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日本神話

伊香色雄命とは何の神様か|家系図・物語・祀る神社

伊香色雄命  / イカガシコオノミコト

天津神

崇神天皇の代の物部氏の長。石上神宮を興した。

伊香色雄命とは何の神様か

伊香色雄命はひとことで言えば石上神宮を興した人です。崇神天皇の代に物部氏を率い、疫病が流行ったとき神を祀る役を担いました。

布都御魂の剣を宮中から移し、石上神宮に祀ったのはこの人物とされます。

妹の伊香色謎命は開化天皇の后となり、崇神天皇の母にあたります。物部氏が皇統に食い込んだ時期を示しています。

伊香色雄命の漢字表記と読み方

読みは「いかがしこお」です。「イカ」は厳(いか)めしい「シコ」は醜い・強い「オ」は男を指します。

「シコ」は、ヨモツシコメや葦原色許男神(オオクニヌシの別名)にも含まれます。

醜いという意味だけでなく、強い・頑丈なという意味を持ちます。

つまり厳めしく強い男です。武を担う物部氏の長にふさわしい名といえます。

伊香色雄命(いかがしこおのみこと)

日本書紀での表記。

伊迦賀色許男命(いかがしこおのみこと)

古事記での表記。

伊香色雄命の物語

  1. 疫病のなかで神を祀る
  2. 剣を宮から社へ移す
  3. 朝廷の武器庫
  4. 妹が天皇の母になる

疫病のなかで神を祀る

崇神天皇の代、疫病で人口の半分以上が死んだと日本書紀は記します。

天皇は神託を求め、オオタタネコに三輪山の神を祀らせました。

同時に、伊香色雄命にも役目が与えられます。

物部の八十平瓮(やそひらか)を作りて、神を祀れ。

八十枚の土器を作って、神々を祀る儀式です。

オオタタネコが三輪山を、伊香色雄命がその他の神々を担当した形になっています。

剣を宮から社へ移す

この人物の最大の功績は、布都御魂の剣を移したことです。

神武東征でタカクラジが届けた剣。
それまで宮中に置かれていた

伊香色雄命は、これを石上(いそのかみ)の地に移して祀りました

これが石上神宮の始まりです。

アマテラスを宮の外へ出したのと、同じ時期です。神を天皇の住まいから分離するという動きが、このとき一斉に起きています。

朝廷の武器庫

石上神宮は、以後朝廷の武器庫を兼ねました。

剣を神として祀り、同時に武器を納める。

神を祀ることと、武力を管理することが、同じ場所で行われていました。

物部氏は軍事と祭祀の両方を担う一族です。石上神宮は、その象徴でした。

「モノ」という語が、武器の両方を指したことと重なります。

神と武器の区別が、そもそも曖昧だったといえます。

妹が天皇の母になる

伊香色雄命の妹は、伊香色謎命(いかがしこめのみこと)といいます。

開化天皇の后となり、崇神天皇を産みました。

つまり崇神天皇は、物部氏の血を引いています。

さらに伊香色謎命は、その前に孝元天皇の妃でもあったと記されます。父子二代に嫁いだことになります。

物部氏が皇統に深く食い込んだ時期を示す記述です。

蘇我氏に敗れる6世紀まで、この一族は朝廷の中枢にいました。

伊香色雄命の家系図と家族

伊香色雄命のきょうだい: 大田田根子ともに神を祀り疫病を鎮める

伊香色雄命の子・子孫: ウマシマヂ物部氏の祖と、その子孫

伊香色雄命の性格と人物像

伊香色雄命は、制度を作った人です。

戦った記録はありません。土器を作り、剣を移し、社を興しました

物部氏の祖ウマシマヂが「受け継いだ人」なら、この人物は「形にした人」です。

宮中にあった剣を、外の社に移す。それによって、祭祀の場所が確定しました

石上神宮がいまも奈良にあるのは、この一手によります。

伊香色雄命を祀る神社

伊香色雄命を祀るのは、物部氏ゆかりの社です。

石上神宮は、この人物が興したと伝えられます。明治7年の発掘で、禁足地から実際に剣が出土しました。いま御神体として祀られています。

奈良県天理市には、物部氏に関わる地名と社が集まっています。布留(ふる)という地名も、この一族に由来します。

石上神宮(いそのかみじんぐう)

大和国二宮

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石上神宮の住所: 奈良県天理市布留町384

石上神宮の御祭神: 布都御魂大神ほか

石上神宮のご利益: 厄除け

この人物が剣を移して興したと伝える社。物部氏の氏神。

日本最古級の神宮。境内に鶏が放し飼いにされている。

周辺の宿をさがす

石上神宮へ参拝するときの、奈良県天理市の宿を探せます。

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大神神社(おおみわじんじゃ)

大和国一宮

地図で開く

大神神社の住所: 奈良県桜井市三輪1422

大神神社の御祭神: 大物主大神

大神神社のご利益: 病気平癒

同じ疫病の際、オオタタネコが祀った社。

周辺の宿をさがす

大神神社へ参拝するときの、奈良県桜井市の宿を探せます。

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伊香色雄命が現代に残した痕跡

伊香色雄命の働きは、石上神宮に残りました

石上神宮: この人物が剣を移して興したとされる社。朝廷の武器庫を兼ねた。

布留(ふる): 奈良県天理市の地名。物部氏に由来する。布都御魂の「フル」とも通じる。

シコ: 醜いだけでなく強い・頑丈なという意味を持つ古語。

伊香色雄命のご利益

厄除け

疫病を鎮める祭祀を担ったことによる。

武運長久

物部氏を率いた人物であることによる。

病気平癒

疫病の際に神を祀った伝えによる。

伊香色雄命についてよくある質問

伊香色雄命とはどんな人物ですか。

崇神天皇の代に物部氏を率いた人物です。疫病が流行った際に神を祀り、布都御魂の剣を宮中から石上神宮へ移しました。

なぜ剣を宮の外へ出したのですか。

アマテラスを宮の外へ出したのと同じ時期です。神を天皇の住まいから分離する動きが、このとき一斉に起きています。

皇統と関係がありますか。

妹の伊香色謎命が開化天皇の后となり、崇神天皇を産みました。崇神天皇は物部氏の血を引いていることになります。