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日本神話

コトサカノオ(事解之男)とは何の神様か|家系図・物語・祀る神社

事解之男  / コトサカノオ

冥界 黄泉

離縁を成立させる神。縁切りの神とされる。

コトサカノオとは何の神様か

コトサカノオはひとことで言えば縁を切る神です。ハヤタマノオと同じ場面で生まれました。

名の「コトサカ」は事を裂く、つまり関係を断つことを指します。イザナギが「これで縁は切れた」と告げたとき、その言葉から生まれました。

日本神話で唯一、離縁そのものを担う神です。悪縁を切る神として信仰されています。

コトサカノオの漢字表記と読み方

読みは「ことさかのお」です。「コト」は事「サカ(解・裂)」は分ける・断つ「オ」は男を指します。

事を断ち切る男神という意味です。

「コト」には二つの意味があります。事柄と、言葉です。古代では両者が区別されませんでした。

言ったことが、そのまま事実になる言霊(ことだま)の考え方です。

つまりこの神は、言葉によって縁を断つ働きを表しています。

事解之男(ことさかのお)

日本書紀の一書での表記。

事解男命(ことさかのおのみこと)

「命」を付けた表記。

コトサカノオの物語

  1. 言葉が縁を切る
  2. 縁切りという信仰
  3. 熊野に祀られる
  4. 断つことの意味

言葉が縁を切る

イザナギは、黄泉比良坂でこう告げました。

これで、縁は切れた。

日本書紀の一書は続けます。

又唾を以て神を生む。号けて事解之男と曰す。

言葉を発した、その行為から神が生まれたわけです。

古代において、言葉には実体を動かす力があるとされました。言霊です。

「切れた」と言えば、切れる。宣言することが、成立させることでした。

縁切りという信仰

日本には、縁切りの信仰が広くあります。

悪縁を断ちたい。病を断ちたい。酒や賭け事をやめたい。

「切る」対象は、人間関係だけではありません。

京都の安井金比羅宮、東京の豊川稲荷など、縁切りで知られる社寺があります。

縁結びと縁切りは、対です。

悪い縁を切らなければ、良い縁は結べない。そう考えられてきました。

熊野に祀られる

コトサカノオは、熊野三山に祀られます。

熊野本宮大社、熊野速玉大社、熊野那智大社。

熊野は、死者の国に近い場所とされました。

よみがえりの地とも呼ばれます。熊野へ参ることは、一度死んで生まれ変わることを意味しました。

生まれ変わるには、古い縁を断つ必要があります。

この神が熊野に祀られるのは、その考え方に沿っています。

断つことの意味

日本の信仰は、祓いを中心に据えます。

罪や穢れは、洗い流せる。

コトサカノオが担うのは、その一段階です。

関係を断つことも、祓いの一種です。

断ち切る。切り離す。そこから新しく始める。

離縁を悪いこととして描いていない点が重要です。イザナギは、切ったあとにをして、三貴子を生みます。

断つことが、次を生むという構成になっています。

コトサカノオの家系図と家族

コトサカノオの親: イザナギ唾から

コトサカノオのきょうだい: ハヤタマノオ同じ場面で成る

コトサカノオの性格と人物像

コトサカノオは、断つことを引き受けた神です。

結ぶ神は多くいます。切る神は、この一柱だけです。

しかし日本神話は、断つことを否定的に描きません。

イザナギは妻と別れ、禊をして、アマテラスツクヨミスサノオを生みました。別れが、次の始まりになっています

縁切りの信仰がいまも根強いのは、この考え方が続いているためといえます。

コトサカノオを祀る神社

コトサカノオを祀るのは、熊野三山とその系統の社です。

全国に約3,000社ある熊野神社に、相殿として祀られる例が多くあります。

縁切りで知られる社寺は各地にありますが、この神を祭神とするとはかぎりません。それぞれ由来が異なります。

熊野那智大社(くまのなちたいしゃ)

熊野三山

地図で開く

熊野那智大社の住所: 和歌山県東牟婁郡那智勝浦町那智山1

熊野那智大社の御祭神: 熊野夫須美大神

熊野那智大社のご利益: 所願成就

那智の滝を神とする。世界文化遺産の構成資産。

落差133メートルの那智の滝で知られる。

周辺の宿をさがす

熊野那智大社へ参拝するときの、和歌山県東牟婁郡那智勝浦町の宿を探せます。

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熊野速玉大社(くまのはやたまたいしゃ)

熊野三山

地図で開く

熊野速玉大社の住所: 和歌山県新宮市新宮1番地

熊野速玉大社の御祭神: 熊野速玉大神・熊野夫須美大神

熊野速玉大社のご利益: 厄除け

同じ場面で生まれたハヤタマノオを祀る。

周辺の宿をさがす

熊野速玉大社へ参拝するときの、和歌山県新宮市の宿を探せます。

広告を含みます

コトサカノオが現代に残した痕跡

コトサカノオの働きは、縁切りの信仰に残りました

縁切り: 悪縁や悪習を断つ願い。各地の社寺で信仰される。

言霊: 言葉が実体を動かすという考え。「コト」は事と言葉の両方を指した。

コトサカノオのご利益

縁切り

関係を断つ神であることによる。

厄除け

悪縁や悪習を断つ働きによる。

再生

断つことが次の始まりになるという考え方による。

コトサカノオについてよくある質問

コトサカノオとはどんな神様ですか。

イザナギがイザナミに離縁を告げた場面で生まれた神です。名は「事を断ち切る」ことを意味し、日本神話で唯一、離縁そのものを担います。

縁切りの神なのですか。

そうとされます。ただし日本神話は断つことを否定的には描いていません。イザナギは別れたあと禊をして三貴子を生んでいます。

どこに祀られていますか。

熊野三山とその系統の社です。全国に約3,000社ある熊野神社に、相殿として祀られる例が多くあります。

コトサカノオと併せて覚えたい言葉・用語

一書(あるふみ)

日本書紀が本文とは別に併記する異伝。「一書に曰く」の形で複数載る。

三貴子(さんきし)

イザナギが最後に生んだ三柱、アマテラス・ツクヨミ・スサノオのこと。この三柱だけが特別に貴い神として扱われる。

(みそぎ)

水で身を洗い、穢れを落とすこと。イザナギはこれによって三貴子を生んだ。