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日本神話

フカブチノミズヤレハナ(深淵之水夜礼花神)とは何の神様か|家系図と物語

深淵之水夜礼花神  / フカブチノミズヤレハナノカミ

国津神

深い淵から水が流れ出すさまを名にした神。十七世神の第三代。

フカブチノミズヤレハナとは何の神様か

フカブチノミズヤレハナはひとことで言えば水の動きを名にした神です。古事記にのみ登場し、十七世神の第三代にあたります。

フハノモヂクヌスヌヒカワヒメの子で、アメノツドヘチネを娶ってオミヅヌを生みました。

事績は一行もありません。しかし名の八文字が、淵の水が流れ出す瞬間を描いています。

フカブチノミズヤレハナの漢字表記と読み方

読みは「ふかぶちのみずやれはな」「ふかふちのみづやれはな」とも読まれます。

「深淵」は水が淀んで深くなった淵「水」はそのままの意です。

「夜礼」は、四段活用の「遣る」に対する受け身形とされます。目に見えない力によって水が送り出されるという意味です。

「花(はな)」は「端」で、始まりを指します。

つなげると、深い淵の水が流れ出しはじめることになります。

深淵之水夜礼花神(ふかぶちのみずやれはなのかみ)

古事記での表記。

深淵之水夜礼花神(ふかふちのみづやれはな)

歴史的仮名遣いでの読み。

フカブチノミズヤレハナの物語

  1. 水の名を負う三代
  2. 名が長い理由
  3. 深い意味はないとする説
  4. 祀る社は水辺に

水の名を負う三代

この神の周りは、水の名ばかりです。

母 ヒカワヒメ ─ 「霊的な川に奉仕する巫女」。祖父は水神オカミ。
本人 フカブチノミズヤレハナ ─ 深い淵の水。
子 オミヅヌ ─ 偉大な水の主。

三代続けて、名に水が入っています。

出雲の系譜のなかでも、この部分だけがまとまって水に関わります。川と淵を支配した一族の記憶が、神の名として残ったのではないかと考えられています。

名が長い理由

古事記の神名には、極端に長いものがあります。この神もその一柱です。

深淵之水夜礼花神 ─ 漢字で八文字。

長い名は、そのまま一文の説明になっています。事績を書く代わりに、名で語っているのです。

名前が短い神ほど物語を持ち、名前が長い神ほど物語を持たない、という傾向があります。

イザナギスサノオオオクニヌシ。物語の主役は、いずれも短い名です。説明を必要としないほど有名だったから短い、と読むこともできます。

深い意味はないとする説

名義については、あえて意味を求めないという説もあります。

「深淵」「水」 ─ 祖父のオカミ、母のヒカワヒメからの連想。
「花」 ─ 祖母のコノハナチルヒメからの連想。

つまり、周りの神の名から字を借りて作っただけではないか、という見方です。

系譜を長く見せる必要があったとき、まったく新しい名を考えるより、すでにある名の字を組み替えるほうが簡単です。

この説に立てば、この神は系譜を伸ばすために作られたことになります。決着はついていません。

祀る社は水辺に

事績のない神ですが、主祭神とする社があります。

唐﨑神社 ─ 石川県七尾市小島町。
深淵神社 ─ 高知県香南市野市町西野。
白藤神社 ─ 兵庫県豊岡市大谷。

配祀や相殿として祀る社も各地にあります。

瀧川神社 ─ 静岡県富士市原田。
富知六所浅間神社 ─ 静岡県富士市浅間本町。

富士山の湧水地帯に社があるのは、水の神としての性格によるものと考えられます。

三重県津市の美濃夜神社は、子のオミヅヌも合わせて祀ります。

フカブチノミズヤレハナの家系図と家族

フカブチノミズヤレハナの親: フハノモヂクヌスヌヒカワヒメヒカワヒメ

フカブチノミズヤレハナの妻・夫: アメノツドヘチネ

フカブチノミズヤレハナの子・子孫: オミヅヌ

フカブチノミズヤレハナの性格と人物像

フカブチノミズヤレハナは、名だけの神です。

何もしていません。誰とも会話していません。それでも、この神の名は日本語でもっとも美しい神名のひとつとして挙げられることがあります。

淵の水が、見えない力に送り出されて流れはじめる。その一瞬だけを、名が切り取っています。

事績を持たない神が、名の意味だけで記憶される。系譜を埋めるために置かれた存在が、思わぬ形で残った例です。

フカブチノミズヤレハナを祀る神社

この神を主祭神とする社は、石川県七尾市の唐﨑神社高知県香南市の深淵神社兵庫県豊岡市の白藤神社が知られます。

いずれも水の豊かな土地にあります。

静岡県富士市の瀧川神社富知六所浅間神社では、配祀・相殿として祀られます。富士山の湧水地帯に名が残っている形です。

貴船神社(きふねじんじゃ)

二十二社

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貴船神社の住所: 京都府京都市左京区鞍馬貴船町180

貴船神社の御祭神: 高龗神

貴船神社のご利益: 水の恵み

この神を祀る社ではない。祖父にあたる水神オカミを祀る社として並べた。

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フカブチノミズヤレハナが現代に残した痕跡

フカブチノミズヤレハナの名は、系譜のなかに残りました

十七世神: ヤシマジヌミからトオツヤマサキタラシまでの系譜。この神は第三代。

淵: 川の水が淀んで深くなった所。この神の名の前半。

フカブチノミズヤレハナのご利益

水の恵み

名の「深い淵の水」による。

五穀豊穣

水の神として田を潤すことによる。

フカブチノミズヤレハナについてよくある質問

フカブチノミズヤレハナとはどんな神様ですか。

古事記にのみ登場する神で、十七世神の第三代です。フハノモヂクヌスヌとヒカワヒメの子で、オミヅヌの父にあたります。

名前の意味は何ですか。

深い淵の水が、目に見えない力によって送り出されて流れはじめること、と解されます。ただし周囲の神名からの連想にすぎないとする説もあります。

どんな事績がありますか。

事績はまったく記されていません。誰の子で、誰を娶り、誰を生んだかだけが古事記に記されています。