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日本神話

日名照額田毘道男伊許知邇神(ひなてるぬかたびちおいこちに)とは何の神様か|家系図と物語

日名照額田毘道男伊許知邇神  / ヒナテルヌカタビチオイコチニノカミ

太陽 国津神

古事記でもっとも長い神名のひとつ。女神でありながら名に「男」を含む。

ヒナテルヌカタビチオイコチニとは何の神様か

ヒナテルヌカタビチオイコチニはひとことで言えば名が長すぎる女神です。古事記の大国主の系譜に登場し、トリナルミの妻としてクニオシトミを生みました。

漢字十一文字という、古事記のなかでもっとも長い神名のひとつです。

妻として記されながら、名に「男」の字を含みます。この不自然さは古くから指摘されてきました。

ヒナテルヌカタビチオイコチニの漢字表記と読み方

読みは「ひなてるぬかたびちおいこちに」です。

「日名照」は日が照ること「額田」は日がよく当たる四角い良田「毘道男」は額田へ通う道の男と読む説があります。

この説では、「日名照額田毘道男」までが父神の名で、それを娘である「伊許知邇神」に冠した形だと解されます。

額田は、大和にも近江にもある地名です。額田部という職掌集団の名でもあり、そこから読む説もあります。ただし決め手を欠き、全体の名義が定まったとはいえません。

日名照額田毘道男伊許知邇神(ひなてるぬかたびちおいこちにのかみ)

古事記での表記。

ヒナテルヌカタビチオイコチニの物語

  1. 十一文字の名
  2. 女神なのに「男」
  3. 額田という地名
  4. なぜ記録が少ないのか

十一文字の名

古事記の神名には、長いものが数多くあります。そのなかでもこの名は際立ちます。

日名照額田毘道男伊許知邇神 ─ 漢字十一文字。

比べてみると、その長さが分かります。

アメノヒバラオオシナドミ ─ 十文字。
フハノモヂクヌスヌ ─ 九文字。
タヒリキシマルミ ─ 九文字。

いずれも、事績のない神です。

名が長いほど物語がないという傾向が、ここにもはっきり現れています。

女神なのに「男」

この神の最大の謎が、名に含まれる「男」の字です。

古事記の記述 ─ 鳥鳴海神が、日名照額田毘道男伊許知邇神を娶りて、子の国忍富神を生む。

娶った相手ですから、女神のはずです。

それなのに、名には毘道男(びちお)とあります。

考えられる可能性は、いくつかあります。名の一部が別の神の名と混じったのかもしれません。あるいは、性別の判断そのものが誤っているのかもしれません。

どちらとも決められません。

額田という地名

名のなかで、唯一手がかりになりそうなのが「額田」です。

額田 ─ 大和国平群郡、近江国、三河国などにある地名。
額田部 ─ 職掌集団の名。

額田部湯坐連という一族は、アメノミカゲの末裔とされます。

もし「額田」が氏族の名であれば、その家から嫁いだ女神ということになります。

古事記の系譜には、妻の出身の家を名に含める例が見られます。この神も、その形かもしれません。ただし証拠はありません。

なぜ記録が少ないのか

この神には、古事記の一行しかありません

事績は語られない。
祀る社も、確認されていない。

十七世神の系譜のなかでも、とくに情報の乏しい神です。

理由は、名が長すぎたからかもしれません。

祀る側からすれば、呼びにくい名です。神階を申請するにも、社名にするにも不便です。

扱いにくい名は、忘れられやすい。名の長さが、そのまま記録の少なさにつながった可能性があります。

ヒナテルヌカタビチオイコチニの家系図と家族

ヒナテルヌカタビチオイコチニの親: クニオシトミ

ヒナテルヌカタビチオイコチニのきょうだい: アシナダカともに十七世神の妻神

ヒナテルヌカタビチオイコチニの子・子孫: クニオシトミオオクニヌシ子の妻

ヒナテルヌカタビチオイコチニの性格と人物像

ヒナテルヌカタビチオイコチニは、名だけが巨大な神です。

十一文字。事績なし。社なし。分かるのは、誰の妻で、誰を生んだかだけです。

しかも、女神なのに名に「男」が入っています。

古事記を写した人々も、この名の意味は分からなかったかもしれません。それでも、一字も省かずに書き写しました。分からないものを、分からないまま伝える。記録という行いの厳しさが、この名に表れています。

ヒナテルヌカタビチオイコチニゆかりの地と遺跡

この女神を祀る社は、確認されていません

古事記の系譜に、夫の妻として名が現れるだけです。

子のクニオシトミを祀る社は島根県出雲市斐川町の富神社にありますが、母を祀る形にはなっていません。名の長さが、社名や祭神として扱われにくかった理由のひとつと考えられます。

出雲大社(いずもおおやしろ)

出雲国一宮

地図で開く

出雲大社の住所: 島根県出雲市大社町杵築東195

出雲大社の御祭神: 大国主大神

出雲大社のご利益: 縁結び

この女神の夫の父にあたるオオクニヌシを祀る。

周辺の宿をさがす

出雲大社へ参拝するときの、島根県出雲市の宿を探せます。

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ヒナテルヌカタビチオイコチニが現代に残した痕跡

ヒナテルヌカタビチオイコチニの名は、古事記の十一文字に残りました

十七世神: この女神の夫と子が属する出雲の系譜。

額田: 名に含まれる語。大和・近江・三河などの地名であり、額田部という職掌集団の名でもある。

ヒナテルヌカタビチオイコチニのご利益

五穀豊穣

子クニオシトミが豊かさの名を負うことによる。

子孫繁栄

十七世神の系譜をつなぐ位置にあることによる。

ヒナテルヌカタビチオイコチニについてよくある質問

ヒナテルヌカタビチオイコチニとはどんな神様ですか。

古事記の大国主の系譜に登場する女神です。トリナルミの妻で、クニオシトミを生みました。事績は記されていません。

なぜ女神なのに名前に「男」が入っているのですか。

古くから指摘されている謎です。名の一部が別の神の名と混じった可能性や、性別の判断が誤っている可能性が論じられていますが、決着していません。

名前の意味は何ですか。

「日名照」は日が輝くこと、「額田」は地名または額と解されますが、「毘道男」「伊許知邇」は不明で、全体の名義は定まっていません。