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日本神話

ヤシマジヌミ(八島士奴美神)とは何の神様か|家系図・物語・祀る神社

八島士奴美神  / ヤシマジヌミノカミ

大地 国津神

スサノオとクシナダヒメの子。オオクニヌシへ続く十七世神の初代。

ヤシマジヌミとは何の神様か

ヤシマジヌミはひとことで言えば出雲の系譜の起点です。スサノオクシナダヒメを娶って生んだ子で、ここからオオクニヌシを経てトオツヤマサキタラシに至る十五柱を十七世神と呼びます。

その初代にあたります。

ヤマタノオロチの物語の直後に置かれ、英雄譚から系譜へ切り替わる場所に立っています。

ヤシマジヌミの漢字表記と読み方

読みは「やしまじぬみ」です。「ヤシマ」は多くの島々「ジ(士)」は知る=領有する「ヌ(奴)」は主「ミ(美)」は神霊を指します。

名義は「多くの島々を領有する主の神霊」と考えられています。

父スサノオが宮を建てた土地の名「須賀」が、日本書紀の表記では頭に付いています。

「清(すが)之湯山主……」という長い名は、須賀の地の主であることを示しています。

八島士奴美神(やしまじぬみのかみ)

古事記での表記。

清之湯山主三名狭漏彦八嶋篠(すがのゆやまぬしみなさるひこやしましの)

日本書紀での表記のひとつ。

清之繁名坂軽彦八嶋手命(すがのゆいなさかかるひこやしまでのみこと)

日本書紀での別の表記。

ヤシマジヌミの物語

  1. オロチの物語のすぐあと
  2. 十七世神という数え方
  3. 別名が三つある神
  4. 祀る社は各地に散る

オロチの物語のすぐあと

古事記でこの神が生まれるのは、ヤマタノオロチ退治の直後です。

スサノオはクシナダヒメを助け、須賀の地に宮を建てて歌を詠みました。

八雲立つ 出雲八重垣 妻籠みに 八重垣作る その八重垣を

そしてこの神が生まれます。

物語はここで終わり、以後は系譜の羅列に切り替わります。

事績が語られる神から、名だけが並ぶ神へ。古事記の書き方が変わる、その境目に立っている神です。

十七世神という数え方

古事記は、この神からトオツヤマサキタラシまでを一続きの系譜として記します。

十七世神(とおまりななよのかみ)

「とおまりなな」は十あまり七、つまり十七です。ただし、実際に名が挙がるのは十五柱です。

数え方が合わないことは古くから指摘されており、決着していません。

この神はその初代であり、大年神やウカノミタマ異母兄にあたります。母がクシナダヒメか、カムオオイチヒメかの違いです。

別名が三つある神

日本書紀は、この神を三通りの名で記します。

清之湯山主三名狭漏彦八嶋篠
清之繁名坂軽彦八嶋手命
清之湯山主三名狭漏彦八嶋野

いずれも長く、共通するのは「清之(すがの)」「八嶋」だけです。

どれが本来の名か、決まっていません。

さらに先代旧事本紀はこの神の別名を大己貴神とし、オオクニヌシと同じ神にしてしまいます。粟鹿大明神元記では蘇我能由夜麻奴斯弥那佐牟留比古夜斯麻斯奴という表記です。神格が固まる前の揺れが、そのまま残っています。

祀る社は各地に散る

事績のない神ですが、祀る社は各地にあります。

須我神社 ─ 島根県雲南市大東町須賀。父スサノオが宮を建てた地とされる。
八坂神社 ─ 京都市東山区。
粟田神社 ─ 京都市東山区粟田口鍛冶町。
片埜神社 ─ 大阪府枚方市牧野坂。

