神生みで最初に生まれた神。大きな仕事を成し遂げた意とされる。
オオコトオシオとは何の神様か
オオコトオシオの漢字表記と読み方
読みは「おおことおしお」または「おおごとおしお」です。
「オオコト」は大きな事、「オシ」は押す・満ちる、「オ(男)」は男神を指します。
大きな仕事を成し遂げた男という形です。
「コト(事)」は、言(こと)とも通じます。言うことと、することが分かれていなかった時代の語です。コトシロヌシの「コト」も同じ語です。
大事忍男神(おおことおしおのかみ)
古事記での表記。
大事忍男神(おおごとおしおのかみ)
別の読み方。
オオコトオシオの物語
国生みの次の一行
古事記の構成のなかで、この神の位置は明確です。
大八島を生む。→ 六つの島を生む。→ 国生み、終わり。
既に国を生み竟へて、更に神を生みき。
生める神の名は、大事忍男神。
つまり、神生みの一行目です。
このあと、家の神、海の神、風の神、木の神、山の神、野の神と続きます。そして最後にカグツチが生まれ、イザナミが死にます。
長い列の先頭に立つ神が、この神です。
祝いの名
本居宣長の異説
この神について、本居宣長は独自の見方を示しました。
古事記伝にいわく、
この神は、熊野本宮大社に祀られる事解之男神(コトサカノオ)のことである。
本来は黄泉から帰ったイザナギの禊?祓に現れるべき神を、誤って神生みの最初に入れてしまったのだろう。
つまり、置き場所を間違えた神だという説です。
コトサカノオは、イザナギがイザナミと絶縁の誓いを立てたときに生まれた神です。「事を解く」、つまり縁を切る神です。
「事を成す」と「事を解く」。名は近く、意味は正反対です。
記紀ではこの一箇所だけ
この神の名が記紀に挙がるのは、神生みの一箇所だけです。
以降、古事記に登場しない。
日本書紀にも見えない。
ただし先代旧事本紀の陰陽本紀には名が見える。
祀る社も、はっきりしたものは伝えられていません。
地鎮祭などの祝詞に、鉄橋架橋工事の神として名が挙げられる例があります。大きな工事を成し遂げる神として読まれたためです。
名の意味だけが独り歩きし、近代の工事の祈りに使われたという形です。神の名の生き延び方として、興味深い例といえます。
オオコトオシオの家系図と家族
オオコトオシオの性格と人物像
オオコトオシオは、達成そのものです。
姿がありません。事績もありません。それでも、国生みが終わったというその瞬間に名を与えられました。
本居宣長は、置き場所を間違えたのだろうと考えました。
しかし、間違いだとしても意味は残ります。大きな仕事を終えたとき、人は何かに名をつけたくなる。その気持ちが神になったと読むこともできます。近代の工事の祝詞に名が挙がるのは、その延長です。
オオコトオシオゆかりの地と遺跡
この神を祀る社は、はっきりしたものが伝えられていません。
本居宣長は、熊野本宮大社に祀られる事解之男神と同じ神ではないかと考えました。
近代では、地鎮祭や工事の祝詞のなかに、鉄橋架橋工事の神として名が挙げられる例があります。大きな仕事を成し遂げる神として読まれたためです。
オオコトオシオが現代に残した痕跡
オオコトオシオの名は、工事の祝詞に残りました。
神生み: 国生みを終えたイザナギとイザナミが神々を生む段。この神が最初。
事解之男神: イザナギが絶縁の誓いを立てたときに生まれた神。本居宣長が同神とした。
地鎮祭: 工事の前に土地の神に祈る祭。この神の名が挙げられる例がある。
オオコトオシオのご利益
所願成就
大きな仕事を成し遂げた意の名による。
建築守護
工事の祝詞に名が挙げられることによる。
オオコトオシオについてよくある質問
オオコトオシオとはどんな神様ですか。
古事記で、イザナギとイザナミが国生みを終えて神生みに移ったとき、最初に生んだ神です。事績は記されていません。
名前の意味は何ですか。
「大事」は大きな仕事、「忍男」は押し通す男と解されます。これから始まる神生みという大きな仕事を表した名だとする説のほか、国生みを成し遂げたことを言祝ぐ名だとする説もあります。
本居宣長はどう考えましたか。
熊野本宮大社に祀られる事解之男神のことであり、本来は禊祓に現れるべき神を誤って神生みの最初に入れたのだろうと解釈しました。
オオコトオシオと併せて覚えたい言葉・用語
禊(みそぎ)
水で身を洗い、穢れを落とすこと。イザナギはこれによって三貴子を生んだ。