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日本神話

ナガシラハ(長白羽神)とは何の神様か|家系図・物語・祀る神社

長白羽神  / ナガシラハノカミ

天津神

天岩戸で麻を育て青和幣を織った神。神麻続部の祖。

ナガシラハとは何の神様か

ナガシラハはひとことで言えば麻を育てて織った神です。古語拾遺の天岩戸の段に登場します。

オモイカネに命じられ、麻を育てて青和幣を織ったと記されます。

伊勢神宮に奉る荒妙を織った神麻続部の祖神とされ、白い衣類を白羽と呼ぶのは、この神の名に由来するといいます。

ナガシラハの漢字表記と読み方

読みは「ながしらは」です。「ナガ」は長い「シラ」は白「ハ」は羽を指します。

長く白い羽という形です。

白い衣類を白羽と呼ぶのは、この神の名に由来するとされます。

別名は天白羽神で、こちらは頭が「アメノ」に変わります。各地の天白信仰を、この神に由来するとみる説もあります。

長白羽神(ながしらはのかみ)

古語拾遺での表記。

天白羽神(あめのしらはのかみ)

別名。

天志良波神(あめのしらはのかみ)

常陸国の式内社での表記。

ナガシラハの物語

  1. 古語拾遺の岩戸
  2. 神麻続部という職
  3. 常陸に残る社
  4. 天白信仰との関わり

古語拾遺の岩戸

天岩戸の場面は、古事記・日本書紀・古語拾遺で少しずつ違います。

古語拾遺では、オモイカネが役割を細かく割り振ります。

ナガシラハ ─ 麻を育て、青和幣を織る。
アメノヒワシ ─ 木綿を作る。
アメノハヅチオ ─ 倭文(しづり)を織る。

織物だけで、複数の神が分担しています。

和幣(にぎて)は、神に捧げる布のことです。青和幣は麻、白和幣は木綿で作られました。

祭りに使う布を誰が作るか。それが氏族の職掌そのものでした。

神麻続部という職

この神を祖とするのが、神麻続部です。

カンオミベ、または神麻績部とも書く。
伊勢神宮に奉る荒妙(あらたえ)を織った。

荒妙は麻で織った粗い布、和妙(にきたえ)は絹で織った柔らかい布です。

神宮では、神御衣祭でこの二つを奉ります。

三重県松阪市には神麻続機殿神社があり、いまも荒妙を織る神事が続けられています。神話の役割が、現実の神事として千年以上続いている例です。

常陸に残る社

この神を祭神とする式内社が、遠く離れた土地にあります。

天志良波神社 ─ 常陸国久慈郡。いまの茨城県常陸太田市。

伊勢の織物の神が、なぜ常陸にいるのか。

麻の栽培と織物の技術を持つ集団が、東国へ移り住んだ跡だと考えられています。

常陸国は古代から麻の産地でした。常陸の名を負う布は、いまも上質な麻織物として知られます。

技術が移れば、その技術の神も一緒に移る。ナガシラハは、その道筋を示しています。

天白信仰との関わり

別名の天白羽神から、天白信仰との関わりが指摘されています。

天白社 ─ 東海地方から信濃にかけて分布する社。

祭神ははっきりせず、織物の神とする説、水の神とする説、星の神とする説などがあります。

天白という名の由来を、この神に求める説があります。

ただし、諏訪信仰のミシャグジと結びつける説もあり、決着していません。

名の一致だけを根拠にした結びつけである可能性も指摘されています。慎重に扱うべき点です。

ナガシラハの家系図と家族

ナガシラハのきょうだい: フトダマ同族の神天日鷲神ともに岩戸で布を作る天羽槌雄神ともに岩戸で布を織る

ナガシラハの性格と人物像

ナガシラハは、布を作った神です。

岩戸の前で踊りもしませんし、戸をこじ開けてもいません。麻を育て、織っただけです。

しかしその布がなければ、祭りは成り立ちませんでした。

神に捧げる布を作る者たちが、自分たちの仕事の由緒を求めて立てた神です。名が「白い羽」であるのは、織り上がった布の白さを、鳥の羽に見立てたからでしょう。手仕事の記憶が神の名になった例です。

ナガシラハを祀る神社

この神を祭神とするのは、茨城県常陸太田市の天志良波神社です。常陸国久慈郡の式内社にあたります。

伊勢では、三重県松阪市の神麻続機殿神社が、この神を祖とする神麻続部の織殿とされます。

いまも荒妙を織って神宮に奉る神事が続けられています。麻の産地であった常陸と、それを奉る伊勢を、この神の名が結んでいます。

皇大神宮(伊勢神宮 内宮)(こうたいじんぐう)

神宮

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皇大神宮(伊勢神宮 内宮)の住所: 三重県伊勢市宇治館町1

皇大神宮(伊勢神宮 内宮)の御祭神: 天照坐皇大御神

皇大神宮(伊勢神宮 内宮)のご利益: 所願成就

この神を祖とする神麻続部が荒妙を織って奉った。

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ナガシラハが現代に残した痕跡

ナガシラハの名は、布の呼び名に残りました

白羽: 白い衣類を指す語。この神の名に由来するとされる。

荒妙: 麻で織った粗い布。神御衣祭で伊勢神宮に奉る。

青和幣: 麻で作った幣。この神が織ったとされる。

天白信仰: 東海から信濃にかけて分布する信仰。この神に由来するとする説がある。

ナガシラハのご利益

衣類守護

麻を育てて織ったことによる。

産業繁栄

神麻続部の祖神とされることによる。

ナガシラハについてよくある質問

ナガシラハとはどんな神様ですか。

古語拾遺の天岩戸の段に登場する神です。オモイカネに命じられ、麻を育てて青和幣を織ったと記されます。

どの書に記されていますか。

古語拾遺です。古事記と日本書紀には名が見えません。

天白信仰と関係がありますか。

別名が天白羽神であることから、東海から信濃にかけての天白信仰の由来とする説があります。ただし諏訪のミシャグジと結びつける説もあり、決着していません。