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日本神話

イズノメ(伊豆能売)とは何の神様か|家系図・物語

伊豆能売  / イズノメ

大地 天津神

禊で最後に生まれた神。祓いを仕上げる働きを持つ。

イズノメとは何の神様か

イズノメは、古事記ので八十禍津日神・大禍津日神が生まれたあと、その禍を直そうとして成った神直毘神・大直毘神・伊豆能売の第三です。

「祓いの仕上げ」と説明する説はありますが、古事記本文が工程名や役割分担を示すわけではありません。その後も綿津見三神・住吉三神三貴子が生まれるため、禊全体で最後に生まれた神でもありません。

イズノメの漢字表記と読み方

読みはいづのめ/いずのめです。「伊豆」を神聖・清浄な「厳」、「売」を女と解し、清浄な女神・禊の巫女とする説があります。一方、音韻上の疑問や別の同一神説もあります。

古事記の本文系統では「神」を付けない写本がある一方、「伊豆能売神」とする写本や後代資料もあります。神ではない、性別不明と一方的に断定できません。

伊豆能売(いづのめ)

古事記での表記。

伊豆能売神(いづのめのかみ)

「神」を付けた表記。古事記は付けていない。

イズノメの物語

  1. 禊で生まれる順序
  2. 「祓いの仕上げ」は本文か解釈か
  3. 「神」の字がないのはなぜか
  4. イズノメを祀る神社はあるか

禊で生まれる順序

中の瀬で身をすすぐと、黄泉の穢れから八十禍津日神・大禍津日神が成ります。その禍を直そうとして神直毘神・大直毘神・伊豆能売が続きます。

イズノメは直毘神と並ぶ三神の第三ですが、この後にも多くの神が生まれます。「禊で最後」という説明は正しくありません。

「祓いの仕上げ」は本文か解釈か

神名の並びから清浄を完成させる女神と読む説があります。しかし古事記は、神直毘が修正、大直毘が確認、伊豆能売が仕上げという工程表を記しません。

確実なのは、禍を直すために三神が成ったという一括した説明です。個別分担は解釈として示します。

「神」の字がないのはなぜか

神の称が付かない本文から、もとは神を祭る巫女だったとする説があります。一方、写本には「神」を補うものがあり、伊豆能売神を本来形とみる説もあります。

一文字の有無から性別・神格を完全に決めず、本文異同と研究説を紹介します。

イズノメを祀る神社はあるか

延喜式神名帳には出雲国の神魂伊豆乃売神社が見え、各地の社伝にも伊豆能売を祭神とする例があります。ただし比定社や現在祭神には議論があります。

二見興玉神社の主祭神は猿田彦大神などで、禊の名所というだけではイズノメ本人の神社になりません。

イズノメの家系図と家族

イズノメの親: イザナギ禊の最後に

イズノメのきょうだい: セオリツヒメともに祓えを担う

イズノメの性格と人物像

イズノメは事績・発言を持つ人物神ではなく、禊の神名列で直毘神とともに現れます。ただし「状態そのもの」「人の形を一切持たない」とまで古事記が説明するわけではありません。

神名の意味、写本の「神」の有無、巫女起源説を並べ、分からない部分を性格描写で埋めないようにします。

イズノメを祀る神社

二見興玉神社の主祭神は猿田彦大神・宇迦御魂大神で、イズノメ本人ではありません。禊の場所という関係だけのカードは外しました。式内社の比定には異説があるため、現在祭神と住所を確認してから掲載します。

イズノメが現代に残した痕跡

イズノメの名は、祓いの言葉に残りました

大祓: 六月と十二月の末に行われる祓いの行事。全国の社で続く。

手水: 参拝前に手と口を清める作法。禊の簡略な形とされる。

厳(いつ): きよらかで犯しがたいことを指す古語。神事に関わる名に用いられる。

イズノメのご利益

禍を直す神々の一柱として祓いと関連づけられますが、本人の現在の祈願内容を確認できないため、厄除けを一律のご利益として断定しません。

イズノメについてよくある質問

イズノメは禊で最後に生まれた神ですか。

いいえ。禍を直す三神の第三ですが、その後に綿津見三神・住吉三神・三貴子などが生まれます。

イズノメは女神ですか。

「売」を女と解して女神・巫女とする説がありますが、神名の解釈には異説があります。写本によって「神」の字の有無も異なります。

日本書紀にもイズノメは登場しますか。

日本書紀には同名の神は見えません。古事記の禊で神直毘神・大直毘神と並んで成る神です。

イズノメは神直毘神・大直毘神と同じ神ですか。

同じ神ではなく、禍を直すため続けて成った三神です。古事記は三神を並べますが、修正・確認・仕上げという個別の担当工程までは説明していません。

伊豆能売の「伊豆」は静岡県の伊豆ですか。

地名の伊豆と直結するとは限りません。神名の「イヅ」を神聖さや清浄さを表す「厳」と解く説などがあり、古事記本文に静岡県との関係は記されません。

イズノメには厄除けのご利益がありますか。

禍を直す場面から祓いや災厄除けと結びつける理解はできます。ただし本人を祀る現存社の公式祈願を一律に確認できないため、物語上の働きをそのまま全国共通のご利益にはしません。

イズノメが生まれた中の瀬は特定できますか。

古事記は筑紫の日向の橘の小門の阿波岐原で禊をしたと記しますが、現在の一点を考古学的に確定するものではありません。伝承地と本文の地名を区別します。

イズノメと瀬織津姫は同じ女神ですか。

同一と確定できません。どちらも祓い・水と関連づけて比較されますが、古事記のイズノメと大祓詞に現れる瀬織津比売は登場資料と神名が異なります。

イズノメと併せて覚えたい言葉・用語

(みそぎ)

水で身を洗い、穢れを落とすこと。イザナギはこれによって三貴子を生んだ。

三貴子(さんきし)

イザナギが最後に生んだ三柱、アマテラス・ツクヨミ・スサノオのこと。この三柱だけが特別に貴い神として扱われる。

カー(kꜣ/生命力)

人と一緒に生まれ、死後も供物を受け取る生命力。クヌムがろくろで人を作るとき、肉体とカーの二体を同時に形作った。