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神話の太陽神一覧|ラー・アマテラス・アポロンをくらべる

太陽は毎日昇ります。どの神話にも太陽の神がいます。

ところが、その扱いが大きく違います。

最高神である神話と、脇役の神話がある。
そして、最高神が女神なのは日本だけ。

このページでは、収録している太陽の神を横に並べて比べます。

太陽神とは

太陽そのもの、または太陽の運行を司る神です。

農耕をする社会では、太陽の動きがそのまま暦になります。そのため太陽神が最高神になりやすいのですが、必ずそうなるわけではありません

ギリシャの最高神はゼウス(天空と雷)で、太陽神は主役ではありません。北欧の太陽ソールに至っては、狼に追われて走り続ける存在です。

太陽が絶対の神になるかどうかは、その土地の暮らし方で決まる。

エジプトの太陽神|ラー 6柱

ラーがエジプトの最高神です。太陽そのものであり、王(ファラオ)の父とされました。

特徴的なのは、時刻で名前が変わることです。

朝=ケプリ(フンコロガシ)、昼=ラー(隼)、夕=アトゥム(老人)

同じ太陽が空を横切っているのではなく、毎日生まれ変わっているという考え方です。

夜は冥界を船で進み、大蛇アペプに襲われます。

戦いに勝てば朝が来る。負ければ、日は昇らない。

毎朝の日の出は勝ち取られたものでした。神殿では毎日、この蛇を呪う儀式が行われています。

アメンと結びついたアメン=ラーは新王国の国家神になり、アテンは一時エジプト唯一の神とされた太陽円盤です。

日本の太陽神|アマテラス 2柱

アマテラスは、主要な神話でほぼ唯一の、最高神である女神の太陽神です。

他の神話では、太陽神はたいてい男神。

天皇家の祖神とされ、伊勢神宮に祀られています。

もうひとつ特異なのが、引きこもることです。

スサノオの乱暴に耐えかね、天の岩屋戸に隠れました。世界は闇に包まれ、神々が策を練り、アメノウズメが舞い、その笑い声につられて顔を出したところを引き出されます。

最高神が、自分で世界を止めてしまう。

この弱さは、他の神話の太陽神にあまり見られません。ラーは戦い、アポロンは射抜きますが、アマテラスは隠れて、なだめられて出てきます

ギリシャの太陽神|アポロンとヘリオス 1柱

ギリシャの太陽神は、はじめからアポロンだったわけではありません。

古い時代の太陽神はヘリオスです。毎日、四頭立ての馬車で天を横切ります。すべてを見下ろすため、アフロディーテの不倫もペルセポネの略奪も、この神が目撃しました。

息子パエトンが父の車を借りて暴走し、大地を焼いたためゼウスに撃ち落とされます。サハラ砂漠ができた理由として語られました。

アポロンはもともと光・音楽・予言・医術の神で、後の時代に太陽神と重ねられた神です。デルフォイの神託で知られ、ギリシャで最も広く信仰された神の一柱になりました。

ギリシャでは、太陽神は最高神ではない。

最高神はゼウス(天空と雷)です。太陽より、雷のほうが上に置かれています

北欧の太陽神|バルドルとソール 2柱

北欧の太陽はソールという女神ですが、扱いがまったく違います。

スコルに追われて、走り続けている。

太陽が動くのは、追われているからです。そしてラグナロクでは、ついに追いつかれ、飲み込まれます

最高神どころか、逃げ続ける存在です。

北欧で「光」を体現するのは、太陽そのものよりバルドルでした。誰からも愛される美しい神で、その死が世界の終わりの始まりになります。ヘイムダルは虹の橋を守り、世界の果てまで見通す目を持つ神です。

北欧は日照時間が短く、冬は太陽がほとんど昇りません。太陽を絶対の存在として扱わなかった背景として、この気候が挙げられます。

太陽神が最高神とは限らない

並べると、二つの違いが見えます。

神話太陽神性別位置づけ
エジプトラー男神最高神
日本アマテラス女神最高神
ギリシャヘリオス→アポロン男神主役ではない(最高神はゼウス)
北欧ソール女神狼に追われる

ひとつは、太陽が最高神になるとは限らないこと。

エジプトと日本は、太陽が最高神。ギリシャと北欧は違う。

エジプトは日差しが強く、ナイルの氾濫と暦が太陽の動きに結びついていました。日本も稲作が太陽に直結します。北欧は冬に太陽がほとんど昇りません。気候の差が、そのまま神の序列に出ています

