住吉三神の一柱。海の底を司る。
底筒男命とは何の神様か
底筒男命の漢字表記と読み方
読みは「そこつつのお」です。「ソコ」は底、「オ」は男を指します。
問題は「ツツ」です。定説がありません。
星説 ─ オリオン座の三つ星。航海の目印。
筒説 ─ 船の帆柱を立てる筒。
津説 ─ 港(津)を守る神。
星説が有力とされるのは、三柱がそろっていることと、航海の神であることが合うためです。
三つ星は、いまも船で方角を知る目印として使われます。
底筒男命(そこつつのおのみこと)
日本書紀・住吉大社での表記。
底筒之男神(そこつつのおのかみ)
古事記での表記。
住吉大神(すみのえのおおかみ)
三柱をまとめた呼び方。
底筒男命の物語
深さで三つに分かれる
神功皇后に憑く
仲哀天皇が神託を疑って急死したあと、神功皇后に神が憑きました。それが住吉三神です。
西の方に国あり。金銀を始めて、目の炎耀く種々の珍しき宝、多にその国にあり。
西に豊かな国がある、という神託でした。
皇后は身重のまま海を渡ります。住吉三神は、この遠征を導いた神とされます。
帰国後、皇后はこの神を大阪の住吉の地に祀りました。それが住吉大社です。
遣唐使を送り出した社
住吉大社は、航海の安全を祈る社でした。
遣唐使は、出発前に必ずここで祈った。
住吉大神は、遣隋使・遣唐使の守り神です。命がけの航海の前に、朝廷は使者をこの社へ送りました。
住吉大社の住吉造は、日本最古級の神社建築様式のひとつです。屋根が直線的で、装飾がほとんどありません。
反橋(そりばし)と呼ばれる急な太鼓橋が知られます。
和歌の神として
住吉の神は、和歌の神としても信仰されました。
玉津島の神、住吉の神、柿本人麻呂。
この三つが和歌三神と呼ばれます。
住吉の神が老人の姿で現れ、和歌を詠むという話が中世に広まりました。能の演目「高砂」にも住吉が登場します。
高砂や この浦舟に 帆を上げて
結婚式で謡われる「高砂」は、住吉と高砂の松を夫婦になぞらえたものです。海の神が、いつしか夫婦と長寿の象徴にもなりました。
底筒男命の家系図と家族
底筒男命の性格と人物像
底筒男命は、単独では語られない神です。
中筒男・表筒男と三柱そろって住吉大神と呼ばれます。個別の性格は伝えられていません。
三柱で海の深さ全体を表す、という構成そのものが、この神の意味です。
底・中・表。どれか一つが欠けては、海になりません。
遣唐使を送り出し、神功皇后を導き、和歌の神にもなりました。日本の海の信仰の中心にあり続けた神です。
底筒男命を祀る神社
住吉三神を祀る社は、全国に約2,300社あるとされます。総本社は大阪の住吉大社です。
海に面した土地に集中して分布します。瀬戸内海沿岸と北九州に特に多く見られます。
下関の住吉神社は、長門国一宮で、住吉大社と並ぶ古社です。荒魂(あらみたま)を祀るとされます。
住吉大社(すみよしたいしゃ)
摂津国一宮
全国に約2,300社ある住吉神社の総本社。遣唐使が出発前に祈った社。
住吉造という日本最古級の建築様式。反橋で知られる。
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底筒男命が現代に残した痕跡
住吉の神は、謡曲と地名に残りました。
高砂: 能の演目。住吉と高砂の松を夫婦になぞらえる。結婚式で謡われる。
住吉: 各地の地名。もとは「すみのえ(澄江)」と読んだ。
和歌三神: 住吉の神・玉津島の神・柿本人麻呂。和歌の守り神とされた。
底筒男命のご利益
海上安全
航海を司る神であることによる。
和歌上達
和歌三神のひとつとされることによる。
厄除け
禊から生まれた神であることによる。
底筒男命についてよくある質問
底筒男命とはどんな神様ですか。
住吉三神の一柱で、海の底を司ります。イザナギが禊をしたとき、水の底で身を洗って生まれました。
「ツツ」とは何の意味ですか。
定説はありません。オリオン座の三つ星を指すとする説が有力で、航海の目印であったことと合います。
なぜ和歌の神なのですか。
中世に、住吉の神が老人の姿で現れて和歌を詠むという話が広まったためです。玉津島の神・柿本人麻呂とあわせて和歌三神と呼ばれます。
底筒男命と併せて覚えたい言葉・用語
禊(みそぎ)
水で身を洗い、穢れを落とすこと。イザナギはこれによって三貴子を生んだ。