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日本神話

アメノツドヘチネ(天之都度閇知泥神)とは何の神様か|家系図と物語

天之都度閇知泥神  / アメノツドヘチネノカミ

国津神

フカブチノミズヤレハナの妻でオミヅヌの母。水路を名に負う。

アメノツドヘチネとは何の神様か

アメノツドヘチネはひとことで言えば水路を名にした女神です。古事記の大国主の系譜に、フカブチノミズヤレハナの妻として登場します。

生んだ子は、国引きの神と同一視されるオミヅヌです。

名義は未詳とされますが、天上界の集められた水路と読む説があります。夫も子も水の名を負っており、この一家は三代続けて水に関わります。

アメノツドヘチネの漢字表記と読み方

読みは「あめのつどへちね」です。名義は未詳とされますが、次のように解く説があります。

「天之」天津神を示すのではなく、水源を意識して冠せられたもの。「都度閇」は「集え」で、目に見えない神力によって水が集められること。

「知」は「道」で、ここでは水路を指します。

「泥(ね)」は親しみを込める語です。あわせて「天上界の集められた水路」となります。

天之都度閇知泥神(あめのつどへちねのかみ)

古事記での表記。

阿麻乃都刀閇乃知尼(あまのつとへのちね)

粟鹿大明神元記での表記。

アメノツドヘチネの物語

  1. 天の字が付く理由
  2. 集められた水路
  3. 粟鹿の書では位置が違う
  4. なぜ記録が少ないのか

天の字が付く理由

この女神の名は「天之」で始まります。

普通、これは天津神であることを示します。ところがこの女神は、出雲の系譜のなかにいます。

夫 フカブチノミズヤレハナ ─ 国津神
子 オミヅヌ ─ 国津神。

つまり、周りは全員が国津神です。

そのため「天之」は出自ではなく、水源を指すと解されます。水は天から降るものだからです。

神名の「天」が、必ずしも天津神を意味しないという例として、しばしば引かれます。

集められた水路

名の中心にあるのが「都度閇(つどへ)」です。

「集え」 ─ 集まること、集められること。

何が集められるのか。です。

山に降った雨が、細い流れを集めて水路になる。その様子が名になっています。

夫の名フカブチノミズヤレハナは「深い淵の水が流れ出しはじめること」。子の名オミヅヌは「偉大な水の主」。

集まり、淀み、流れ出し、主となる。三代の名を並べると、水の一生が語られていることが分かります。

粟鹿の書では位置が違う

兵庫県朝来市の粟鹿神社に伝わる粟鹿大明神元記は、別の系譜を伝えます。

阿麻乃都刀閇乃知尼は、布波能母知汙那須奴の妻。
生んだ子は意弥都奴。

古事記と比べると、夫が一代さかのぼっています

古事記では夫はフカブチノミズヤレハナ、粟鹿の書ではその父にあたる神です。

世代がずれると、系譜の長さも変わります。同じ神々を並べながら、代の数が一致しない。出雲系の系譜には、こうした食い違いが繰り返し現れます。

なぜ記録が少ないのか

この女神には、古事記の一行しかありません。祀る社も確認されていません。

理由は、役割にあります

誰かの妻であり、誰かの母である。

それだけを果たすために置かれた名だからです。

古事記の系譜には、こうした接続のための女神が数多く現れます。

男神だけを並べると、代を数えることはできても、婚姻による広がりが見えません。妻の名を入れることで、系譜は縦だけでなく横にも広がります。

この女神は、その横の線を引くために名を与えられました。

アメノツドヘチネの家系図と家族

アメノツドヘチネのきょうだい: フテミミともに出雲の系譜の妻神

アメノツドヘチネの妻・夫: フカブチノミズヤレハナ

アメノツドヘチネの子・子孫: オミヅヌオミヅヌ

アメノツドヘチネの性格と人物像

アメノツドヘチネは、線をつなぐための神です。

物語はありません。社もありません。それでも古事記は、この女神の名を八文字で丁寧に記しました。

省いてもよかったはずの名が、省かれていません。

系譜を編む者にとって、誰が誰を娶ったかは代の数と同じくらい重要でした。この女神の名が残っているという事実そのものが、当時の系譜の作り方を教えてくれます。

アメノツドヘチネゆかりの地と遺跡

この女神を祀る社は、確認されていません

古事記の系譜に名が現れるだけで、神社の祭神としての記録が残っていない神です。

子のオミヅヌを祀る社は島根県に多くあり、夫のフカブチノミズヤレハナを主祭神とする社も各地にあります。女神の側だけが社を持たないという形になっています。

出雲大社(いずもおおやしろ)

出雲国一宮

地図で開く

出雲大社の住所: 島根県出雲市大社町杵築東195

出雲大社の御祭神: 大国主大神

出雲大社のご利益: 縁結び

この女神の子孫にあたるオオクニヌシを祀る。

周辺の宿をさがす

出雲大社へ参拝するときの、島根県出雲市の宿を探せます。

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アメノツドヘチネが現代に残した痕跡

アメノツドヘチネの名は、古事記の八文字に残りました

十七世神: この女神の夫と子が属する出雲の系譜。

粟鹿大明神元記: 兵庫県朝来市の粟鹿神社に伝わる書。この女神の夫を一代さかのぼらせる。

アメノツドヘチネのご利益

水の恵み

名の「集められた水路」による。

子孫繁栄

オミヅヌの母であることによる。

アメノツドヘチネについてよくある質問

アメノツドヘチネとはどんな神様ですか。

古事記の大国主の系譜に、フカブチノミズヤレハナの妻として登場する女神です。オミヅヌを生みました。

名前に「天」が付くのに国津神なのですか。

周囲がすべて国津神であるため、この「天之」は出自ではなく水源を指すと解されます。水は天から降るものだからです。

祀る神社はありますか。

確認されていません。古事記の系譜に名が現れるだけで、社の祭神としての記録が残っていない神です。

アメノツドヘチネと併せて覚えたい言葉・用語

天津神(あまつかみ)

高天原に生まれた、あるいは高天原から降りてきた神々。

国津神(くにつかみ)

もともと地上にいた神々。出雲の神々が代表。