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日本神話

ククリヒメ(菊理媛神)とは何の神様か|家系図・物語・祀る神社

菊理媛神  / ククリヒメノカミ

大地 国津神

黄泉の坂で夫婦を仲裁した女神。白山の神。

ククリヒメとは何の神様か

ククリヒメはひとことで言えば仲を取りもった神です。白山比咩神社の祭神で、全国に約2,000社ある白山神社の総本社にあたります。

日本書紀の一書たった一度だけ登場します。イザナギイザナミが黄泉比良坂で争っていたとき、この女神が何かを言い、イザナギはそれを褒めました

何を言ったのかは、書かれていません。

ククリヒメの漢字表記と読み方

読みは「くくりひめ」です。「ククリ」は括る、つまり結ぶ・まとめることを指します。

「くくる」は、いまも紐でくくるという形で使われます。

争っていた二柱の間を取りまとめたことから、この名になったとされます。

そのため縁を結ぶ神として信仰されました。

社名の「白山比咩(しらやまひめ)」は、白山そのものを指す別の名です。

菊理媛神(くくりひめのかみ)

日本書紀での表記。

白山比咩大神(しらやまひめのおおかみ)

白山比咩神社での表記。

ククリヒメの物語

  1. たった一度の登場
  2. 何を言ったのか
  3. 白山という山
  4. なぜ縁結びなのか

たった一度の登場

日本書紀の一書(あるふみ)に、この記述があります。

イザナギがイザナミと黄泉比良坂で言い争っていたとき、

時に菊理媛神、亦白す事有り。伊奘諾尊聞きて、善しと褒めたまひて、乃ち散去けぬ。

菊理媛神が何か申し上げた。イザナギはそれを聞いて「善し」と褒め、去っていった。

これがすべてです。

古事記には登場しません。日本書紀の本文にもなく、参考として併記された一書にだけ現れます。

何を言ったのか

内容が書かれていないことが、この神の最大の特徴です。

「亦白す事有り」 ─ また申し上げることがあった。

何を言ったのかは記されません。

しかしその一言で、イザナギは争いをやめて去りました

死んだ妻と、生きた夫。二度と交わらない二人の間に立って、何かを言った。

その空白が、後世にさまざまな解釈を呼びました。「二人を和解させた」「別れを受け入れさせた」など、読み方は定まっていません。

白山という山

白山は、石川・岐阜・福井にまたがる標高2,702メートルの山です。

富士山・立山と並ぶ日本三名山

山頂に一年の大半、雪が残ることから「白い山」と呼ばれました。

奈良時代に泰澄という僧が開いたとされ、修験の山として栄えます。

山から流れ出る水が、手取川・九頭竜川・長良川となって四方の平野を潤しました。水の神としての信仰が篤いのはそのためです。

なぜ縁結びなのか

ククリヒメが縁結びの神とされる理由は、二つあります。

名の意味 ─ 「ククリ」は括る、結ぶ。
物語 ─ 夫婦の間を取りもった。

どちらも「結ぶ」に通じます。

ただし、この神が取りもったのは円満な夫婦ではありません。死んだ妻と、逃げた夫です。

和解させたのか、きれいに別れさせたのか。

そのため近年は、縁切りと縁結びの両方を担う神として語られることもあります。

ククリヒメの家系図と家族

ククリヒメの性格と人物像

ククリヒメは、言葉の内容が残らなかった神です。

何かを言い、褒められ、それで場が収まりました。しかし何を言ったかは記録されていません

神話における最大の空白のひとつです。

それでいて、全国約2,000社の白山神社の祭神として、広く信仰されています。

書かれなかったからこそ、誰もが自分の願いを重ねられる。この神の人気の理由は、その空白にあるといえます。

ククリヒメを祀る神社

ククリヒメを祀る社は、全国に約2,000社あるとされます。総本社は白山比咩神社です。

白山から流れる川の流域、つまり北陸から東海にかけて分布が濃くなります。

白山信仰は修験道と深く結びつき、山伏によって各地へ広められました。白山神社という名の社が、いまも全国に残ります。

白山比咩神社(しらやまひめじんじゃ)

加賀国一宮

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白山比咩神社の住所: 石川県白山市三宮町ニ105-1

白山比咩神社の御祭神: 白山比咩大神(菊理媛神)・伊弉諾尊・伊弉冉尊

白山比咩神社のご利益: 縁結び

全国に約2,000社ある白山神社の総本社。白山を神体とする。

北陸鎮護の大社とされる。

周辺の宿をさがす

白山比咩神社へ参拝するときの、石川県白山市の宿を探せます。

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熊野本宮大社(くまのほんぐうたいしゃ)

熊野三山

地図で開く

熊野本宮大社の住所: 和歌山県田辺市本宮町本宮

熊野本宮大社の御祭神: 家都美御子大神

熊野本宮大社のご利益: 所願成就

ククリヒメを祀る社ではない。修験の山の信仰として並べた。

世界文化遺産の構成資産。

周辺の宿をさがす

熊野本宮大社へ参拝するときの、和歌山県田辺市の宿を探せます。

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ククリヒメが現代に残した痕跡

ククリヒメの名は、白山の信仰に残りました

白山: 石川・岐阜・福井にまたがる山。富士山・立山と並ぶ日本三名山。

くくる: 結ぶ・まとめること。この神の名の由来。

白山神社: 全国に約2,000社ある。修験者によって各地へ広められた。

ククリヒメのご利益

縁結び

名の「ククリ(括る)」と、夫婦を取りもった伝えによる。

和合

争いを収めたことによる。

水の恵み

白山から流れる水が平野を潤したことによる。

ククリヒメについてよくある質問

ククリヒメとはどんな神様ですか。

日本書紀の一書に一度だけ登場する女神です。黄泉比良坂で争うイザナギとイザナミの間に立ち、何かを言って場を収めました。

何を言ったのですか。

書かれていません。「また申し上げることがあった」とだけ記され、内容は記録されていません。

なぜ縁結びの神なのですか。

名の「ククリ」が「括る=結ぶ」を意味することと、夫婦の間を取りもった伝えによります。

ククリヒメと併せて覚えたい言葉・用語

一書(あるふみ)

日本書紀が本文とは別に併記する異伝。「一書に曰く」の形で複数載る。