土佐で祀られる産土神。三姉妹の女神とする伝えがある。
イズナヒメとは何の神様か
イズナヒメはひとことで言えば由来が焼けた神です。高知県の伊豆田神社と伊都多神社に祀られます。
本社である伊豆那神社が幕末に火災に遭い、記録が失われました。
そのため由来は分かりません。しかし、少なくとも室町時代以前から信仰されてきた産土神であることは確かです。
イズナヒメの漢字表記と読み方
読みは「いづなひめ」です。「イヅ」は厳めしい・威力ある、「ナ」は土地、「ヒメ」は女神を指すと考えられます。
ただし、由来を伝える記録が失われているため、名義は確かめられません。
社名は伊豆田とも伊都多とも書かれ、読みも「いづた」「いつた」と揺れます。
産土神(うぶすながみ)とは、生まれた土地を守る神のことです。
伊豆那姫命(いづなひめのみこと)
一般に用いられる表記。
伊豆田姫命(いづたひめのみこと)
伊豆田神社での表記。
御伊都多様(おいつたさま)
前浜での呼び名。
イズナヒメの物語
火災で失われた記録
この女神について、まず知るべきことがあります。
本社である伊豆那神社が、江戸時代の幕末に火災に遭った。
記録が消失した。
由来を語る文書が、まとめて失われています。
それでも信仰は続きました。少なくとも室町時代以前から祀られてきたことが分かっています。
記録がなくても、社は残り、祭りは続きます。文書と信仰は別のものであるという、当たり前の事実を示す例です。
脚気に効く神
南国市前浜の伊都多神社には、はっきりした霊験が伝えられています。
脚気の平癒に霊験がある。
御伊都多様として、土佐一円で広く崇敬された。
脚気は、ビタミンの不足によって起こる病です。
江戸時代から明治にかけて、白米を主食とする都市部で多く発生し、江戸わずらいとも呼ばれました。
原因が分からなかった時代、人々は神に祈るほかありませんでした。特定の病に効く神として名が広がったのは、そのためです。
三姉妹という伝え
南国市には、この女神をめぐる興味深い言い伝えがあります。
伊都多神社に祀られる伊豆那姫命は、三柱の姉妹神である。
次女神が前浜の神、末女神が田村地区の神。
そして、この二柱は不仲であったとされていました。
姉妹の神が不仲であるという伝えは、各地に見られます。近い村どうしの対抗意識が、神の関係として語られたものと考えられます。
長女神がどこにいるかは、伝えられていません。
土佐の産土神
この女神は、土佐の地に根ざした神です。
伊豆田神社 ─ 高知県土佐清水市高知山。
伊都多神社 ─ 高知県南国市田村地区・前浜地区。
土佐清水は足摺岬に近く、南国市は高知平野にあたります。
黒潮の流れる太平洋に面した土地です。
記紀にも風土記にも名がありません。中央の書に一度も載らないまま、地元で祀られ続けた神です。日本の神々の多くは、実はこうした存在です。
イズナヒメの家系図と家族
イズナヒメのきょうだい: オオゲツヒメともに土地に根ざす女神
イズナヒメの性格と人物像
イズナヒメは、記録を失った神です。
由来を語る文書は焼けました。名の意味も分かりません。三姉妹だという伝えはありますが、長女がどこにいるかも分かりません。
それでも、脚気に効く神として土佐一円の人々が頼りました。
神の来歴が分からなくても、効くかどうかが信仰を支えます。文書に残らない神が、どのように生き続けるのかを教えてくれる例です。
イズナヒメを祀る神社
この女神を祀るのは、高知県土佐清水市高知山の伊豆田神社と、南国市の伊都多神社です。
前浜の伊都多神社は、御伊都多様として土佐一円で崇敬されました。
本社である伊豆那神社は幕末の火災で記録を失っており、創建の年代や由緒は分かっていません。室町時代以前から信仰されていたことだけが確かです。
伊豆田神社(いずたじんじゃ)
この女神の名を負う社。社叢は土佐清水市の天然記念物。
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イズナヒメが現代に残した痕跡
イズナヒメの名は、土佐の社に残りました。
御伊都多様: 前浜での呼び名。脚気に効く神として土佐一円に知られた。
産土神: 生まれた土地を守る神。この女神もそう位置づけられる。
イズナヒメのご利益
病気平癒
脚気に霊験があるとされたことによる。
土地守護
産土神として祀られたことによる。
イズナヒメについてよくある質問
イズナヒメとはどんな神様ですか。
高知県の伊豆田神社と伊都多神社に祀られる産土神です。本社が幕末の火災で記録を失ったため、由来は分かっていません。
どんなご利益がありますか。
前浜の伊都多神社では、脚気の平癒に霊験がある「御伊都多様」として土佐一円で広く崇敬されました。
三姉妹というのは本当ですか。
南国市に、三柱の姉妹神であるという言い伝えがあります。次女神が前浜、末女神が田村地区の神とされ、二柱は不仲であったとされていました。