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ローマ神話

コーンススとは何の神様か|家系図・物語

Consus  / コーンスス

大地 ローマ固有の神

穀物を蓄える神。祭壇は地下に埋められ、年に二度だけ掘り出された。

コーンススとは何の神様か

コーンススはひとことで言えば地下に納める神です。

名は「納める」を意味する語からできています。

祭壇は、大競技場の地下に埋められていました。

年に二度、8月21日と12月15日にだけ掘り出され、祭が行われます。

収穫を地の下に納める。神も地の下にいる。

穀物を貯蔵する穴と、この神の性格が重なっています。

祭の日には、馬と驢馬を休ませました。 首に花輪を掛け、その日は働かせません。

そして競技場では、馬と騾馬の競走が行われました。

ローマの建国の物語で、ロームルスが近隣の女たちを奪ったのは、この祭に人を招いたときのことです。

後には、ギリシャの馬の神と重ねられ、ネプトゥーヌス・エクエステルの名で呼ばれることもありました。

コーンススのローマ名・ギリシャ名と読み方

日本語では「コンスス」「コーンスス」が使われます。

納める・収めるを意味する語からできた名です。オプスの称号コンシーウァと同じ語幹です。

蓄える神と、蓄えられた豊かさの女神。

二柱で一組になっています。

古代のローマ人のなかには、この名を「相談する」を意味する語に結びつける者もいました。誤った語源解釈とされています。 ロームルスがこの神に相談して女たちを奪う計略を立てた、という話がそこから生まれました。

Consus(コーンスス)

ラテン語。「納める」を意味する語からできている。

Consualia(コーンスアーリア)

