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日本神話

ヒルコ(蛭子神)とは何の神様か|家系図・物語・祀る神社

蛭子神  / ヒルコノカミ

神世七代

イザナギとイザナミの最初の子。流されたのち、えびすとして祀られた。

ヒルコとは何の神様か

ヒルコはひとことで言えば捨てられて、福の神になった神です。

イザナギイザナミ最初に生んだ子でしたが、体が育たなかったため葦の舟に乗せて流されたと古事記は記します。

記紀はここで記述を打ち切り、その後を語りません。後世、流れ着いた先で祀られたという伝えが生まれ、えびすと同じ神とされるようになりました。

ヒルコの漢字表記と読み方

読みは「ひるこ」です。「蛭(ひる)」の字が当てられており、骨のない、ぐにゃりとした子という意味とされます。

「えびす」という名は、西宮神社の公式によれば日本の神話系譜には記されていません。もとは別の言葉で、異郷から来るものを指したという説があります。

水蛭子(ひるこ)

古事記での表記。「蛭(ひる)」のように骨のない子、という意味とされる。

蛭児(ひるこ)

日本書紀での表記。西宮神社は「蛭児大神」を用いる。

えびす(えびす)

後世の呼び名。西宮神社は蛭児大神とえびすさまを同じ神としている。

ヒルコの物語

  1. 最初の子が、育たなかった
  2. 記紀は、その後を語らない
  3. 海から流れ着いた神像
  4. なぜ「えびす」になったのか
  5. 土地ごとに、違う神になる
  6. 福男選び

最初の子が、育たなかった

イザナギとイザナミは、天の御柱をめぐって出会い、契りを結びました。

このときイザナミが先に「なんと良い男でしょう」と声をかけました。生まれた子は骨のない子で、葦の舟に乗せて流されます

二柱は天の神に問い、女が先に声をかけたのが良くなかったと教えられます。やり直して、以後は男から声をかけ、国々を生んでいきました。

記紀は、その後を語らない

古事記も日本書紀も、流されたあとのヒルコについて何も記しません

物語から完全に消えます。日本神話でもっとも早く退場する神です。

生まれ、流され、それきり。

この空白が、後世に大きな余地を残しました。どこかに流れ着いたはずだという想像が、各地で伝説を生みます。

海から流れ着いた神像

西宮神社の公式が伝える由緒があります。

大阪湾の神戸・和田岬の沖から御神像が出現し、西宮・鳴尾の漁師が救い上げて自宅で祀っていたところ、御神託により西の宮地へ遷したのが起源とされます。

海から流れ着いたものを祀るという形は、日本の沿岸で広く見られます。ヒルコの物語が、この習俗と結びついた形です。

なぜ「えびす」になったのか

西宮神社の公式は、「えびす」という名が神話の系譜には記されていないと明記しています。

もとは異郷から来るものを指す言葉であったとする説があります。海の彼方から寄り来るものを迎え、福をもたらすものとして祀る。

流されたヒルコと、海から来るえびす。この二つが重ねられ、同じ神とされました。捨てられた子が、外から福を運んでくる存在になったわけです。

土地ごとに、違う神になる

西宮神社の公式は、えびすの信仰をこう説明しています。

漁村では海神、農村では田の神、都市部では商業神

それぞれの土地に合った福の神として説かれたため、全国で多様な御神徳を持つに至りました。

同じ神が、場所によって違う顔を持つ。これは他の神にはあまり見られない広がり方です。七福神の一神に数えられ、唯一の日本生まれの福神とされます。

福男選び

西宮神社では、十日えびすの朝に門を開き、走って本殿を目指す行事が行われます。

先着の三人がその年の福男とされます。開門と同時に数千人が駆け出す様子は、毎年報道されます。

流された神を、走って迎えに行くという形とも読めます。えびすが海から来る神であることと、この走りは無関係ではないでしょう。

ヒルコの家系図と家族

ヒルコの親: イザナギイザナミ

ヒルコの性格と人物像

ヒルコは、語られなかったことで豊かになった神です。

記紀は、生まれて流されたことしか書きませんでした。その空白に、後世が物語を入れていったわけです。

海から流れ着き、漁師に拾われ、福の神になる。捨てられたものが福をもたらすという反転は、日本の信仰にたびたび現れます。祟る神を祀って守り神にする発想と、根は同じです。

ヒルコを祀る神社

えびすを祀る社は、全国に広く分布します

西宮神社が総本社ですが、大阪の今宮戎神社、京都の恵美須神社など、地域ごとに大きな社があります。

土地によって性格が変わる神なので、漁村・農村・商業地のいずれにも社があります。この点が、特定の職能に結びついた他の神と違います。

西宮神社(にしのみやじんじゃ)

全国のえびす神社の総本社

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西宮神社の住所: 兵庫県西宮市社家町1-17

西宮神社の御祭神: 第一殿 えびす大神(蛭児大神)/第二殿 天照大御神・大国主大神/第三殿 須佐之男大神

西宮神社のご利益: 商売繁盛・大漁

公式によれば、大阪湾の沖から出現した御神像を漁師が救い上げたのが起源。平安中後期の鎮座と推測される。

十日えびすの朝に行われる福男選びで知られる。

周辺の宿をさがす

西宮神社へ参拝するときの、兵庫県西宮市の宿を探せます。

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ヒルコが現代に残した痕跡

ヒルコの名は、えびすの姿と行事に残りました

釣竿と鯛: えびすの姿。海から来る神であることを表す。

えびす講: 商家が行う行事。商売繁盛を祈る。

福男選び: 西宮神社の十日えびすの行事。開門と同時に走って本殿を目指す。

ヒルコのご利益

商売繁盛

都市部で商業神とされたことによる。えびす講は商人の行事として定着した。

大漁

漁村で海神とされたことによる。

五穀豊穣

農村で田の神とされたことによる。

福徳

七福神の一神とされることによる。

ヒルコについてよくある質問

ヒルコとはどんな神様ですか。

イザナギとイザナミが最初に生んだ子です。体が育たなかったため葦の舟で流されたと古事記は記します。後世、えびすと同じ神とされました。

なぜ流されたのですか。

古事記によれば、女神であるイザナミが先に声をかけたためとされます。二柱はやり直し、以後は男神から声をかけて国を生みました。

ヒルコとえびすは同じですか。

西宮神社では同じ神とされています。ただし公式は「えびすという御神名は日本の神話系譜には記されていません」とも明記しています。

えびすを祀る神社の総本社はどこですか。

兵庫県の西宮神社です。公式が「えびすさまをお祀りする総本社」と称しています。