もうひとつは、最高神が女神なのは日本だけという点です。ソールも女神ですが最高神ではありません。

世界の神話では太陽が男神・月が女神という組み合わせが多く、日本はここが逆になっています。アマテラス(女神)とツクヨミ(男神)です。

太陽神についてよくある質問

太陽神で最も有名なのは誰ですか。

エジプトのラーです。太陽そのものであり、エジプトの最高神でした。日本ではアマテラス、ギリシャではアポロン(古くはヘリオス)が太陽神です。

ギリシャ神話の太陽神はアポロンですか、ヘリオスですか。

古い時代の太陽神はヘリオスです。アポロンはもともと光・音楽・予言・医術の神で、後の時代に太陽神と重ねられました。

女神の太陽神はいますか。

います。日本のアマテラスと北欧のソールです。世界の神話では太陽が男神・月が女神という組み合わせが多く、最高神である女神の太陽神は日本のアマテラスがほぼ唯一です。

なぜ太陽神が最高神の神話とそうでない神話があるのですか。

気候と暮らし方の差と考えられます。エジプトは日差しが強く暦が太陽と結びつき、日本も稲作と太陽が直結していました。一方、北欧は冬に太陽がほとんど昇らず、太陽神は狼に追われる存在として描かれます。

太陽神は毎日死んで生まれ変わるのですか。

エジプトではそう考えられました。朝はケプリ、昼はラー、夕はアトゥムと名前が変わり、夜は冥界を通ります。同じ太陽が空を横切るのではなく、毎日生まれ直すという理解です。

ローマ神話の太陽神は誰ですか。

ソル(ソル・インウィクトゥス)です。ギリシャのヘリオスにあたる神で、後期のローマ帝国では国家的に信仰されました。神図鑑ではローマ神話の一柱として収録しています。

太陽神の一覧(収録しているすべての神々) 40柱

本文で取り上げなかったものも含めて、この属性に属する神々をすべて並べています。名前を押すと個別ページへ移ります。

アイテール

AETHER 太陽 ギリシャ神話

アカルヒメ

AKARUHIME 太陽 日本神話

アテン

ATEN 太陽 エジプト神話

アトゥム

ATUM 太陽 エジプト神話
主神級

アポロン

APOLLO 太陽 ギリシャ神話

アマツヒコネ

AMATSUHIKONE 太陽 日本神話
主神級

アマテラス

AMATERASU 太陽 日本神話

アメノヒノミタマ

AMENOHINOMITAMA 太陽 日本神話

アメノヒボコ

AMENOHIBOKO 太陽 日本神話
主神級

アメン

AMUN 太陽 エジプト神話

アールヴァクとアルスヴィズ

ARVAKR 太陽 北欧神話

イクツヒコネ

IKUTSUHIKONE 太陽 日本神話

ウジャトの目

WADJET-EYE 太陽 エジプト神話

エオス

EOS 太陽 ギリシャ神話

グリンカムビ

GULLINKAMBI 太陽 北欧神話

ケプリ

KHEPRI 太陽 エジプト神話

サルタヒコ

SARUTAHIKO 太陽 日本神話

シタテルヒメ

SHITATERUHIME 太陽 日本神話

スキンファクシとフリームファクシ

SKINFAXI 太陽 北欧神話

スコル

SKOLL 太陽 北欧神話
主神級

ソール

SOL 太陽 ローマ神話

ソール

SOL 太陽 北欧神話

タクズダマ

TAKUZUDAMA 太陽 日本神話

ダグ

DAG 太陽 北欧神話

テイア

THEIA 太陽 ギリシャ神話
主神級

ニギハヤヒ

NIGIHAYAHI 太陽 日本神話
主神級

バルドル

BALDR 太陽 北欧神話

ヒナテルヌカタビチオイコチニ

HINATERUNUKATABICHIO 太陽 日本神話

ヒュペリオン

HYPERION 太陽 ギリシャ神話

フォルセティ

FORSETI 太陽 北欧神話

ヘイムダル

HEIMDALL 太陽 北欧神話

ヘメラ

HEMERA 太陽 ギリシャ神話
主神級

ヘリオス

HELIOS 太陽 ギリシャ神話
主神級

ホルス

HORUS 太陽 エジプト神話

マートゥータ

MATERMATUTA 太陽 ローマ神話

ヤマトヒメ

YAMATOHIME 太陽 日本神話
主神級

ラー

RA 太陽 エジプト神話

ワカヒルメ

WAKAHIRUME 太陽 日本神話

八咫烏

YATAGARASU 太陽 日本神話

天火明命

AMENOHOAKARI 太陽 日本神話

ほかの属性で見る

このページに出てきた言葉

天の岩屋戸(あまのいわやと)

アマテラスが閉じこもった岩の洞窟。太陽が隠れて世界が闇になった。

ラグナロク(Ragnarök)

北欧神話の終末。神々と巨人が戦い、双方がほぼ全滅して世界が焼け落ち、海に沈む。そののち新しい大地が浮かび上がる。