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日本神話

鳥取神(ととりのかみ)とは何の神様か|家系図・物語・ゆかりの地

鳥取神  / トトリノカミ

大地 国津神

オオクニヌシの六番目の妻。鳥を捕らえることを名に負う。

トトリとは何の神様か

トトリはひとことで言えば鳥を捕らえる名の女神です。ヤシマムヂの娘で、オオクニヌシの六番目の妻とされます。

鳥耳神鳥甘神とも表記されます。

生んだ子トリナルミから、十七世神の後半が続きます。系譜のうえで重要な位置にあります。

トトリの漢字表記と読み方

読みは「ととり」です。「トトリ」は鳥取、つまり鳥を捕らえることを指します。

古代の日本では、鳥は人間の霊魂を運ぶと考えられていました。

その鳥を捕まえることは神事でした。名義は「鳥を捕まえること」と考えられます。

別名の鳥甘(とりかい)は、鳥を飼うことを指します。捕らえるだけでなく、飼い馴らす役目も含まれていたのかもしれません。

鳥取神(ととりのかみ)

古事記での表記。

鳥耳神(とりみみのかみ)

別の表記。

鳥甘神(とりかいのかみ)

別の表記。

トトリの物語

  1. 六番目の妻
  2. 鳥が魂を運ぶ
  3. 鳥取部という職
  4. なぜ記録が少ないのか

六番目の妻

オオクニヌシには、多くの妻がいました。

ヤガミヒメ ─ 因幡の白兎の物語で選ばれる。
スセリビメスサノオの娘。正妻。
ヌナカワヒメ ─ 高志の女神。
カムヤタテヒメコトシロヌシの母。
トトリ ─ 六番目。
ミホツヒメ ─ タカミムスヒの娘。

この女神は、そのうちの一柱です。

物語を持つのはヤガミヒメとスセリビメとヌナカワヒメだけで、他の妻たちは系譜に名が挙がるだけです。

しかしこの女神が生んだ子から、系譜は長く続きます。

鳥が魂を運ぶ

この女神の名にあるは、古い信仰と結びつきます。

鳥は、人間の霊魂を異郷に運ぶ。

ヤマトタケルが死後に白鳥になったのは、その考え方の表れです。

出雲の系譜には、鳥の名を持つ神が並びます。

トトリ ─ 鳥を捕らえる。
子 トリナルミ(鳥鳴海神) ─ 鳥が鳴く海。
子孫 フノシトミトリナルミ(布忍富鳥鳴海神)。

タケヒラトリも、境界を飛ぶ鳥という名を持ちます。鳥に関わる集団の記憶が、系譜に残っているのかもしれません。

鳥取部という職

鳥取は、職掌の名としても残りました。

鳥取部(ととりべ) ─ 鳥を捕らえて朝廷に献じる職。

由来を語る話は、古事記と日本書紀の双方の垂仁天皇段にあります。ただし筋書きは同じではありません。

垂仁天皇の子ホムチワケは、大人になっても物を言えませんでした。古事記では、空を飛ぶ鵠(くぐい)の声を聞いて片言を発し、山辺大鶙が各地を追って捕らえます。ただし、それでも御子は物を言えませんでした。

鳥取造の名が出るのは、日本書紀のほうです。鵠を見て声を発した御子のために天湯河板挙が追って捕らえ、その功によって鳥取造の姓を賜り、鳥取部が定められたと記されます。

鳥を捕らえることが、言葉と結びつけて語られるという話です。

なぜ記録が少ないのか

この女神について、古事記が記すのは一行だけです。

八嶋牟遅能神の娘、名は鳥耳神。大国主神と結ばれて、鳥鳴海神を生んだ。

祀る社も、確認されていません。

理由は、オオクニヌシの妻のなかで物語を与えられなかったからです。

ヤガミヒメには因幡の白兎があり、スセリビメには根の国の試練があり、ヌナカワヒメには歌の応酬があります。

しかしこの女神には、何もありません。系譜をつなぐ役だけが与えられました。それでも、そこから十七世神の後半すべてが続きます。

トトリの家系図と家族

トトリの親: ヤシマムヂヤシマムヂ

トトリのきょうだい: 八上比売ともにオオクニヌシの妻

トトリの妻・夫: オオクニヌシオオクニヌシ

トトリの性格と人物像

トトリは、名だけが鮮やかな女神です。

事績はありません。物語もありません。社もありません。

しかし、鳥を捕らえるという名は、古代の信仰の核心に触れています。

鳥は魂を運ぶものでした。それを捕らえるのは神事でした。その名を負った女神が、オオクニヌシの子を生み、系譜を先へつないだ。名の意味だけで記憶される神の、典型的な例です。

トトリゆかりの地と遺跡

この女神を祀る社は、確認されていません

古事記の系譜に名が現れるだけの女神です。

名と同じ鳥取という地名は、鳥取県として残ります。ただし、この女神と鳥取県を直接結ぶ記録はありません。鳥を捕らえる職掌である鳥取部が各地にいたことによる名です。

出雲大社(いずもおおやしろ)

出雲国一宮

地図で開く

出雲大社の住所: 島根県出雲市大社町杵築東195

出雲大社の御祭神: 大国主大神

出雲大社のご利益: 縁結び

この女神の夫にあたるオオクニヌシを祀る。

周辺の宿をさがす

出雲大社へ参拝するときの、島根県出雲市の宿を探せます。

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トトリが現代に残した痕跡

トトリの名は、鳥取という語に残りました

鳥取部: 鳥を捕らえて朝廷に献じる職。日本書紀の垂仁天皇段で、天湯河板挙が鳥取造の姓を賜ったと記される。

十七世神: この女神の子トリナルミから系譜の後半が続く。

ホムチワケ: 鵠を見て声を発した皇子。日本書紀では、これが鳥取造の由来の話につながる。

トトリのご利益

子孫繁栄

トリナルミを生み、系譜をつないだことによる。

縁結び

オオクニヌシの妻の一柱であることによる。

トトリについてよくある質問

トトリとはどんな神様ですか。

古事記にのみ登場する国津神です。ヤシマムヂの娘で、オオクニヌシの六番目の妻とされ、トリナルミを生みました。

名前の意味は何ですか。

「鳥を捕まえること」です。古代の日本では鳥は人間の霊魂を運ぶと考えられ、鳥を捕らえることは神事でした。

鳥取県と関係がありますか。

直接結ぶ記録はありません。鳥を捕らえる職掌である鳥取部が各地にいたことによる地名です。

トトリと併せて覚えたい言葉・用語

根の国(ねのくに)

地の底にあるとされる国。スサノオが最終的に治める。黄泉の国と同一視されることもある。