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日本神話

天石門別神とは何の神様か|家系図・物語・祀る神社

天石門別神  / アメノイワトワケノカミ

大地 天津神

門を守る神。天孫降臨に随伴した。

天石門別神とは何の神様か

天石門別神はひとことで言えば門番の神です。天孫降臨のとき、ニニギに随伴して地上へ降りました。

名の「イワト」は堅固な戸を指します。天岩戸の「岩戸」と同じ語です。

宮中の御門祭(みかどのまつり)で祀られる神で、宮殿の四方の門を守るとされました。いまも各地の社の門に祀られます。

天石門別神の漢字表記と読み方

読みは「あめのいわとわけ」です。「イワト」は堅固な戸、「ワケ」は分けることを指します。

別名の「イワマド(石窓)」が重要です。古代の「マド(窓)」は、いまの窓ではなく出入口を意味しました。

「間戸(まど)」、つまり壁のあいだの戸です。

つまりこの神の名は、すべて出入口を指す語でできています。門番であることが、名から直接わかります。

天石門別神(あめのいわとわけのかみ)

古事記での表記。

櫛石窓神(くしいわまどのかみ)

別名。「奇しき岩の窓」の意。

豊石窓神(とよいわまどのかみ)

別名。「豊かな岩の窓」の意。

天石門別神の物語

  1. 天孫降臨に加わる
  2. なぜ門の神が要るのか
  3. 御門祭という行事
  4. 随身と門守

天孫降臨に加わる

ニニギが地上へ降るとき、多くの神が随伴しました。

五伴緒(いつとものお) ─ アメノコヤネ、フトダマ、アメノウズメ、イシコリドメ、タマノヤ

それに加えて、古事記はこう記します。

天石門別神、亦の名は櫛石窓神、亦の名は豊石窓神。この神は御門の神なり。

「この神は御門の神である」と、はっきり説明されています。

祭祀・芸能・鏡・玉を担う神々に加えて、門を守る神が必要とされたことになります。

なぜ門の神が要るのか

天孫降臨は、新しい支配の始まりです。

宮を建てる。
門を作る。
門を守る。

宮殿が成立するには、境界を管理する仕組みが要ります。

誰が入れて、誰が入れないか。それを定めるのが門です。

フナドノカミが村の境を守るなら、この神は宮の境を守ります。規模が違うだけで、働きは同じです。

御門祭という行事

宮中では、御門祭(みかどのまつり)が行われました。

六月と十二月、大祓と同じ時期に行う。

宮城の四方の門で、櫛石窓神と豊石窓神を祀ります。

祝詞にはこうあります。

荒ぶる神の、まがつびの、参り入り来む事を、塞りまつり、防ぎまつる。

荒ぶる神や災いが入ってこないように、ふさぎ、防ぐ。それがこの神の役目です。

建物の構造そのものを、神の働きとして理解した形といえます。

随身と門守

この考え方は、後世の神社建築に受け継がれました。

随身門(ずいじんもん) ─ 左右に武装した像を置く門。
門守(かどもり) ─ 門を守る神の像。

寺の仁王門も、同じ発想です。

門の両脇に、外から来るものを睨む像を置く。仏教の形ですが、日本に定着したのは、もともと門を守る神への信仰があったためとする見方があります。

家の門にしめ縄を張るのも、同じ考え方の名残です。

天石門別神の家系図と家族

天石門別神の親: イザナギ・イザナミ

天石門別神のきょうだい: アメノコヤネ天孫にしたがう

天石門別神の性格と人物像

天石門別神は、位置そのものが役目の神です。

物語も、台詞もありません。ただ門にいることが働きです。

古事記が「この神は御門の神なり」と、わざわざ説明を加えているのは注目されます。

他の随伴神には、それぞれ由来や事績があります。この神だけは、機能だけが記されました。

建物に神が宿るという考え方の、最も古い記録のひとつです。

天石門別神を祀る神社

天石門別神を祀る社は、門にゆかりの形で各地にあります。

徳島県の天石門別八倉比売神社、岡山県の天石門別神社などが知られます。

多くは大きな社の門のそばに、小さな社として祀られる形です。建物を守る神という性格が、そのまま祀られ方に出ています。

皇大神宮(伊勢神宮 内宮)(こうたいじんぐう)

伊勢神宮の内宮

地図で開く

皇大神宮(伊勢神宮 内宮)の住所: 三重県伊勢市宇治館町1

皇大神宮(伊勢神宮 内宮)の御祭神: 天照大御神

皇大神宮(伊勢神宮 内宮)のご利益: 国土安泰

アメノイワトワケを祀る社ではない。門の神が祀られる宮の例として並べた。

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天石門別神が現代に残した痕跡

天石門別神の働きは、門の形に残りました。

随身門: 神社の門。左右に武装した像を置いて外からの侵入を防ぐ。

マド(窓): もとは「間戸」で出入口を指した。この神の別名に残る。

しめ縄: 内と外を分ける印。門に張る習慣が各地に残る。

天石門別神のご利益

厄除け

外から来る災いを門で防ぐことによる。

家内安全

家の門を守る神とされることによる。

盗難除け

出入口を守る働きによる。

天石門別神についてよくある質問

天石門別神とはどんな神様ですか。

門を守る神です。天孫降臨のときニニギに随伴して降り、古事記は「この神は御門の神なり」と記しています。

別名の「石窓」とは何ですか。

古代の「マド(窓)」は「間戸」、つまり壁のあいだの戸を指し、出入口を意味しました。名のすべてが出入口を表しています。

随身門と関係がありますか。

門を守るという考え方が受け継がれた形です。寺の仁王門も同じ発想で、日本に定着したのはこの信仰があったためとする見方があります。

天石門別神と併せて覚えたい言葉・用語

天孫降臨(てんそんこうりん)

アマテラスの孫ニニギが高天原から地上へ降りたこと。