父の宮の跡地に子も祀られている、という形が多く見られます。

静岡県田方郡函南町丹那には、名をそのまま負う八島手神社があります。日本書紀の「八嶋手命」の表記に対応する社名です。

ヤシマジヌミの家系図と家族

ヤシマジヌミの親: スサノオクシナダヒメ

ヤシマジヌミのきょうだい: オオトシ異母きょうだい

ヤシマジヌミの妻・夫: コノハナチルヒメ

ヤシマジヌミの子・子孫: フハノモヂクヌスヌフハノモヂクヌスヌトオツヤマサキタラシ十四世孫

ヤシマジヌミの性格と人物像

ヤシマジヌミは、切り替えの位置に立つ神です。

父スサノオには物語があります。子孫のオオクニヌシにも物語があります。しかしこの神には、生まれたことと、誰を娶って誰を生んだかしかありません。

英雄譚と系譜のあいだにある、静かな一行です。

名は「多くの島々を領有する主」という壮大なものですが、その島々を領有した話はどこにも書かれていません。名前だけが先に用意された神といえます。

古事記と日本書紀でヤシマジヌミの記述が異なるところ

日本神話は一冊にまとまっていません。ヤシマジヌミについても、 古事記と日本書紀で記述が分かれる箇所が1件あります。 どちらか一方に決めず、両方を出典つきで載せています。

オオクニヌシは、スサノオの子か、六代あとの子孫か

古事記712年

上巻・大国主の段

  • スサノオ ─ 六代の孫 ─ オオクニヌシ

スサノオから数えて六代目の子孫にあたるとする。間に五世代が挟まる。

日本書紀720年

巻第一・第八段 一書

  • スサノオ ─ 親子 ─ オオクニヌシ

直接の子とする。古事記と比べて五世代ぶん短くなる。

先代旧事本紀9世紀頃

先代旧事本紀

  • ヤシマジヌミ ─ 同神とする説 ─ オオクニヌシ

別名を大己貴神とし、オオクニヌシと同じ神にする。古事記の六世孫説と食い違う。

ヤシマジヌミを祀る神社

ヤシマジヌミを祀る社は、出雲・京都・大阪・香川・兵庫などに散っています。

島根県雲南市大東町須賀の須我神社は、父スサノオが宮を建てた地と伝えられ、この神も祀られます。

単独で主祭神とする社はほとんどなく、父や子孫と並べて祀られるのが通例です。

八重垣神社(やえがきじんじゃ)

出雲

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八重垣神社の住所: 島根県松江市佐草町227

八重垣神社の御祭神: 素盞嗚尊・稲田姫命

八重垣神社のご利益: 縁結び

この神の父母を祀る。鏡の池の縁占いで知られる。

周辺の宿をさがす

八重垣神社へ参拝するときの、島根県松江市の宿を探せます。

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出雲大社(いずもおおやしろ)

出雲国一宮

地図で開く

出雲大社の住所: 島根県出雲市大社町杵築東195

出雲大社の御祭神: 大国主大神

出雲大社のご利益: 縁結び

この神の子孫オオクニヌシを祀る。

周辺の宿をさがす

出雲大社へ参拝するときの、島根県出雲市の宿を探せます。

広告を含みます

ヤシマジヌミが現代に残した痕跡

ヤシマジヌミの名は、系譜の一行目に残りました

十七世神: この神からトオツヤマサキタラシまでの十五柱の総称。

須賀: スサノオが宮を建てた地。日本書紀の表記ではこの神の名の頭に付く。

八島: 多くの島々の意。ヤシマムヂの名にも同じ語が入る。

ヤシマジヌミのご利益

国土安泰

名の「多くの島々を領有する」による。

厄除け

スサノオを祀る社に合わせて祀られることによる。

ヤシマジヌミについてよくある質問

ヤシマジヌミとはどんな神様ですか。

スサノオとクシナダヒメの子です。古事記でオオクニヌシへ続く十七世神の初代とされますが、事績は記されていません。

ヤシマムヂと同じ神ですか。

別の神です。どちらも名に「八島」を含みますが、ヤシマムヂは鳥取神の父であり、系譜上の位置が違います。

なぜ日本書紀の名は長いのですか。

父スサノオが宮を建てた「須賀」の地名が頭に付くためです。三通りの表記があり、どれが本来の名かは決まっていません。