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日本神話

大口真神(おおくちのまがみ)とは何の神様か|家系図・物語・祀る神社

大口真神  / オオクチノマガミ

国津神

狼を神格化した存在。作物を守り、盗難と火難を防ぐ。

オオクチノマガミとは何の神様か

オオクチノマガミはひとことで言えば狼の神です。真神は、ニホンオオカミの古名であり、まことの神・正しい神を指す言葉でもあります。

大口真神御神犬とも呼ばれます。

猪や鹿から作物を守るものとされ、盗難と火難を防ぐ力が強いと信じられました。

オオクチノマガミの漢字表記と読み方

読みは「おおくちのまがみ」、または「まかみ」です。

「オオクチ」は大きな口「マガミ」は真の神を指します。

「マカミ」は、狼そのものの古名でもありました。

狼という動物と、真の神という言葉が、同じ音で重なっています。動物を神と呼んでいたことが、語のなかに残っています。

大口真神(おおくちのまがみ)

一般に用いられる表記。

真神(まかみ)

狼の古名。

御神犬(ごしんけん)

社での呼び名。

おいぬ様(おいぬさま)

民間での親しみを込めた呼び名。

オオクチノマガミの物語

  1. 万葉集に詠まれる
  2. ヤマトタケルを導く
  3. 狼を描いた神札
  4. 絶滅したあとも

万葉集に詠まれる

この名は、八世紀の歌に現れます。

万葉集巻八、舎人娘子の歌です。

大口の まかみの原に ふる雪は いたくなふりそ 家もあらなくに

大口の真神原という地名が詠み込まれています。

この原は、大和国の飛鳥にありました。老いた狼が大勢の人を食べたため、その獰猛さから神格化されたと伝えられます。

のちにこの地に飛鳥衣縫造祖樹葉の邸宅が建ち、崇峻天皇の代に法興寺、のちの飛鳥寺の造営が始まりました。

日本最初の本格的な寺が、狼の原に建ったことになります。

ヤマトタケルを導く

武蔵御嶽神社には、この神の伝説が伝わります。

日本武尊が東征したとき、邪神が大鹿の姿で現れました。尊は野蒜で退治しますが、山が鳴動して霧に巻かれ、道に迷います。

そこへ忽然と白い狼が現れ、道案内をした。
無事に導かれた尊は、こう言った。
大口真神として、そこに留まるように。

道案内をした狼が、その場の神になったという筋です。

武蔵御嶽神社は、東京都青梅市の御岳山にあります。いまもおいぬ様の信仰で知られます。

狼を描いた神札

この信仰は、いまも続いています

秩父地方の神社を中心に、狼を描いた神札が頒布されている。

大口真神への信仰は、江戸時代の天保年間ごろから、盗難除け・魔物除けとして盛んになりました。

三峯神社(埼玉県秩父市)、武蔵御嶽神社(東京都青梅市)、釜山神社(埼玉県寄居町)、山住神社(静岡県浜松市)、大川神社(京都府舞鶴市)などが、この神を祀ります。

狛犬の代わりに、狼の像が置かれている社もあります。

絶滅したあとも

ニホンオオカミは、明治三十八年(一九〇五年)を最後に確実な記録が途絶えました。

奈良県東吉野村で捕獲された若い雄が、最後の標本とされる。

しかし、信仰は続いています

作物を荒らす猪や鹿を狼が食べてくれたことは、農民にとって現実の利益でした。人語を理解し、善人を守り悪人を罰するとされたのも、そうした実感からでしょう。

動物が絶えても、神は残りました。いまも狼の神札が家に貼られています

オオクチノマガミの家系図と家族

オオクチノマガミのきょうだい: オオヤマツミともに山を守る

オオクチノマガミの性格と人物像

オオクチノマガミは、いなくなった神です。

ニホンオオカミは絶滅しました。それでも、この神への信仰は続いています。

秩父の山では、いまも狼を描いた神札が頒布されます。

人の言葉を理解し、性質を見分け、善人を守り悪人を罰する。動物にそこまでの力を認めたのは、山で生きる人々が実際に狼と向き合っていたからです。実在の獣が神になった、数少ない例といえます。

オオクチノマガミを祀る神社

この神を祀る社は、秩父と奥多摩を中心に分布します。

埼玉県秩父市の三峯神社、東京都青梅市の武蔵御嶽神社が代表です。

狛犬の代わりに狼の像が置かれている社もあります。

埼玉県寄居町の釜山神社、静岡県浜松市の山住神社、京都府舞鶴市の大川神社にも祀られます。いまも狼を描いた神札が頒布されています。

三峯神社(みつみねじんじゃ)

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三峯神社の住所: 埼玉県秩父市三峰298-1

三峯神社の御祭神: 伊弉諾尊・伊弉册尊

三峯神社のご利益: 盗難除け

大口真神を眷属として祀る。狼の像が置かれている。

周辺の宿をさがす

三峯神社へ参拝するときの、埼玉県秩父市の宿を探せます。

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武蔵御嶽神社(むさしみたけじんじゃ)

地図で開く

武蔵御嶽神社の住所: 東京都青梅市御岳山176番地

武蔵御嶽神社の御祭神: 櫛真智命ほか

武蔵御嶽神社のご利益: 厄除け

日本狼の神である大口真神を祀ることで知られる。

おいぬ様の信仰で知られる。

周辺の宿をさがす

武蔵御嶽神社へ参拝するときの、東京都青梅市の宿を探せます。

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オオクチノマガミが現代に残した痕跡

オオクチノマガミの名は、神札と地名に残りました

真神原: 飛鳥にあった地名。万葉集に詠まれ、のちに飛鳥寺が建った。

おいぬ様: 武蔵御嶽神社での呼び名。狼の神を親しんで呼ぶ。

ニホンオオカミ: 一九〇五年を最後に確実な記録が途絶えた。

オオクチノマガミのご利益

盗難除け

江戸時代から盗難除けの信仰が盛んになったことによる。

火防

火難から守る力が強いとされたことによる。

五穀豊穣

猪や鹿から作物を守るとされたことによる。

オオクチノマガミについてよくある質問

オオクチノマガミとはどんな神様ですか。

狼、すなわちニホンオオカミを神格化した存在です。猪や鹿から作物を守り、盗難や火難から守る力が強いとされました。

いつから記録がありますか。

万葉集巻八に「大口の まかみの原に」と詠まれており、八世紀にはすでに見られます。

いまも祀られていますか。

埼玉県の三峯神社、東京都の武蔵御嶽神社などで祀られ、いまも狼を描いた神札が頒布されています。