る。五男神ゆかりの社。

周辺の宿をさがす

多度大社へ参拝するときの、三重県桑名市の宿を探せます。

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イクツヒコネが現代に残した痕跡

イクツヒコネの名は、記録の中だけに残りました

古事記: 誓約の場面に名が現れる。それ以降の記述はない。

五男三女神: 誓約で生まれた八柱の総称。まとめて祀られることが多い。

イクツヒコネのご利益

厄除け

五男神をまとめて祀る社での祈願による。

イクツヒコネについてよくある質問

イクツヒコネとはどんな神様ですか。

アマテラスとスサノオの誓約で生まれた五男神の四番目です。記紀に事績がまったくなく、五柱のうちもっとも記述が少ない神です。

なぜ何も書かれていないのですか。

理由は分かっていません。五柱という数を揃えるために置かれたとする説があります。兄のアマツヒコネと名の形がほとんど同じである点も、その根拠とされます。

祀っている神社はありますか。

五男神をまとめて祀る形で名が挙がる社が各地にあります。単独で主祭神とする社はごくわずかです。

イクツヒコネと併せて覚えたい言葉・用語

誓約(うけい)

神意を問うための占い。あらかじめ結果の意味を決めておき、どちらが起きるかで是非を判断する。

天孫降臨(てんそんこうりん)

アマテラスの孫ニニギが高天原から地上へ降りたこと。

天津神(あまつかみ)

高天原に生まれた、あるいは高天原から降りてきた神々。