神世七代の六番目。完成を表す神。のちに第六天魔王と重ねられた。
オモダル・アヤカシコネとは何の神様か
オモダル・アヤカシコネの漢字表記と読み方
読みは「おもだる・あやかしこね」です。
日本書紀の「面足」という字が、意味をよく表しています。面(おも)=顔が足りている、つまり整っているということです。
「アヤ」は感嘆、「カシコ」は畏れ多い。いまも使う「かしこまる」と同じ語です。「ああ、畏れ多い」という感嘆がそのまま神名になっています。
淤母陀琉神(おもだるのかみ)
古事記での男神の表記。
阿夜訶志古泥神(あやかしこねのかみ)
古事記での女神の表記。
面足尊・惶根尊(おもだるのみこと・かしこねのみこと)
日本書紀での表記。意味の字を当てている。
オモダル・アヤカシコネの物語
完成を告げる名
神世七代の六番目は、完成を表します。
オモダル ─ 姿が整った。
アヤカシコネ ─ ああ、畏れ多い。
二柱の名を続けて読むと、一つの文になります。
姿が完成した。ああ、畏れ多い。
大地が形を成し終えたことを、感嘆の言葉で表したわけです。神名が感想になっている、めずらしい例です。
イザナギ・イザナミの直前
この二柱の次が、イザナギとイザナミです。
六番目 ─ 姿が完成する(オモダル・アヤカシコネ)
七番目 ─ 生む(イザナギ・イザナミ)
世界が形を持ち終えて、次は生むことが始まります。神世七代の助走はここで終わりです。
完成の次に、創造が来るという順序になっています。
第六天魔王と重ねられる
中世以降、この二柱は第六天魔王と同じ神とされました。
第六天は仏教の世界観にある天のひとつで、そこに住む魔王は修行を妨げる存在とされます。
神世七代の六番目であることが、第六天という数と結びついたためです。
六番目だから、第六天。
数の一致だけで結びついた、やや強引な習合です。それでも定着し、全国に第六天神社が建てられました。
第六天神社という社
第六天神社は、関東を中心に各地にあります。
明治の神仏分離のとき、仏教色を排するため祭神をオモダル・アヤカシコネに改めた社が多くあります。もとは第六天魔王を祀っていたものです。
魔王を祀る社が、神世七代の神を祀る社になった。
祭神が制度によって書き換えられた例です。社の名だけが元のまま残っています。
オモダル・アヤカシコネの家系図と家族
オモダル・アヤカシコネのきょうだい: オオトノヂ・オオトノベ次に成る・イザナギ次に成る・イザナミ次に成る
オモダル・アヤカシコネの性格と人物像
オモダル・アヤカシコネは、感嘆が神になった例です。
「姿が完成した、ああ畏れ多い」。事績ではなく、世界を見た者の感想が神名になっています。
そして中世、数の一致だけで魔王と結びつけられました。神世七代の六番目という位置が、第六天という言葉を呼び寄せたわけです。名と数が、神の運命を決めた例と言えます。
オモダル・アヤカシコネを祀る神社
オモダル・アヤカシコネを祀る社は、関東を中心に分布します。
第六天神社という名の社が中心です。もとは第六天魔王を祀っていたものが、明治の神仏分離で祭神をこの二柱に改めた例が多くあります。
社の名は元のまま、祭神だけが変わったという形が各地に残っています。
オモダル・アヤカシコネが現代に残した痕跡
この二柱の名は、社名と言葉に残りました。
第六天神社: 関東を中心に各地にある。明治の神仏分離で、祭神を第六天魔王からこの二柱に改めた社が多い。
「かしこまる」: 畏れ多く思うこと。アヤカシコネの「カシコ」と同じ語。
オモダル・アヤカシコネのご利益
厄除け
第六天神社で災いを除ける神とされてきたことによる。
縁結び
男女の対であることによる。
容姿・美容
「面足」=顔かたちが整うという名の意味による。
オモダル・アヤカシコネについてよくある質問
オモダル・アヤカシコネとはどんな神様ですか。
神世七代の六番目に現れた男女の対です。「姿が完成した、ああ畏れ多い」という意味の名で、大地が形を成し終えたことを表します。
なぜ第六天魔王と同じとされたのですか。
神世七代の六番目であることが、仏教の「第六天」という数と結びついたためです。数の一致だけによる習合ですが、定着しました。
第六天神社の祭神は誰ですか。
オモダル・アヤカシコネです。ただし、もとは第六天魔王を祀っていた社が、明治の神仏分離で祭神を改めた例が多くあります。
オモダル・アヤカシコネと併せて覚えたい言葉・用語
神世七代(かみよななよ)
天地の始まりに現れた七代の神々。最後がイザナギとイザナミ。