8月21日と12月15日に行われた祭の名。

コーンススの物語

  1. 埋められた祭壇 ─ 年に二度だけ掘り出す
  2. 馬と驢馬が休む日 ─ 競走の始まり
  3. サビニの女たち ─ 祭に招いて奪う

埋められた祭壇 ─ 年に二度だけ掘り出す

コーンススの祭壇は、大競技場の地下に埋められていました。

普段は土に覆われ、見ることができません。

年に二度だけ掘り出されます。

8月21日 … 刈り入れが終わり、穀物を納めたころ。
12月15日 … 冬に入り、蓄えを使い始めるころ。

祭壇には碑文が刻まれていたと伝えられます。

なぜ埋めるのか。

穀物を貯蔵する穴と、この神の性格が重なるためと説明されます。ローマ人は穀物を地下の穴に納めました。

蓄えは地の下にある。神も地の下にいる。

ただし、この説明は後代のものです。 本当の理由は分かっていません。

ローマの古い祭祀には、こうした「普段は隠しておく」形のものがいくつもあります。見えないことが、聖さの条件でした。

馬と驢馬が休む日 ─ 競走の始まり

祭の日には、馬と驢馬が仕事を休みました。

首に花輪を掛けてもらいます。

粉を挽く獣、荷を運ぶ獣。その一日を休ませる。

そして、競技場では競走が行われました。馬だけでなく、騾馬が引く車の競走もあったと伝えられます。

ローマの馬車競走は、この祭に始まるとされます。

大競技場は、後に25万人を収容する巨大な施設になりました。その中心の細長い区画に、この神の祭壇が埋まっています。

世界最大の競技場の真ん中に、埋められた古い祭壇があった。

ローマの都市は、こうした古い聖域を呑み込みながら大きくなりました。

祭壇は動かされませんでした。 動かせないものとして扱われたためです。

サビニの女たち ─ 祭に招いて奪う

ローマの建国の物語で、もっとも知られた場面の一つです。

ロームルスが町を作ったとき、集まったのは男ばかりでした。

近隣の町に縁組を申し入れたが、どこも断った。

そこでロームルスは、祭を開いて人を招きます。

その祭が、コーンススの祭でした。

近隣のサビニ人が家族を連れてやってきます。競走が始まり、人々が見物に夢中になったとき、合図とともにローマの若者が娘たちを攫いました。

サビニ人は怒り、戦になります。

戦いの最中、攫われた女たちが両軍のあいだに割って入りました。

一方は父、一方は夫。どちらが倒れても私たちは失う。

戦は止み、両者は一つの民になります。サビニの王ティトゥス・タティウスは、ロームルスと共同で王位に就きました。

祭を利用した略奪から、共同体が生まれる。 ローマ人は、自分たちの始まりをこう語りました。

コーンススの家系図と家族

コーンススのきょうだい: ウェルトゥムヌスともに実りの移り変わりに関わる

コーンススの妻・夫: オプス納める神と蓄えの女神

コーンススの性格と人物像

コーンススには、性格も姿もありません。

祭壇が埋まっていること、年に二度掘り出されること、馬が休むこと。残っているのは手続きだけです。

それでも、この神はローマの建国の物語の中心にいます。

女たちが攫われたのは、この神の祭の日だった。

ローマ人は、自分たちの都市の始まりを神の祭の日に結びつけました。

後に、ギリシャの馬の神と重ねられます。ネプトゥーヌス・エクエステルという呼び名がそれです。

しかし、この重なりは無理があります。 蓄えの神と海の神には、もともと何の関係もありません。

馬という一点だけでつながっています。 ローマがギリシャの神々を取り込むとき、こうした強引な対応づけが起きました。

コーンススを祀った神殿と遺跡

コーンススの祭壇は、住所を確かめられませんでした。

大競技場の地下に埋められていたと記録されます。競技場の中心の細長い区画のどこかです。

しかし、正確な位置は特定されていません。 埋められていたため、遺構としても確かめにくい状態にあります。

埋めておくことが、この神の祀り方だった。

アウェンティヌスの丘にも神殿があったと記録されますが、こちらも位置が分かっていません。

コーンススが現代に残した痕跡

コーンススの名は、祭が生んだ物語として残りました。

サビニの女たちの略奪: この神の祭の日に起きたとされる出来事。ルネサンス以降、絵画と彫刻の主題として繰り返し扱われた。

大競技場: この神の祭壇があった場所。ローマの馬車競走の中心となり、25万人を収容したとされる。

蓄えを意味する語: 「納める」を意味する語幹から、収蔵・保存に関わる語が生まれた。

コーンススが司るもの

蓄えの守り

刈り入れた穀物を納めることを司る。

馬と家畜

祭の日には馬と驢馬を休ませ、花輪を掛けた。

競走

ローマの馬車競走は、この祭に始まるとされる。

コーンススが登場するゲーム・アニメ

この神そのものが作品に出ることはありません。

代わりに、祭の日に起きた出来事が繰り返し描かれました。

祭に招いて、娘たちを攫う。

ルネサンス以降、絵画と彫刻の定番の主題になっています。

神は忘れられ、その祭の日の事件だけが残りました。

コーンススが登場する美術

サビニの女たちの略奪

ジャンボローニャの彫刻をはじめ、多くの作品が作られました。

サビニの女たち

ダヴィッドの絵画。戦いを止めに入る場面を描いています。

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コーンススについてよくある質問

コーンススは何の神ですか。

蓄えた穀物の神です。名は「納める」を意味する語からできています。祭壇は大競技場の地下に埋められ、年に二度だけ掘り出されました。

なぜ祭壇を埋めたのですか。

穀物を地下の穴に納めたことと重なると説明されます。ただしこれは後代の説明で、本当の理由は分かっていません。

サビニの女たちの略奪はこの祭の日ですか。

そうです。ロームルスがこの神の祭を開いて近隣の人々を招き、競走に見とれている隙に娘たちを攫ったとされます。

ネプトゥーヌスと同じ神ですか。

違います。馬という一点で重ねられ、ネプトゥーヌス・エクエステルと呼ばれることがありましたが、蓄えの神と海の神にもともと関係はありません。